本日は「DTM」(パソコンによる音楽制作)をやっていない人向けのエントリーです。
身の回りに、コロナ以前からステイホームしていて、イマイチ何やってるかわからないので「家にひきこもって何やってるの?」と尋ねたら「DTM」という意味不明な単語を返された経験が一度でもあるというそこのアナタ、是非お読みください。
そして、DTMをやってる人で、彼女や友人、家族に理解してもらえていない方、この記事を是非読ませてあげてください。
DTMが全く分からないという方にも、なるべく「わかった気」になってもらうように書こうと思います。
DTMがさらなる市民権を得られることを願って。
※この記事は2017年2月1日に投稿されたものに、加筆修正をしたものです。
DTMとは
パソコンを使って音楽作ることをDTM(デスク・トップ・ミュージック)と言います。
読み方としては「ディーティーエム」です。
人によってはパソコンにデータを打ち込んでいく作業にも似ているため「打ち込み」と言う人もいるかもですが、基本的には同義。
くれぐれもスポーツ系のなにかではありませんので誤解の無いようにお願いします。
で、DTMをやっている人を、DTMer(ディーティーエマー)と言ったりします。
最近ではD.I.Yミュージックとも言われているようで、NHKでヒャダイン氏と岡崎体育氏が番組やってましたね。
二本とも見たけど、iPadガレバンのみで驚異的なスピードで制作する眉村さんの才能が凄すぎた>前山田×体育のワンルーム☆ミュージック – NHK 楽譜が読めない 楽器が演奏できない全く問題ありません今 音楽はワンルームから始まる https://t.co/ahVlrU26Yv
— ゆにばす(シンセサイザー/ゲーム音楽) (@universe_ex) September 11, 2019
世に出ている音楽はほとんどPCが使用されている
「パソコンで音楽作る?マニアックなんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、それは間違いです。
DTMは知らなくても「きゃりーぱみゅぱみゅ」は知っているという方は多いのではないでしょうか。
きゃりーの音楽は、全部パソコンで作られておりまして、極端に言えば
「きゃりーの声+パソコンから出る音」です。
ホンモノの楽器は一切使われてません。
きゃりーもそうですが、世界的に売れてるPerfumeもパソコンで作られた音楽です。
最近でこそテレビの露出が増えてすっかりメジャーですが、きゃりー、Perfumeの曲を作ったのは、中田ヤスタカ氏。
リオデジャネイロオリンピック閉会式の音楽も担当する、日本を代表する音楽クリエイターです⇒Wikipedia
彼のスタジオはこのような感じです。どうですか、あなたの身近な人と同じような感じでは?
新型Macbook Pro + Black Magic eGPU #Apple #MacBookPro2018 #BlackMagiceGPU #Studio #YasutakaNakata @Apple @Blackmagic_News pic.twitter.com/IAcHVnZ4xf
— 中田ヤスタカ (@YNOFFICIAL_) July 23, 2018
現在、耳にしている音楽のほとんどは、何らかの形でパソコンが使用されていると思ってください。
あの宇多田ヒカル氏も例外ではありません。
ざっくり言うと、楽器の演奏をしなくても(できなくても)、パソコンの中で本物のような楽器の音を鳴らし、録音することが出来るのがDTMなのです。
きゃりーのような電子音楽から、バンドなどの生演奏、アカペラ曲、オーケストラまで基本的に何だって可能(実力次第)であり、録音や編集はパソコンで行われていることがほとんどでしょう。
これで「パソコンの前に座って音楽やることはスタンダードである」ということがわかっていただけたと思います。
あと抑えておきたいポイントとして、よく誤解されるのが、もうひとつの「DTM」(ドイツツーリングカー選手権)は全くの無関係です。
めっちゃ時間かかります
少し興味が出てきたと思うので、やっている人の生態について少しだけ解説します。
音楽制作はたくさんやることがあるので、とにかく時間がかかります。
作詞・作曲・編曲・録音・処理・ミックス・マスタリングなどなど・・・。
アタマの中で考えたイメージをパソコンでカタチにしていくのですが、これが技術と手間を要するわけです。
先日話題になったポテトサラダだって結構時間かかるじゃないですか。それと同じなんです。
DTMをやっている人には「一生懸命自分の納得がいくものを作っているので時間はかかっても仕方ないよね」というスタンスで接して頂けると泣いて喜ぶ可能性大です。
その他のことも曲作りの一環である
DTM作業中は、着想を得るために音楽を聴いたり、Youtube見たりすることもあります。
息抜きでtwitterもクリエイティブの一部なんです。
「これは遊んでいるわけではなくて、曲作りの一環なんだ」と、音楽制作をやらない方からすると荒唐無稽な論理に聞こえるかもしれませんが、DTMerとしてはいたって真面目な理屈です。
偶然にもSNSを開いている場面を見かけた場合には「曲作りの一環だよね」という感じで接してあげると、尻尾振ってなつく可能性が極めて高いです。
さいごに
バンドでもなく、楽器も持ってないけど「引きこもって音楽やってる」って人がいたらDTMerかもしれません。
「俺はずっとステイホームだ」「ステイホームなんか余裕。むしろ好き」とドヤ顔している人は、ほぼ当確と見て良いでしょう。
真面目な話、DTMerはパソコンを使わないと何もできないので、部屋にこもる以外に方法がないんですよね。
画家や小説家、陶芸作家などと同じで、作っていることに幸せを感じているので「健康的じゃない」とか「暗い」とか言わずに暖かく見守ってあげてください。
ちなみに、作業中は音を出しながらやるので、スピーカーから鳴らすか、ヘッドフォンをしているので話しかけられても、返事もできないし電話にも出ないかもしれません。
社会から逸脱した”ひきこもり”と何が違うの?という話になってきそうですが「音楽を創造する」というクリエイトな作業をやっておりますので、何卒ご理解のほどを。
というわけで、パソコンばっかりやって!という辛辣なお言葉は差し控えて頂きますよう重ねてお願いいたします。
興味が湧いてもっと詳しく知りたくなった方は、こおろぎさんのブログも読んでみてください。
ではでは。