DTMは孤独との戦い・・・全ての楽器を独りで打ち込まなければなりません。
そして打ち込むだけではダメ。完成度の高い作品を作っていくためには、しっかり音を作り込んでそれぞれ楽器の特性や奏法も学ぶ必要があるんですよね。
もちろん、それがDTMの醍醐味でもあるのですが、時間と手間がかかってしまうのも現実。
イメージを素早く形にしたい!ベースの打ち込みが捗らない、またはじっくり時間をかけられない・・・そんな場面の大きな助けになってくれるであろう音源、それが「VIRTUAL BASSIST」です。
とても便利で音が良い音源です。じっくりご紹介します。
VIRTUAL BASSIST ROYALとは
UJAMはギターやドラムなど、即戦力として使用できる品質の音源に自動演奏機能を搭載したプラグインをリリースするデベロッパーです。そして今回リリースされたのがそのベース版です。
VIRTUAL BASSISTは今回紹介するエレキベースの「ROYAL」、ピック弾きエレキベースの「ROWDY」、アップライトベースの「MELLOW」があります。
VIRTUAL BASSISTという名前のとおり、ベーシストを雇うかの如く、本格的なフレーズを自動演奏し即座に形にできる部分が、他のベース音源にはない大きなアドバンテージ。
もちろん自動演奏を使用せず、普通の音源としても使用可能です。音質も上々で、完成された音に仕上がっているため、調整なしで鳴らすだけでOK。
他のパートとの馴染みも自然です。音作りの手間、演奏の手間を省いてくれる時短音源としての活躍が期待できます。
素早くスケッチが出来るPlayerモード
VIRTUAL BASSISTには様々なスタイルで自動演奏してくれる「Player」モードと、通常の音源として使用する「Instrument」モードがあります。
「Player」モードは、41種類のスタイルで収録された合計450種類のフレーズをキースイッチで演奏可能。注目すべきはこちらのモードですよね。
Playerモード
- speed・・・スピード3段階切替 1/2、×1、×2
- feel・・・pushは前のめり、pullは少しタメる
- swing・・・スウィングの度合い。強めるとよりハネる
- timing・・・発音タイミングの精度調整
で、便利なのが左上にある「Latch」スイッチ。ONにして鍵盤をポンと押すとフレーズを弾きっぱなしになります。鍵盤を離しても音は鳴りっぱなしなので、奏法を選択したり、音作りに集中できるんですよね。
右上にある「Melodic」スイッチをONにするとワンオクターブ上や5度などを混ぜてフレーズをメロディアスにしてくれます。OFFだとシンプルにルートでリズムを刻みます。
この様に、スタイルを選択して用意されたフレーズを直感的に、スピーディーに調整していくことが可能です。
Instrumentモード
Instrumentモードでは通常のベース音源と同様に打ち込みます。スライドなどのキースイッチが用意されているのも良いですね。
どうしてもPlayerモードが目立ち気味ですが、Instrumentモードで普通に打ち込んでも良い音でなってくれますので満足度は非常に高いです。
音について
上にも書いた様に、音はかなり作りこまれているので、鳴らすだけでも即戦力です。Playerモードとドラムを打ち込めばすぐにそれっぽくなります。
音作りも多用で直感的です。マニュアルがなくとも聴感上で捉えて音作りできます。
- PICKUP・・・Neckは明るいキャラクターで、Bridgeはマイルド。
- CHAEACTER・・・ローエンド、ミッドエンド、ハイエンドをコントロールするためのさまざまなオーディオプロセッサを搭載したベースチャンネルで音作りされたプリセットのようなものですね。
- AMP・・・アンプ、キャビネット、マイクを使用したサウンドをジャンル別に選択。それぞれDRIVEで効果を強めることも可能です。外部のアンプシミュレーターなどを使用する場合はDirectに合わせましょう。
その他にもDropDチューニングスイッチとエフェクトも搭載。
- Compressor・・・音量をわずかに上げて音を平準化します。ダイナミクスが欲しい場合はほどほどに。
- Equalizer・・・4バンドパラメトリックEQです。ツマミひとつでどの設定にしても最適化されるように設計してあるのが特徴。LOWはビンテージ ~で、HIGHにするほどモダンなキャラクターになります。
- October・・・オクターブ切り替えを行います。
さいごに
手っ取り早く、良い音でベースを入れたいという方にオススメです。
様々な奏法を提案してくれるので、素早く形にするだけでなく、他パートの作曲インスピレーションにも役立つのではないでしょうか。リズムとベースが決まるとメロが湧いたりすることってありますよね。
できれば49鍵盤くらいあったほうが、オクターブ切り替えをしなくて良い分、奏法の切り替えなどが便利かなと感じました。ただ、ポインタでGUIを直接クリックしても切り替えは可能なので困るほどではありません。
音はさすがの専用音源クオリティ。負荷も軽いので環境を選ばず使用可能です。ベースパートを素早くスケッチして楽曲をカタチにしたい作曲家向けのベース音源ですね。
ではでは。
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