Antelope、一度は試すべし。
個人的には、音は良さそうだけど、少し難しい機材なのかな?ガチのプロ向けなのかな?と思いつつも一度使ってみたい…そんな想いをもって遠くから見ていたAntelope Audioの製品。
この度、Antelope AudioさんからZen Q Synergy Coreをお借りしたのでレビューをさせて頂いたのですが、なるほど、これは良い!と強い手応えを感じることができました。
信頼感の置けるフラットなモニター性能と忠実なサウンドを再現するインプット、そういったオーディオインターフェイスの基本性能の高さと、まるでネイティブプラグインのような使い心地の超低レイテンシー高品質DSPプラグインが使用可能という全方位型の製品です。
それでは詳しく見ていきましょう。
Antelope Audio ZEN Q Synergy Core
感想のまとめです。
- 色付けのないモニター的なサウンド
- ネイティブプラグインの様に使用可能なSynergy Core FXが高品質・PC負荷無し
- デバイスに高級感あり
- ThunderBolt 3接続に注意
- はじめにしっかりとした設定が重要
ではそれぞれ書いていきます。
色付けのないモニター的なサウンド
オーディオインターフェイスの最も大切な要素のひとつ、気になる出音について。
サウンドの評価は好みと、今まで使用した機材経験が大きく作用することを前提に、あくまで個人の感想として捉えて頂きますようお願いします。
ZEN Q Synergy Coreは、色付けのない硬めな質感で、フラットです。ダイナミクスがあり、非常に明瞭。
低域も量がしっかり出ているのに、スッキリと透明感があり、にじみがなく他の帯域を邪魔しない非常にモニター的な音だなと感じました。
このあたりはAntelopeのクロック精度も大きく貢献しているのではないかと。
AFC™ (Acoustically Focused Clocking) テクノロジーは、数々の賞を受賞したマスタークロックから採用され、最大192kHz/24bitまでのプロフェッショナルかつ低ジッターのAD/DA変換を可能にします。
「モニター的」と表現すると、聞き応えの無い面白みがないサウンドなのでは…?と思う方もいるかもしれませんが、そうわけではありません。
ガンガン楽しく聴くというよりは、正確なサウンド、楽器ひとつひとつの繊細な表現をしっかり楽しむことができます。
筆者は同じく10万円クラスのREM UCXを所有していますが、比較するとZen Qの方が楽しめる音なのかなと。
ヘッドホンアウトも同様の質感で、とてもフラット。
2つ付いているのが個人的にはめちゃくちゃ良いなと思いました。
ミックス時にヘッドホンを使い分けるたり、聞き比べに重宝しますね。
ネイティブプラグインの様に使用可能なSynergy Core FXが高品質・PC負荷無し
AntelopeのオーディオインターフェイスDSPパワーを使用した強力なエフェクト群、Synergy Core FXが37種類付属します。
NEVE1073プリアンプ、1176コンプ、Pultec EQ、ギターアンプシミュレーターなど、主要なエフェクターは一通り揃っているので、これだけでも強烈なコスパ。
かけ録りはもちろん、DAWのエフェクトインサート上で「AFX2DAW」をホストとして立ち上げることが可能で、ネイティブプラグインと同じ使用感で使えるのが神。
複雑な設定不要なのが嬉しい。
※AFX2DAWを使用する場合、Control Panelを立ち上げておく必要があります。
しかも、同時に8種類が使用可能という余裕ある感じが良いですね。
Control Panelのルーティング設定はNarukiさん(@Naruki_Engineer)が動画で分かりやすく解説して頂いています。
エフェクターの質感は、非常にナチュラルに効くという印象です。
奥行きがあるサウンドで、深くかけてもダイナミクスがしっかり生きてます。のっぺりしない。
褒めるにあたって語彙が貧弱で恐縮ですが、ハードウェアっぽい音で、どのエフェクトも「コレジャナイ」感がありません。
モノにもよりますが、効果が分かりやすい派手なプラグインばかりに慣れていると少々ツマミをひねっても「あれ?」となるかも。
もちろん、変化を大きくつけるとしっかり効果は分かるので、無駄を省いた、非常に繊細なコントロール・調整が可能なのではないかと感じます。
高品位なエフェクトは往々にして重たい(PC負荷が高い)ものが多いですが、Synergy Core FXはそんな心配が要らないのも大きなポイントでは。グッバイ重たいネイティブプラグイン!
気になるレイテンシーもほぼ感じないレベルなのも嬉しい。
また、Synergy Core FXはサードパーティからもリリースされているため、公式サイトより購入して増設することが可能です。
高級感のあるデバイス
さすがは10万円クラス、無骨な機械というわけではなく、オーディオ製品!といった外観。
足のグラつきもなく、安定感抜群。こういう細かい部分がしっかりしているというのは地味に大切です。
ボタンも必要最低限の数しか付いていないのでスッキリ。
大きなコントロールノブは「カチカチ」と1段階ずつ変わります。なお、押すとミュートになるのが地味に便利。
TunderBolt 3接続
ThunderBolt3での接続なので、そこだけは注意ですね。UCB-Cなどでは動作しません。
PC側もTunderBolt 3に対応したインプットが必要です。
バスパワー駆動のみ対応なので、電源は不要。モバイルにも良いですね。
はじめにしっかり設定が重要
これは機材全般に言えることですが、環境に応じて、それぞれの設定をしっかりやることが非常に重要。
Antelope製品も各種設定を適切に行うことで、安定して運用することが可能になります。
不安定なのでは?という意見も散見されますが、ほとんどは設定がうまくいってないことが原因なので、はじめのうちに、サポートページをしっかりチェックしたり、メーカーに問い合わせるなどすると良いでしょう。
当方環境では初期設定完了後は、一度もエラーが起こることなく安定動作しています。
さいごに
高品位なモニター的サウンドが良いけど、音楽的な良さはしっかり感じたい!
そんな、ワガママなDTMerが喜びそうな製品ですね。
楽曲品質を押し上げる、即戦力のPCに負担がかからない高品質エフェクトが37種類付属しているというのも大きなアドバンテージ。
ではでは。
Antelope Audio公式サイト Zen Q Synagy Core
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この機会に是非チェックしてみてください。
Rock oN