Sponsored By Media Integration
クリアでモダン、そしてGUIが良い(重要)
チャンネルストリップというと、通常固定されたパラメーターを想像しますよね。
サウンドと操作性を統一する観点ではそれが良かったりもするわけですが、自由度が低いという側面もあるわけです。
Scheps Omni Channelは、往年のチャンネルストリップの良さと、プラグインならではの柔軟さを兼ね備えた新しいタイプのプラグイン。
サウンドは自然でとてもコントロールしやすく、負荷も軽いので、チャンネルストリップ初心者の方にもオススメ。
また、他のチャンネルストリップを使ってみて、痒い所に手が届かない…という思いをした方にも是非試して欲しい、とてもよく出来たプラグインなのです。
Scheps Omni Channel
Scheps Omni Channelとは、グラミー受賞ミキシング・エンジニアである、Andrew Schepsのノウハウで磨き上げた各種モジュール(コンプ、EQ、サチュレーター、ディエッサー、ゲートなど)を搭載したチャンネル・ストリップ・プラグインです。
ブラックを基調としたインターフェイスに、VUメーターが搭載されており、見た目も非常にクール。
特徴は次のとおり。
- 質感はクリア。自然なサウンドコントロールが可能
- ざっくりとしたコントロールと、緻密なコントロール双方が両立
- コンプレッサーの質が良い
- StudioRackとの組み合わせでさらに機能拡充が可能
クリアで質感をしっかりコントロールするサウンド
サウンドは、全体的にクリアで、自然です。モダンな楽曲にも合いそう。
ヴィンテージ系のガッツリした音作りというよりは、質感を整える方向性で使う方がシックリくるのかなと感じました。
少々思い切ってツマミを触っても破綻しづらいので、コントロールしやすく、音作りもしやすいです。
また、コンプレッサーセクションでは、VCA・FET・OPTの3種類から選択が可能で、何れも滑らかで非常に良い質感を持っているのもポイント。
コンプ目当てで使っても良いレベルではないかと。
ざっくり、緻密、双方に対応
デフォルトで表示されているパラメーターは、音を聞きながら触っていけば「何がどうなっているか」分かるくらいに使いやすいのですが、それだけではありません。
各モジュールには、さらに緻密な音作りを行うことが可能となる[Expanted View]が用意されています。
また、各モジュールをドラッグして順序を入れ替えることも容易です。
さらに、Wavesプラグインを読み込んで、Scheps Omni Channel内の1モジュールとして使用することも可能。
コンプやEQの2段掛けなど、痒い所に手が届くのが嬉しい。
ただし、追加できるプラグインは1つまで。
また、アウトプット段には、ブリックウォールリミッターが搭載されているので、激しく積極的な音作りをした場合でも、しっかり止めてくれるので、ストッパー役のリミッターを別に立ち上げる必要はありません。
自由度の高さに目が行きがちなScheps Omni Channelですが、Andrew Schepsをはじめとする有名エンジニア達の謹製プリセットも豊富に用意されているので、立ち上げてトラックに適したプリセットを使用するだけでも、即戦力になってくれることを付け加えておきます。
StudioRackとの組み合わせ
Abbey Road Reverb Platesレビューでも触れましたが、Wavesから無償配布されている、StudioRackとの組み合わせることにより、機能を拡張できます。
StudioRackとは、最大8個のプラグインを組み合わせたオリジナルのチャンネルストリップを作成可能なプラグイン。その他にも周波数帯ごとにプラグインをインサート可能なマルチバンドスプリット、モノ・ステレオ・M/Sでパラレル・プロセッシング、1つのノブで複数のパラメーターをコントロール可能なマクロなど、プラグインを自在に操るプラグインラックです。(ダウンロードはこちら)
上質コンプをマルチバンド化
上でも書いた通り、コンプの質感が非常に良いです。StudioRackを活用すれば、Scheps Omni Channel版マルチバンドコンプレッサーが実現可能。
ちなみに、StudioRack内に立ち上げたプラグインは、コピー&ペーストできるので、同じものを複数立ち上げたい場合など、快適に準備が進みます。
もちろん、コンプだけでなくScheps Omni Channelに搭載されているモジュールがすべてマルチバンドで使用可能となるので、これだけでも音作りの幅が広がりますね。
後述するCPU負荷を参照してほしいのですが、気軽に立ち上げても負荷がそれほど高くならないのも◎。
自分だけのチャンネルストリップ
Scheps Omni Channelに追加できるプラグインは、Waves製かつ1種類のみですが、StudioRackを活用すれば、複数のプラグインとの組合わせが可能になります。
- Vitaminで緻密な色付け、ステレオコントロール
- Scheps Omni ChannelでFET Comp及びEQ、ディエッサー
- CLA-2Aでコンプ2段掛け
- L2でリミッティング
これはほんの1例ですが、他社製プラグインも含め、とにかく自由に組み合わせられるので、ほぼ無限と言えます。
Scheps Omni Channelの好きな部分だけを贅沢に使用して、足りない部分を補完する使い方がベターなのかなと。
Scheps Omni Channelは自然なサウンドなので、あえてダーティーな色付けのプラグインや、デジタルな質感のものとの組み合わせも面白いと思います。
CPU負荷
負荷はとても軽い部類に入ります。非力なPCでも安心ですね。
チャンネルストリッププラグインは、全チャンネルに立ち上げて、音の質感を統一するといった使い方が想定されるので、安心して使用することができるのかなと。
ASIO-Guard ON
ASIO-Guard OFF
計測環境は以下のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 12
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
チャンネルストリップを各チャンネルに立ち上げて使用するメリットは、サウンドの統一性はもちろん、コントロール調整が同じところも大きいです。
迷いが少なくなり、判断が早くなるため作業効率アップも見込めるんですよね。
WavesのチャンネルストリップというとSSLを彷彿しますが、クリアでモダンなサウンドが欲しい時などに、Scheps Omni Channelを選択するのはかなり有用だなと感じました。
ジャンルを問わず使えそうですね。
ではでは。