1983年、YAMAHA DX7の登場以来、シンセサイザーの歴史を塗り替え30年以上の時を経た今もファンの心を掴んで離さないFM音源。
数年前まではそれほど種類もなく、選択できるほどではなかったのですが、近年ではソフトウェアで様々なタイプのFM音源が楽しめるようになりました。
本日はその中から14種類をピックアップしてご紹介したいと思います。
今からFM音源デビューしたいって方、持っているけど他のも触ってみたいという方、是非是非ご参考に。
FM音源 ソフトウェア10選まとめ
独断と偏見でチョイスしました。なお、サンプリング方式のFM音源ライブラリは対象外とします。
Arturia DX7 V
FM音源といえばYAMAHA DX7。DX7を忠実にソフトウェア化したのがArturia DX7Vです。
完全再現であり、更に現代的にアレンジもされていて使い勝手も向上。
Chipsounds OPS7
DX7を精巧にエミュレートし、更にはTX81Z、SY77、OPL3の波形を使用できる拡張モードも搭載。
インターフェイスも洗練されており、音作りもしやすい。
もちろん、DX7の音色(sysEXファイル)も読み込むことが可能です。
かなり後発のプラグインということもあり完成度が非常に高く、これで満足できなければ実機かな?というレベル。
Chipsounds PortaFM
PortaFMは、OPLL(YM2413)とOPL2(YM3812)をエミュレートした2オペレーターFMシンセです。
いかにも「FMらしい」サウンドなことと、先に書いたとおり2オペなのでシンプルなのが嬉しい。
Native Instruments FM8
Skrillexが使っている(いた?)シンセとしても有名なFM8。
歴史も非常に長く、ダブステップサウンドからゲーム音楽に至るまで変幻自在なFM音源ソフトウェアのパイオニア的存在です。
操作性良く負荷も軽い素晴らしいシンセです。SysEXの再現度も秀逸。
Image-Line Toxic Biohazard
見た目と名前が派手というかエグいので、キワモノシンセとみられがちですが、とても美しい音を鳴らすシンセサイザーです。
透明感があり、粒立ちが良く、耳障りが良いです。若干立体感に欠けますが、エレピやベルなどがその分美しいのでキワモノで終わって欲しくないw
Image-Line Sytrus
Image-Lineを代表するシンセサイザーですね。エッジの効いたソリッドなサウンドでEDMなどに向いてます。
歴史が長く音も良いシンセだと思うのですが、インターフェイスの難解さととっつきにくさがメジャーになれない要因でしょうか。
ヴィンテージなFM音源サウンドとは一線を画す鳴り方ですが、しっかりFM音源サウンドです。
Tone2 Nemesis
構造や音作りが難解なFM音源を、誰でもコントロールできるように次のステージへ昇華させた、ネオFM音源Nemesis。
Tone2らしい明るい音。各種シンセ機能や、ユニゾンが強力です。
Tone2 NemesisWaves Flow Motion FM Synth
FM音源=難しいという概念を覆してくれるほど直感操作が可能なFMシンセです。
パッと見た感じは色モノシンセに見えなくもないですが、非常にインテリジェントな構成が◎。
アナログシンセエンジンも搭載しているので、レイヤーサウンドもお手の物。
Flow Motion FM SynthdiscoDSP Phantom
YAMAHA TX81Z、DX21、DX27、DX100などにピンと来た方にオススメ。
4オペレーターFM音源です。上記のFM音源群のような現代の音楽シーンにも適用したものではなく、古き良き時代を再現するタイプですね。
discoDSP OPL
もうまんまの名前ですが、OPLサウンドチップをエミュレートしたプラグイン。
OPL2の全機能とOPL3の一部を再現しているとのことで、良い意味で泥臭いサウンドです。
玄人感溢れるインターフェイスは好みが分かれるところですが、個人的には音を含め好きですね。
Inphonik RYM2612
メガドライブに搭載されていたFM音源チップ、YM2612のFM音源部のみをエミュレートしています。
VGMファイルから音色を取り込んだりもできる神機能も搭載。当時のゲーム音楽ファンは垂涎モノでしょう。
Plogue Chipsynth MD
こちらはYM2612を丸ごとエミュレートした音源です。なので正確には「FM音源+α」ということになりますね。
RYM2612同様、VGMファイルから音色を読み込むことが可能。
フリー(無料)部門
フリーで使えるFM音源ソフトシンセも紹介しておきます。
Digital Suburban Dexed
DX7を忠実にエミュレートしたフリーソフト。色合いも初代DX7を意識した作りになっています。音も初代DX7のDAC(12bit)の泥臭さが出てるようにも感じます。
見た目から難解そうな雰囲気が伝わってきますが、FM音源分からない人はちょっと難しいかもしれません。
それにしても、こんなのが無料で良いのか?というクオリティです。
VOPM
当ブログでも何度も紹介している、YM2151をエミュレートしたソフトシンセVOPM。
X68000、80年代のゲーム音楽好きはマスト。
さいごに
こうやって改めてまとめると、現代は各社から様々なFM音源がリリースされ、かなり豊かな時代なんだと改めて実感しました。
アナログシンセメインでFM音源の機能を搭載しているシンセなども含めるとなると、ここでは紹介しきれないほど数はあります。
それほどにここ30数年で一般化した音源方式なんだなぁと。
FM音源の開祖である、YAMAHAからもMontageやMODXなどハードウェアにFM音源をフィーチャーしたしたものも多数。
実機でFM音源を使ってみたいという方は、reface DX、もしくはKORG OPSIXがお手軽です。
おまけ
FL Studioに含まれる非常にシンプルなFM音源DX10。
FM音源の仕組みオペレーターの概念(キャリアとモジュレーターの関係)を理解するのにオススメ。音も良いです。
個別での販売は無く、FL Studio Fruity Edition以上に含まれます。
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