ピアノ音源どうしてる?
シンセはよくわからんけど、ピアノ音源は拘ってる!という人も多そうですよね。
過去にアンケート集計を行った結果はこちらです。
https://synthsonic.net/archives/54934922.html
Ivory、Keyscape、Addictive Keysなど、その他多くはサンプリング勢ですが、上位には必ず物理モデリング音源のPianoteqがランクインしています。
物理モデルが選ばれる理由は、音はもちろん、負荷やストレージの部分でアドバンテージがあるのかもしれませんね。
で、今回ご紹介するのはシンセメーカーArturiaが作った物理モデルピアノ音源「Piano V2」。
正直ノーマークでしたが、使ってみたらコレが結構イケてる。ぼくと同じように食わず嫌いな人も興味がある方は読んでみてください。
※この記事は2018年1月23日に投稿されたものに、追記修正をしたものです。
Arturia「Piano V2」
知らない人もいるかもしれないのでもう一度書いておきますが、Piano Vは物理モデル音源です。
物理モデルピアノ音源というと、その代表格である「Pianoteq」を彷彿しますが、Arturiaも負けてません。下記のとおり、物理モデルの強みは十分に活かされています。
12種類のピアノを収録
- Concert Grand
- Intimate Grand
- Pop Grand
- Jazz Upright
- Piano-bar Upright
- Pop Upright
- Classical Upright
- Glass Grand
- Metal Grand
- Japanese Grand
- Plucked Grand
- Tack Upright
たっぷり入っているのでコスパ良いですね。どれもしっかり個性があって使い分けられます。
他のピアノ音源には収録されていないモデルとして「Grass Grand」や「Metal Grand」など。
とても個性的で良い音。エレピとも違う独特の響き、質感があります。
ちなみに、XJAPANのYOSHIKI氏が弾いてるKawaiのピアノではありません。
動作が軽い
高品質ピアノ音源にありがちな、長い読み込み時間や、モッサリした音色切り替えに大きく差をつける部分です。
KeyscapeなどはSSDでも読み込むのに1分くらいかかる音色もあります。(2回目からは速かったりする)
とにかくPiano Vはサックサク。全然ストレスありません。Pianoteqもそうなんかな?
CPU負荷はまぁまぁ
Concert Grandはそれほどでもないですが、Glass GrandやMetal Grandはまぁまぁ負荷あります。
弾いている時の負荷だけで言うと、プリセットにもよりますが、概ねKeyscapeの方が軽かったです。
物理モデルなので、CPUに依存するのは仕方ないのかなと。Keyscapeはサンプルベースなので読み込んでしまえば安定。
ストレージ圧迫しない
必要なストレージ容量は1GBと、12種類のモデルを収録しているのにもかかわらず、かなり省スペースです。
ちなみにKeyscape(電子ピアノやクラビなど、収録されている種類は多い)77GB、Ivory Ⅱ Grand Pianoは78GBなので、比較にならないほど小さいです。
ちなみにPianoteq 6は、50MB・・・すげぇw
音について
Arturiaはシンセメーカーなので、ピアノとか大丈夫なん?って思っている人も多いのではないでしょうか。
そんな心配をしながら使ってみたところ、Keyscapeなどとは質感が異なるものの、有機的で芯がある音です。弾いてて気持ちいい…。
モデリングのせいか、変なクセがないのも特徴。EQの効きも良いので、好みの音色にササッと仕上げられます。
氏家の御大のレビューです。
気のせいかもですが、Piano V2になって音がブラッシュアップされているような気がします。
グランドピアノで比較すると、Keyscapeほど太く重厚ではなく、Ivoryほど煌びやかでもないちょっと軽めの音で抜けが良いです。
幅広いジャンルの楽曲に馴染みやすいのではないでしょうか。
シンセの音とレイヤーして幅広い音作り
6,000音色を搭載するAnalog Lab 3でもPiano Vは存在感を放っています。なかでもピアノ音色とシンセをレイヤーさせた音色が良い感じ。
そもそもシンセ音色が多いArturiaですが、Piano V2、DX7 Vなどが加わったことで圧倒的に音のバリエーションが広がりますよね。
https://synthsonic.net/archives/53088117.html
さいごに
シンセだらけの、V-Collectionについてくるオマケ的なピアノ音源では断じてありません。
として、しっかり使える優秀な物理モデルピアノ音源です。
V-Collectionとしては、ピアノ音源やクラビネット音源が加わったことでシンセ一辺倒のバンドルではなくるほどの存在感があるため、幅広いユーザーに受け入れられやすくなったのではないでしょうか。
Piano V2はこんな方にオススメです。
- 動作の軽い品質がそこそこ良いピアノ音源が欲しい
- ストレージを圧迫したくない
- なるべく安価が良い
3拍子揃ってますね。
全部入りのV-Collection 7もオススメ。