ミックス、マスタリングを高いレベルで行うには、多くの経験と、高度かつ専門的な知識が必要なのは言うまでもありません。
その高みに到達するためには、正しい知識を効率良く積み上げていくことが必要です。
とは言え、筆者も含め専門的な教育を受けていない独学DTMerの場合、基礎の段階から何が正解がわからない、何から始めれば良いのかわからない、という方も多いのではないでしょうか。
そんな時にミックス/マスタリングという大きなテーマ対して、どこから手を付ければ良いのか方向性とノウハウをわかりやすく示してくれるのが、江夏正晃氏(@DJebee1)の著書「DAWではじめる自宅マスタリング」です。
※この記事は2018年8月13日に投稿されたものに加筆修正したものです。
内容について
マスタリングの基礎知識から丁寧に解説されているため、初心者〜中級者に最も有効だと思います。
プロのノウハウがわかりやすく、散りばめられており、各所で気づきが得られるんですよね。
マスタリングがメインではありますが、ミックスの準備、順番、方法が体系的に学べます。
「マスタリングのためのミックス技法」という逆算した考察が嬉しい。そう言うの知りたかった!と何度も膝を打ちました。
例えば、
「2MIXの音圧はどれくらいにしたら良いか?」
「楽曲のタイプごとに、どのようにミックスしたら良いか?」
など”マスタリングエンジニアの視点から考えたミックス手法”を知ることができるのは本書の大きな特徴です。
マスタリング段のプラグインをどういった順番で立ち上げれば良いのかなど、プロは当たり前に知っていることが丁寧かつ簡潔に学べます。
https://synthsonic.net/archives/%e3%81%8a%e6%b0%97%e3%81%ab%e5%85%a5%e3%82%8a%e3%83%9e%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%83%bc%e3%82%a8%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%af%e3%83%88%e3%83%81%e3%82%a7%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%a9%e3%83%b3%e3%82%ad%e3%83%b3.html
機材厨に嬉しいプラグイン紹介コーナーもあります。
iZotope Ozoneをはじめ、マスタリングで使えるオススメなプラグインのレビューにも注目。
参考記事:iZotope「Ozone 8 Advanced」レビュー。個別プラグインエフェクトを検証してみた
さいごに
DTMのノウハウはネットに溢れていますが、本当に求めている情報、適切な情報に合致するものはなかなか見つからないのが現状です。
その理由は様々で、具体性を欠いていたり、誤解をしてしまう内容だったり、そもそも全ての音楽にとって「正しい対処」というのはなく、方法論は千差万別なのです。
正解がないのが音楽ですから、探すのはネット上にあるものではなく、最後は自分自身の中に求めるべき。
とはいえ、どこに向かったら良いのかすらわからない初心者、壁にぶつかって次に進めない、やり方が間違っている中級者の助けになる、そして何よりわかりやすい、そんな一冊です。
ではでは。