ニコニコ動画を作った川上量生さんの本「ルールを変える思考法」を読みました。
いくつか面白いポイントがあったのですが、中でも「ゲームがうまいヤツは頭が良いのか」というテーマがとても興味深かったので、取り上げたうえで考察していきたいと思います。
ぼく自身もゲームと共に育ち、人並み以上にゲームをやってきて「やり過ぎて怒られた、人間関係を壊した、人生が変わった」くらいの経験はありますので、とても気興味深く読ませて頂きました。
ってなわけで、ゲームが人生において、いかに必要かということを正当化していきたいと思います。
ゲーマーの方は是非ご一読を。
ゲーマーのほとんどが一般の人に劣る
川上:「ゲームがうまいヤツは頭がいいのか」というテーマに対してはどう思う?
佐野:うーん、正直なところ、ほとんどのゲーマーは、一般の人に劣ると思っています。なかには「こいつは!」っていう天才みたいな人も見かけますけど、そういう人はごく一部で……。
中野:当時(ネットゲーム黎明期)のゲームって、基本的には自分で調べて遊ぶしかなかったですから。手軽に何かを調べてどうこうできるっていう環境はまったくなかった。それに対していまは、「Wiki」を見て、ひとつのアイテムも逃さないようにコンプリートしていくこともできますが、そんな人たちがすごいゲーマーなのかといったら、やっぱり違うと思います。結局、問われてくるのは「自分で考えながらゲームをしているか」という部分じゃないですか。
「ゲームがうまい」人全員が頭良いわけではなく「天才はごく一部」であると。そして、そういう人たちは「自分で考えながらゲームをしている」という説。
天才については、極端な例えですがウメハラさんや、ときどさんなどのプロゲーマーを彷彿します。確かに、彼らの著書を読めばどれだけ「自分で考えているか」が分かります。
1日ひとつだけ、強くなる。 東大卒プロゲーマー 論理は結局、情熱にかなわない (PHP新書)プロでなくとも、一定以上の有名どころのゲーマーの方々は「自分で考えている」ことは間違いないでしょう。無思考で上達するほど甘くないのもゲームの世界です。
一方で気になるのが、ほとんどは「ゲームがうまいのに一般以下」であるという部分。安易に誰かが発見した攻略法に頼ったり、ひたすら時間を費やしてゲームに慣れまくってクリアしても、それは「頭が良いプレイ」とは言えない、これも確かに納得です。結果ではなく中身の問題ですね。
どうせなら頭を使った方がいい
ゲーム自体を上達したい人はもちろん、世の中の成長オタクたちはそうではないはずです。ゲームの中ですら自分の成長を見つけたい、そんな人種は漠然と息抜きでゲームをやってるヒマはないはず。
天才になるのは極端としても、向き合い方を変えるだけで、結果も出るし頭も良くなるはずなんですよね。
ってなわけで、ゲームで遊ぶことは、プロゲーマーにならずとも「やり方次第では」人生の役に立つということが言えます。同じゲームをやるなら遊びつつ頭を鍛えられたほうが絶対に良いですよね。
結局熱中するようなゲームであれば、勝ちたい、クリアしたいという願望から勝手に考え出すのだとも思います。情熱がそうさせる部分もあるかと。
何事にもハマれ!とあちらこちらで言われているのはそういうことだと思うのです。堀江さんも多動力の中で書いてます。
まずは、一つのことにサルのようにハマれ
「ハマる」ことも才能だ。僕のように何百ものことにハマるためには、まず一つのことに徹底的にハマってみよう。バランスなんて考えず、偏って、極端に。
頭を使うためには
「自分で考えながらゲームをする」ことが必要なのはわかりました。では、天才ゲーマーはどのような思考でゲームに取り組んでいるのでしょうか。
日本初のプロゲーマーウメハラさんは、本当に考える力が強いです。
ときどさんは東大出身ということもあり、もとから秀才なのですが、ウメハラさんは高学歴というわけではないものの、思考力においては、ときどさん以上ではないかと思います。
元々思考力が強かったこともあるかもしれませんが、誰よりも強くなりたいという思いから毎日ゲームのことを考えて考えて考え抜いて、それが結果に繋がっている部分もあり、更にはゲーマーの枠を超えてビジネスマンや、成長を模索する人々の指標になるまでに至っています。
ウメハラさんの思考力がよくわかる動画がこちら。キャラ負けしているリュウ(ウメハラ)でインフィル(ゴウキ)を倒すために考えた内容というのが秀逸過ぎるので必見です。
知識や記憶力も大切なのですが、自分自身で考えること、すなわち「思考力」が非常に重要ということです。動画の中でもウメハラさんが話していますが「何となくやるより、そういう考えを知ったほうが面白い」ということからもわかるように、考えることで1ランク上の「面白さ」にもつながっていくのです。
勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)思考停止になっていないか?
ぼくは反射神経を要するゲームが好きな気持ちはあるものの、上手ではありません。RPGやシミュレーションなどじっくり考えるゲームは得意というか好きです。なのでRPGを例に書いていきます。
自身でも経験があるんですが、RPGをプレイしていて、なかなか勝てないボスに出くわしたりします。そこでまず考えるのがレベル上げですよね。またはお金貯めて装備をより強くするなど。
とにかくレベルを上げればいつかは倒せます。ゲームですからそういう風に設計されているわけです。テクニックがなくとも、ほとんどのゲームはレベルさえ上げれば誰でもクリアできますよね。もしくは攻略本を読んでみる、ググってみると方法論はいくらでもみつかる。
でもこれって、ある種の思考停止なんじゃないかなと思うんです。
レベルを上げることなく作戦を変えることで、ギリギリ最低のレベルで撃破できる攻略法を考えるという方法だってあるわけです。レベル上げが面倒くさくて何とかしてやろうと試行錯誤することってあるじゃないですか。それがまさしく「自分で考える」だと思うんですよね。
ちまちましたレベル上げは最後の手段で良いのです。
DTMとて同じである
「えーと、コンプの使い方・・・と」すぐにググってませんか(俺だw
DTMにも同じことが言えます。
プラグインの使い方がわからない・・・例えばコンプとかってその代表ですね。マニュアルを読むのは必須ですが、安易にググったり、何も検証しないうちから「コンプ設定法」などの教則本に安易に頼るのは、一時的には役に立っても、結果的に身につかないことがほとんどです。
まずは、自分でじっくり使い倒して検証していくプロセスを通ることが重要。使ってみてはじめて気づくこともあるし、自分の意見を持てるようになります。それから他人の評価や教則本を読んだっていいのです。
ってか、悩んだあとの教則本の吸収率たるやハンパないので、まずは悩んだほうが良いんですよね。悩んでないうちは気持ちも入らないので、吸収しづらい。
個人的に、FG-Xの検証が印象深いです。本当にジックリ検証したので色々学びがありました。
⇒SlateDigital FG-Xの使い方を間違っていたので検証してみた
曲作りにおいても、音作りをこだわったり、ミックスやマスタリングを試行錯誤したものは、結果的にデキが良いと思えることが多いです。 ってか、これがオリジナリティの一部ではないでしょうか。
⇒【DTM考察】蔦谷好位置氏「自分で考えることが何よりも大事」
さいごに
いかがでしたでしょうか。
ざっくりまとめますと、なにごともすぐにググる、攻略本を読む、既存の攻略法になどの安易な手法に頼る前に、一度自分のアタマで考えることが重要です。
そうすれば、同じゲームを同じ時間やっても「考えていない人」と比べて結果が変わってくるでしょうし、なにより自身の成長で現実世界の結果も変わってくるはずです。
「ゲームなんかしたって役に立たない」のは頭を使っていないからであって、決してゲームのせいではないということ。向き合う自分自身の問題なのです。
ってなわけで、今日を境に、家人・友人に対して胸を張ってゲームやってることを正当化していきましょう。
「オレァ頭使ってゲームやってんだょ!!」って言ってやりましょう(一切責任は負いません
ではでは。