「アナログの質感」と一口に言ってもデベロッパーごとに味付けや方向性は異なります。
好みの問題もあるので一概には言えませんが、ただ太くなればよい、温かみがあれば良いというわけではないですよね。
心地よさだったり、それっぽい音、商業音楽のような質感が出せるかどうかが重要なのではないかと思うわけです。
Kush Audioの製品はいずれも、手軽にアウトボードの質感が得られるとプロの間でも評価が高いプラグイン。
アウトボードは高くて買えない、またはITBで完結したい、そんな方に激しくオススメです。
※この記事は、2018年3月15日の投稿されたものに、加筆修正したものです。
「OMEGA Transformer Model 458A」とは
Altec社のプリアンプ、458Aをモデリングしたもの。
Kush Audio「OMEGAシリーズ」の第三弾としてリリースされたものになります。
※他にAPIのモデリング「OMEGA A」、NEVEのモデリング「OMEGA N」、Kush AudioのハードウェアコンプTweakerのオペアンプをモデリングした「OMEGA TWK」がラインナップ。
458Aの実機はこちら。
どうやって使うのコレ・・・w
目的としては、アウトボードの質感を加える、色付けに使用するといった感じですかね。
操作はいたってシンプル
- INTENSITY・・・オーバードライブの量を調整
- PHASE・・・位相を反転させる
- -20dB・・・入力ゲインを下げる
他にはINPUT、OUTPUTの量、オーバーサンプリングのON/OFFがあります。
基本的にワンノブタイプのプラグインなのが◎。
音について
ドラムトラックに使ってみたので、変化を比較してみてください。
[INTENSITY]を回すとサチュレーションが強くなっていきます。
やり過ぎると歪みますのでソースにもよりますが、概ね10時の方向(デフォは12時の方向)くらいが程よいかなと感じました。
前半はDRY、後半が458Aを通した音です。
抜けが良くなりつつも、暖かみが出ますね。
手持ちのプラグインで同じ音になるかどうか実験しましたが、少なくとも手持ちのプラグインでは同じ音になりませんでした…w
デジタルのサチュレーターって、抜けが良くなって細くなったり、わざとらしい低音が負荷されたりするのですが、458Aはいたって自然。
ってか、458Aの音を聴いてしまうと、他のプラグインの音がわざとらしく、デジタルな音に感じるようになってしまうので不思議です。
抜けの良さと、暖かみってトレードオフなイメージありますが、双方を実現するプラグインは珍しいのではないでしょうか。
アコースティック系には文句なしに合いますが、汎用性が高い質感なので、ちょっと曇ったかんじのシンセも艶が出て抜けが良くなります。
アウトボードと同じかどうかはわかりませんが、一度外に出したようなサウンドに変化します。
うっすらかければマスターにもバッチリでしょう。
Pro-Q2で見てみるとこんな感じ。500Hzの最も大きい波形がサイン波の原音です。
80Hz以下がこんもりとカーブを描いてます。これがミソなのかなぁ。
負荷について
負荷は軽いです。Studio Oneのパフォーマンスモニターで計測したところ、CPU使用率2~4%でした。
オーバーサンプリングをOFFにすると0~1%です。
トラックに挿しまくっても大丈夫でしょう。起動も早いし、安定感も問題ありません。
当方環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Cubase 9.5
- Audio I/O・・・RME UCX
さいごに
アナログアウトボード使ってみたいなーって方は、とりあえずOMEGAシリーズ試してみてはいかがでしょうか。
4種類あり、それぞれ個性があるので好みのものを選べます。
良い音、カンタン、低価格、3拍子揃ってる買いのプラグインです。
ではでは。