パイプオルガン音源、これ1本でおk。
FREDONIA GRAND ORGANは、シネマティックサウンドに似合いそうな壮大なスケールのものから、教会などで使われる柔らかで温かみのあるものまで、”如何にも”なパイプオルガンサウンドを実現可能です。
重厚で有機的なサウンドでありながら、音作りの幅はかなり広く、これさえあればパイプオルガンが必要なシチュエーションは、ほぼほぼ大丈夫ではないかと思える守備範囲の広い音源です。
まずはサウンドを聴いてみて下さい。
FREDONIA GRAND ORGAN
FREDONIA GRAND ORGANは、KONTAKT上で動作するオルガン音源で、ニューヨーク州立フレドニア校(SUNY)にある、シュリッカー社製パイプオルガンをサンプリングしたものです。
特徴は次のとおり。
- 多彩なパイプオルガンの音作りが可能
- 汎用性が高く、中でも重厚なサウンドは更に良い
- クリエイティブな音色のエディットも他のエフェクト不要で実現可能
- 容量は大きめだが、読み込みが早く、負荷が軽い
2,469本のパイプを搭載しているホール用パイプオルガンで、そのサウンドはパイプオルガンの中でも、パワフルで重厚なタイプ。
4つのマイクポジションと4種類の音域により、超リアルなサウンドかつ、非常に汎用性の高い音源に仕上がっています。
ストップ(音色スイッチ)は39種類。幅広く、かつ迫力のある表現が可能。
30種類のプリセット
ストップの組み合わせや操作など、慣れないうちはプリセットを試すのが吉。
30種類の音色が用意されており、柔らかなオルガン、ブラスを再現したもの、FXカテゴリにはクリエイティブなものや、ロータリーエフェクトをかけたものなどバリエーション豊かで、FREDONIA GRAND ORGANの可能性を知ることができます。
30種類はあくまでプリセットであり、上限ではないんですよね。
慣れれば慣れるほど応えてくれる、音作りの懐の深さはかなりのものがあると感じました。
音について
サウンドは流石のIMPACT SOUNDWORKSといったところで、かなり上質な仕上がりです。
サンプリングの質感はもちろん、搭載されているリバーブとの馴染みも良く、ずっと弾いていたくなるほど音楽的で心地良い。
上から下まで原音の旨みをしっかりサンプリングしており、特に低域の迫力が素晴らしいです。
様々な音色が搭載されており、幅広い表現の可能性を感じる音源ではありますが、重厚パイプオルガンが最も得意とするところであり、FREDONIA GRAND ORGANの個性が活かせるのかなと。
理想は88鍵あるとリアルタイムコントロールしやすい
各種ストップの切り替えなどは、キースイッチに割り当てられているため、必ずしもマウスやトラックボールが必要という分けではありません。
ただ、49鍵盤くらいだと音階は弾けるが、キースイッチ分が全く足りない感じ。
普通に打ち込みで使用する分にはそれほど気にしなくと良いのかなと思いますが、リアルタイムに全ての操作行う場合は、マウスやトラックボールで行うのは不可能なので、88鍵盤のMIDIキーボードが良いでしょうね。
CPU負荷と容量
負荷は軽いですね。
容量は13GBちょっと(Windows)と、大きめではありますが、読み込み速度は速いので立ち上がりは気になりません。
最新版のKONTAKT 6、またはKONTAKT 6.5 Playerが必要です。
計測環境は以下のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 11
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
※CPU負荷は、音色や設定によって変化するため、あくまで参考程度にとどめてください。
さいごに
その他にも、充実したエフェクターやコンソールFXラック、ミキサーなども搭載しているため、他のプラグインを使用せずとも音作りは完結できます。
いくら質感が良くても重くて使い物にならないのでは出番も減ってしまうので、ある程度の環境であればCPU負荷を気にすることなく使用できるのは嬉しいところ。
音色や機能は、オルガン音源にそこまで必要か?と思えるほどの充実ぶり。
重厚なパイプオルガンを探している方は是非。
“パイプオルガン風”ではない、本物のサウンドです。
ではでは。