GUIが良いと音が良いように感じてしまうプラシーボってありますよね?
当然ながら「GUIと音は比例する」とは言い切れないのですが、プラグインにとってGUIが生命線なのも見逃せないポイント。音さえ良ければ全て良し!ってものではありません。
「気分の問題」では済まないくらい重要なので、デベロッパー各位には是非とも頑張って頂きたくご期待申し上げます。
ってなわけで、GUIだけじゃなく音も良い、TG12345をレビューします。
※この記事は2017年3月13日に投稿されたものに加筆修正を加えたものです。
TG12345
アビイ・ロードスタジオのためにEMIが製造したという、数々の名盤を世に送り出した伝説のコンソールをエミュレートしたチャンネルストリッププラグインです。
実機
TG12345の全モデルを再現可能
60年代サウンド再現するならとりあえずコレ挿しとけってな感じですね。
EQ、COMP、LIMITERなどに加えて、ディストーションやノイズで独特の歪みによるビンテージサウンドに仕上げることが可能。
プラグインらしくMSモード切り替えなどもついてます。
アナライザで検証
Waves NLSの検証と同じ方法で行いました。
Sytrusを使用してサイン波を鳴らし、Pro-Q2で波形を見ます。これが素の波形です。
とりあえずTG12345を挿しただけのデフォの状態でこんな感じ。
挿しただけでも結構倍音が出てますね。
で、同じTG12345ってことで、先日検証したNLSのTG12345モデルと比べてみました。
Waves NLS MIKE(TG12345)
こちらは挿してからDRIVEを+6した状態です。倍音の出方が少し似てます。
負荷は結構高め
基本マスター・バスに挿して使うものだと思いますが、負荷は高め。
トラックに挿しまくるとキツいですね。
デモ
プリセットがバリエーションに富んでて良い感じなので、いくつか鳴らしてみました。
結構派手に音作りしているものもあります。マスターに挿して使うにはそんなに濃い味付けはしないと思いますが、バスなどで使うと良いかもです。
- BYPASS(No Effect)
- Drums Bus
- Drums Lite
- OverHeads Cream
- Drums OverHeads
- Fine Young Snare
- Drums Room Mics
クリップしないようにアウトプットを調整してます。リミッターは挿してません。
かなり多様な音作りが可能です。⑥や⑦は少々極端な感じですが、狙ってやるなら面白そう。個人的には⑤がめちゃ力強いサウンドで好きですね。
音の方向性としては、明るくクリーンながらも、独特の質感。想像していたよりも古臭いサウンドではないなと。
Abbey Road Studioごっこやってみた
やり方が正しいかどうかはわかりませんが、Abbey Road Studioごっこやってみました。何となくこんなかんじやろってことで・・・。
トラックにNLS Channel、マスターにTG12345→NLS BUSS→J37(順番あってる?)を立ち上げてます。
まずはただ挿しただけの状態で倍音はこんな感じ。
キレイな倍音が出ました。J37を指す前はローがこんもり出ていたのですが、J37を挿すことで良い感じに抑えられています。EQ処理の必要がないってことですよね。
ってことで、音を聴いてみましょう。
- BYPASS(No Effect)
- とりあえず挿しただけ
- NLS Channel(DRIVE+2)
→マスタートラックにてTG12345(Drum Bus1)
→NLS BUSS(DRIVE+2)
→J37(Abbey Road Defalt)
うーんイイですね!挿しただけのモノは、BYPASSに比べて少々おとなしくなっただけに感じますが、音作りした③は流石に良いですね。
空気感が加わり、迫力が増して高域もいやらしくない持ち上がり方してます。
確かにアビイ・ロードっぽいと言われればそうかもしれない。音の方向性は近いものがあるように感じます。
さいごに
60年代のコンソールってことで、もっと古っぽいサウンドになるのかなと想像していましたが、思いのほか明るく迫力のあるサウンドですね。
ロック、ファンクなどに合いそうな音ですが、ドラムサウンドはもちろん、アナログシンセなどにも相性が良さそうに感じました。
ビートルズファンもそうでない方も、好きな人はたまらなく好きな質感ではないかなと。
気分はアビイ・ロード スタジオです。
ではでは。
WAVES EMI TG12345 Channel Strip単品販売もしてますが、WAVES Abbey Road Collection にもバンドルされてます。