音源

IK Multimedia Syntronikレビュー

スポンサーリンク
   

※本サイトでは、アフィリエイト広告を利用、またはプロモーション記事が含まれている場合があります。

DRIFT技術がキモ。

サンプリングの音源というと、いくらシンセサイザーと言えども味のない、動きのないアナログ感が失われたロムプラーな音を想像してしまいますが、Syntronikは独自の技術と工夫で単調でないサウンドを実現しています。

馴染ませやすい質感、総合音源SampleTankとのシームレスな連携など、楽曲制作における使いやすさも注目すべきポイント。

※この記事は2017年7月22日に投稿されたものに、加筆修正したものです。

Syntronik

シンセサイザーはDSPを使用したモデリング、波形そのものをサンプリングしたもの大きく2つに分かれます。

Syntronikは後者で、70,000サンプル以上、50GBを超える大容量モンスターシンセ。

総計38機種からサンプリングしたシンセサウンドが、17機のインストゥルメントとして収録され、プリセットは約2,000。

38機種なのに17機?と思った方、するどいです。

J-8(Jupiter-8、Jupiter-6、Jupiter-4)、DCO-X(JX-10、JX-8P、JX-3P)といったように、音の方向性が同じものは合理的にまとめられているんですね。

サンプリングした生の波形に、DRIFT技術でゆらぎを与え、アナログモデリングしたフィルターを通して、更には長年培ってきたモデリングエフェクターで磨きをかけ、ヴィンテージシンセを再現しているのがSyntronik。

 

synth_matrix_3cols

では、なぜヴァーチャルアナログ(モデリング)ではないのか。

それはSyntronik開発の中心人物である、エリク・ノーランダーのこだわりです。

モデリングは”表現力”に非常に優れた手法ですが、サウンドそのものの”再現力”に関しては、やはりサンプリングに軍配が上がります。

モデリングよりもサンプルベースを選択するという考え方はUVIも同じですね。

音について

非常に使いやすい音で楽曲に馴染みやすいですが、人によっては少々アナログ感が足りないと思うかもしれません。

高品位なPCMシンセの音にアナログ感を足したような音で、まさしくコンセプト、音源の仕組みがまんま音に出ている感じがしますね。

DRIFT技術と、ラウンドロビンのおかげで、例えばシンセベースを鳴らしていてもサンプルベースの音を鳴らしたあの独特な単調感が無いのは素晴らしいですね。

有機的に響く、生きた音の存在感が滲み出る感じで、レイヤーするだけでもイイ感じに音が厚くなるんです。

ただ、あくまでサンプルベースなので、アナログシンセ的な音作りの幅はそう広くありません。

Syntronikの音作りのスタイルは、色んなシンセをレイヤーして、フィルターを切り替えて、エフェクトで加工して仕上げていくのですが、1音1音が良い意味で主張し過ぎない馴染みが良い音なので、その分混ざりが良いです。

モデリングフィルターはIKが自信持っているだけに非常によくできてます。

効きも良いし、絞っても音が細くなったりしません。4種類のフィルターはどのマシンを選んでいるときでも切り替え可能です。

オリジナルの実機のサウンドを可能な限り忠実に再現するために、IKでは回路レヴェルからアナログ・フィルターのモデリングを行いました。MinimoogやModular Moogでお馴染みの Moogトランジスター・ラダー・フィルター、Jupiter-8やJuno-60に搭載されていたRolandのIR3109チップ、またProphet-5、Oberheim OB-Xa、そしてMemorymoogなどに搭載されていたCurtis CEM3320チップ、そしてOberheim SEMステート・ヴァリアブル・フィルター、合計4種類の古典的アナログ・フィルター・モデルが、Syntronikに装備されています。

 

Syntronikのライブラリは、SampleTank3でも読み込めます。

SampleTank3はシンセ系が少々弱いので、完全補完です。

総合音源としての使い勝手の向上と、音作りの幅が広がるのは言うまでもありませんね。

IK Multimedia SampleTank 3 レビュー【こんな人にオススメ】マルチ音源代表の一角、IK MultimediaのSampleTank3です。 4,000音色33ギガというモンスター級サンプル音源。...

さいごに

深い音作りはできませんが、耳馴染み良く使いやすい音源で、扱いやすいです。

動作もそれほど重くないし、価格も控えめ。

SampleTank3持ってる人は、既存の環境をパワーアップという観点からも良いですね。

エリク・ノーランダーが開発に関わった、シンセマニア垂涎のAlesis Andromedaも収録されているという部分はシンセマニア諸兄には見逃せないポイントでは。

あとはYAMAHA SY99が入ってるのがうれしい。エレピ、ベースがお気に入り。

ではでは。 

Syntronik

Syntronik Deluxe