u-heを超えるのはu-he。
モノシンセではあるものの、アナログ感の凄まじさたるや、ハッキリ言って化物レベル。
現存しているビンテージアナログ部門では、他の追随を許さない圧倒的領域、最高の選択肢のひとつです。
※この記事は2016年12月15日に書かれたものに加筆修正を加えました。
Pro-Oneを完全再現したu-he Repro-1
Sequential Circuits社のシンセPro-Oneを再現したソフトシンセです。
実機のPro-Oneは、Prophet-5のモノフォニックバージョン。Prophet-5の発売から3年後の1981年にリリースされた弟分です。
フィルターやシンクの効きなどはProphetそのものなので、ポリでないところ以外はほぼ同じと言ってよいでしょう。
実機はこれ。
Jr. High Sequential Circuits Pro One Keyboard Synthesizer SN 9534 https://t.co/76cnFEiMB9 pic.twitter.com/nuCJYSNiOj
— matrixsynth (@matrixsynth) 2016年12月6日
実機と聴き比べながらプログラミングしている様子が窺えます。
Fine tuning things. pic.twitter.com/YOuFcQPi13
— urs heckmann (@uheplugins) 2016年9月27日
この時代に、なぜモノのままなの?ポリにならないの?と疑問を持つ方も多いかもしれませんか、理由はその負荷の高さにあります。
このクオリティのサウンドは現代のCPU環境をもってしても、同時発音は1音が限界なんです。
とにかく一点集中、ひとつの音にすべてを懸けたシンセがRepro-1なのです。ある意味すごい贅沢なシンセ。
極上のアナログサウンド
実機との比較動画。ヤバ過ぎ。
とにかくアナログそのもの。ぼくの知ってるソフトシンセじゃない・・・w
粒立ちがよく、ダイナミクスがあり、とにかく太い。 Divaとの比較だと、Repro-1の方がブライトで抜けが良いです。
アルペジエーターを鳴らすだけで、存在感のあるシーケンスフレーズを演出してくれます。
今まで様々なシンセでProphet-5のシンクリード(再現したモノ)を聴いてきましたが、ここまで「まんま」な音はないです。最初弾いた瞬間、雰囲気出過ぎてて笑ってしまったw
ちなみに、Daft punkはProphet-5実機を所持してます。
もちろんフィルターもキレッキレ。Prophetそのものです。ミョンミョンサウンドも楽勝です。
質の高いエフェクター
シンセの質もさることながら、エフェクターの質もかなりのもの。 ストンプ的なデザインが良いですね。
エフェクターがRepro-1の音の良さ、実機臭さに一役買ってます。エフェクター単体で使えるようにして欲しいくらいです。
- Jaws・・・WaveFolder。波形に様々なモジュレーションをかけて音作りができます。Jawsだけでも結構ぶっとい音を作ることが可能
- Lyrebird・・・コーラスやエコー。他にも面白い効果を得られる
- Resq・・・3段階の可変帯域別でレゾナンス、EQが可能
- Drench・・・プリディレイ
- Sonic Conditioner・・・ゲイン。Transientを上げていくとアタックがパツパツに。
極悪なCPU負荷
Repro-1を語るうえで、この重要事項に触れないわけにわいきません。
CPUに負荷をかけまくって極上のアナログサウンドを奏でるため、CPU負荷は極悪です。恐らくアナログモデリングのシンセではトップクラス。
何も鳴らしてないアイドル状態でこの負荷。
Studio Oneのパフォーマンスメーターです。
Windows 64bit(Core i7 3.2G)、メモリ32GB環境での計測。
これで音を出すともう少し上がりますが、モノシンセということもあってそれほどではないです。
一応、フォローを入れておくと、これはu-heブランドすべてに言えることですが、とても安定してます。負荷は高いものの安定感はあるんですよね。
メリットとしては、ソフトの容量はとても小さいです。CPUには極悪負荷だけど、HDD(SSD)にはやさしい。
さいごに
CPU負荷が高かろうが、モノだろうが構わん、最高のアナログサウンドで俺を満足させてみろ!という方には文句なしにオススメできます。現時点での最高峰。
これで満足できなければハードシンセを買うしかないです。
但し、負荷が高すぎる故に、実戦でどれほど使用できるのかが難しいところです。VEPを使用するなどして、DAW外で立ち上げるなど工夫が必要ですね。
ビンテージアナログシンセが好きな方は、とりあえずデモってみてください。1時間音作りをすれば虜になってしまうのではないかなと思います。
手持ちのアナログエミュシンセを駆逐してしまうほどの破壊力があるのでくれぐれも注意ですw
「CPU負荷をかければソフトシンセでもここまでやれる」と証明してくれました。
ではでは。
※Repro-1にはRepro-5も含まれます。