見た目に惚れて買っても後悔しないサウンド。
モニタースピーカーメーカーとしてプロからも定評のある、ADAM Audioの小型かつ安価なスピーカー、D3Vのレビューです。
見た目も最高だったので、悩んだのは「買う、買わない」ではなく「黒か白か」でしたw
まだ悩んでいる方も多いと思いますが、しばらく使ってみてある程度D3Vのキャラクターが分かってきたので、よろしければご参考に。
D3V
25年の歳月をかけて開発されたD-ARTツイーター、左右に搭載された2つのパッシブラジエーターがD3Vサウンドのキモです。
高域は耳にやさしくも高品位に、低域は小型からは想像できない鳴りを目指した、ADAM肝入りの小型スピーカー。
パッシブラジエーター強い#D3V #ADAM pic.twitter.com/SdVw5f8Oid
— ゆにばす(Computer Music Japan/DTM・音楽機材・新製品・セール) (@universe_ex) October 31, 2024
サウンド面以外の部分も非常に考えられており、電源ボタン兼ボリュームツマミ、ヘッドホンジャックが前面にあるのはめちゃくちゃ良きです。
TRSバランス入力に加えて、UCB-C入力も搭載しているので、PCからの直挿しもOK。
音の傾向
あくまで、この価格帯、このサイズ感ということも考慮した上での評価です。
★5つが最高点として評価してみました。※☆は0.5
- 高域音質・・・・★★★
- 中域音質・・・・★★★★
- 低域音質・・・・★★★★
- 解像度・・・・・★★★☆
- 音の艶・・・・・★★★
- 音の奥行き・・・★★★☆
- 本体の高級感・・★★★★
- コスパ・・・・・★★★★★
※音の評価は主観・環境が大きく左右するので、絶対的な評価ではありません。あくまで筆者の所持しているスピーカーと、今まで使用した製品との相対的な評価です。今後使用していく過程で変化する可能性もありますので参考程度にとどめてください。
一聴した感想は「ちょっとおとなしい」と感じました。高域がキラキラしているわけでもなく、低域もズンズン来るかというとそうでもない。
これは一体どういう狙いがあるスピーカーなんだろう?と考えつつ、ボリュームを上げたところ、一気に印象が変わりました。
パッシブラジエーター効果による、豊かで締まりのある低域が広がりつつも、高域が刺さるわけでもなく、中域のウルサイ感じもない。
小型スピーカーにありがちな、頑張って鳴らしてる感が全くありません。
あくまで当方の環境での話ですが、D3Vはある程度音量を上げて鳴らしきることによって本来の実力を発揮できるスピーカーだと感じました。
目安としては、低域が鳴った際にパッシブラジエーターが揺れるくらいにすると良い感じになることが多かったです。
iLoud Micro Monitor、GENELEC 8010Aとの比較
手元にある同程度のサイズのスピーカー、IK Multimedia iLoud Micro Monitor、GENELEC 8010Aと比較してみました。
3者三様、全くキャラクターが異なってて面白いです。
比較することにより、単体で聴いていると分からなかったそれぞれの個性が見えてきます。
D3V
- 長所・・・バランスが良く、低域が豊かでありつつ締まっている。聴き疲れしにくい。
- 短所・・・少しおとなしく感じる。ある程度ボリュームを上げないと控えめなサウンド。
iLoud Micro Monitor
- 長所・・・元気なサウンドで何を聴いても良い感じに聴こえる。
- 短所・・・艶、奥行きが感じづらく、空間や楽器のスケールが分かりづらい。
8010A
- 長所・・・音の派手さ、艶はピカイチ。解像度も高い。
- 短所・・・ドンシャリ気味。低域が少し緩くブーミー。
どれも一長一短あります。どれが良いかは好みかなぁ。
あえて区分けをするなら、作編曲にはiLoud Micro Monitor、ミックス・マスタリングにはD3Vが向いているかなと。
8010Aは他の2機種と比較しても価格が高いこともあって、音の傾向の違いはあるもののワンランク上に感じましたね。スタンドのせいもあるかも…。
さいごに
個人的には、ある程度ボリュームを上げて作業できる方にオススメ。
このサイズ感で、このバランスの良い鳴り、豊かな低域は他のスピーカーでは得られない世界観だと思います。
コストパフォーマンスの面も含めて、これからスピーカーを導入する方、サブモニターを検討の方は要チェックですね。
ではでは。