ミキシングの技術を上達させるには経験と知識が必要です。
やみくもに数をこなしても商用作品のような素晴らしい結果はなかなか得られません。
そこでミックス上達の最も近道として「リファレンス」を真似るわけですが、耳だけでの判断がこれまた難しい。
慣れていないとエフェクターを挿し過ぎて収集がつかなくなっていったりもします。
そんな奥深い難攻不落なミックス作業を、視覚的にあらゆる角度からアナライズできるプラグインが今回紹介するADPTR「Metric AB」です。
※この記事は2018年9月8日に投稿されたものに、加筆修正したものです。
Metric AB
Plugin Allianceの新たなパートナーとして加わった、ADPTR社の新作。ちなみにMetricとは目標という意味です。
市販の音楽ファイル(wav、mp3、AIFF、Flac)などを読み込んで、自身のトラックと比較し、リファレンスに近づけるためのプラグイン。
5種類のアナライザーで”超精密分析”を行い、最大16のリファレンスを読み込んでAB比較が可能。
スペクトラムアナライザーからラウドネスメーターまで装備しているので、これさえあれば他のアナライザー要らなくなるのではないかと思います。
容量は小さく、一式ダウンロードしても37MBほど。AAXやVST2.4を使用しないのであれば15MBくらいで済みます。ストレージにもやさしい。
5種類のアナライズを中心に超多機能、視認性最高
Metric ABに搭載されたアナライズ機能をスクショしてみました。
Spectrum
一般的なスペクトラムアナライザーです。ヌルヌル動くので気持ちいです。
Correlation
位相をチェックするアナライザー。
Stereo Image
ステレオイメージを確認できます。Aは低域に締まりがないのが一目瞭然ですね。つらいw
Dynamics
ダイナミクスアナライザ。ターゲットとする数値を設定することが可能です。赤いラインが上下します。音数が増えたり音圧が増してくると平坦なミックスになってくるのが一目瞭然。
Loudness
ラウドネスメーター。RMS、Loudness Range、True Peakなど必要と思われるものは一通り揃っています。
また、Loudnessでは各メディアのターゲット設定も選択できるのも有難い。
アナライザーとしても優秀
各項目の単独表示も可能なので、自身のトラックのアナライザーとして、リファレンスの研究を深めたりと比較以外にも使えます。
Layered表示
レイヤー(重ねて)表示も可能。ツボ抑えてますw切り替えがボタンひとつで出来るので楽々。
他の機能として、ループポイントを指定しての繰り返し再生や、フィルターが装備されていてAB比較しながら帯域を絞った聴き比べを行うこともできます。
さいごに
後発の最新アナライザーAB比較プラグインだけに、他のプラグインの良い部分が詰め込んでありますね。それなのに使い方がカンタンわかりやすいのが◎。
個人的にはかなり気に入りましたので購入確定プラグインです。GUIも良いし、動作も軽い。
ミックスにお悩みの方、是非是非導入をオススメ。発売はまだで、現在デモを2週間無料で使用可能ですよ。
ではでは。
ミックス・マスタリングがよく分からない、という方におすすめな本をご紹介しておきます。双方ともに、Kindle Unlimitedで読めますよ。