関ジャムなどでお馴染みの、音楽プロデューサー蔦谷好位置さん(@KoichiTsutaya)。
豊富な知識と技術はもちろんのこと、軽妙なトークがとても魅力的なお方です。
リットーミュージックさんの記事と、サンレコに名言が多数ありますのでご紹介したいと思います。
音楽はもちろん、何かしら成し遂げたい人に響く言葉だと思います。
ちなみに蔦谷さんの愛称は「ナイスポジション」(好位置さんだけに)らしい⇒Wikipediaより
※この記事は2017年3月15日に投稿されたものに、加筆修正したものです。
まずは結果を出すこと
自分の音楽を認めてもらうにはどうしたら良いのか?音楽をやっている人は皆考えることです。生業としている方は特に。
今や売れっ子の蔦谷さんも、昔は大変だったようで、デビューはしたものの、うまくいかなかった時期は誰にも相手にされなかったとのこと。
音楽を信じている人って純粋な人が多いから、“自分はこんなに真剣にやっているのに、みんな音楽を商売としか思っていない ”って傷ついちゃったりする。僕もそんな気持ちになる瞬間もありましたけど、お金がなくてパンの耳しか食えなかった時期に、それじゃダメだと思って考え方を変えたんです。結局、自分が頑張って結果を出せば、みんな振り向いてくれる。だからまずは結果を出すことだと。
これはキレイごと抜きで「お金を稼ぐ、メシを食っていく」ためにはどうしたら良いのかという部分。
悲観的にならず、腐らず、「結果」を出せるように行動していくしかない。プロの世界は厳しいのです。
しかし、最初は実績も無ければゼロからのスタートです。どうやって結果を出せばよいのか?
無名だから聴いてもらえないということではない
自分の作る曲の、どこが時代に合っていないんだろうということも考えました。そして、受け入れられないのには必ず理由があるんです。“自分は無名だから聴いてもらえない ”ということでは決してない。でも、売れるためだったら何でもするってことは絶対になかったです。自分の中で、音楽に嘘だけはつかないように、これが一番カッコいい、これが一番美しいと思えるものをやり続ける。その上で、自分の作った音楽をたくさんの人に聴いてほしいと、自然に思っていました。そのために、流行っている音楽はもちろん意識します。でも真似はしない。流行を追いかけても二番手にしかならないですから。
流行を勉強しつつも、自分のやりたい音楽、オリジナリティを表現していく。売れるためにやらなければいけないことはあるけど、いかに自分のやりたいことを売れるように落とし込むか。
決して大衆に迎合することとは異なりますよね。ウメハラさんの考えにも通ずるものがあると感じました。
自分で考えることが何よりも大事
これで本当に正しいんだろうか?このやり方で合っているんだろうか?って。結局、自分で考えることが何よりも大事なんです。今、そこで求められているものは何か、そのために何が必要なのか ……それを考えられない人は、間違いなく消えていきますね。セッション・ミュージシャンだったら、どういう演奏をしたらその曲を輝かせることができるか。シンガーだったら、どう歌えば人の心に響くか。そういうセルフ・プロデュースとも呼べることをしないでプロの世界に残っている人は、僕は見たことがないです。
これ、やっぱこれですよね。自分で考えること。
自分で考える=セルフ・プロデュースできないと生き残れない。これはどこの世界でも同じです。
逆に、これができればどこの世界でもやっていけるのではないかとも感じます。それだけ難しいとも思いますが、世に出てくる人というのは、そういう世界で生きているということなのです。
勇気を持った正しい判断を
サンレコ読者的にはやっぱり音ですよね。生で良い音で録ったバンド作品って減ってきていると思うんですよ。そういう意味で面白いと思います。一方で、打ち込み的な良さも入っていて、例えば「Space」のピアノは一度STEINWAYで録ったのに、曲に合わなかったからXLNAUDIO Addictive Keysに差し替えたりしているし、「色を剥がして」に至っては歌とギター以外はすべて打ち込みですからね。
これは結構難しい判断ではないでしょうか。ぼくだったら、EQしたりコンプしたりして、意地でもどうにかこうにかしたくなりますね。
せっかく生で録ったという「感情」や、生の方が良いに決まってるという「思い込み」、お金かかってるという「貧乏根性」に引きずられそう…。
生音の収録にも自信を持ちつつも、全体のバランスを考えた上でプラグインのピアノに差し替えるなんてまさしく「勇気」というより、経験からくる自信、冷静な判断なのかなと。
時間も手間も(経費も)かかっているのに、こっちの方が良いと決断できるのは、思考停止せずに常に良いものを導き出すために集中しているってことだと思います。
プロデューサーとして、その責任も負うわけです。プロすげぇ…。
さいごに
さすがは売れっ子音楽プロデューサーですね。説得力がハンパない。もっとメディアにバンバンでて色んなこと語って欲しいw
蔦谷さんの言葉には「成功の裏の努力」のエッセンスが詰まりまくってます。しかも具体的に語っていただいてるのでわかりやすい。
もちろん全員が蔦谷さんのようにはいかないでしょう。音楽業界というレッドオーシャンで生き残っていくことは生半可ではないのです。
しかし、どの分野においても、蔦谷さんのお話を参考に、今の状態でも自分にできることはたくさんあるのではと考えさせられました。
そして、なにごとも自分で考えてやっていくしかないし、それが一番楽しいのです。
ではでは。
Beautifulの作曲は、蔦谷さんと志帆さんの共同。名曲ですね。