「Signal」「Exhale」などの高品位音源を多数リリースするOutputから、ブラス・ウインド音源「Analog Brass & Winds」が登場です。
NAMM2018で発表されたばかりの、Output最新のインストゥルメントになります。
今回は全体的な使用感と音について、あとは気になる負荷についても検証してみたいなと。購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
Analog Brass & Wingsとは
ブラス・ウインド音源に特化した、シネマティックトラック向けライブラリ。高音質オーケストラ音源とシンセ音源を組み合わせた、ありそうでなかった音源です。
くれぐれも普通のオーケストラブラス・ウインド音源ではありませんwそういうのをお求めの方は他のものを買いましょう。
なんてったってプリセットの数が凄い、500種類です。あとは、Kontakt Player(無料)でも動作するのが親切ですね。
GUI
インターフェイスは洗練されていて使いやすく、直感でいけます。チョイチョイと触ったら効果がわかるので、ちょっと慣れた人であればマニュアルは要らないはずです。
音色は2つのサンプルで構成されています。下段の部分に波形が出てますね。
真ん中の部分にある「Attack」や「Filter」は、文字のところをドラッグして左右に動かせるんですよ。プリセットによって「Pitch」や「Rythm」、「Tone」など、それぞれの音色に最適なパラメーターに変更されます。
プリセットブラウザです。500音色ありますが、カテゴリ分けされているので探しやすいです。
下段にあるA/Bは、オシレーターです。波形の名前をクリックすると波形カテゴリパネルが表示されます。「Orchestral」「Synths」「Creative」3種類のカテゴリから選択可能です。
■Orchestral
ハンガリーの首都ブダペストのBMCホールにて、リアルな生楽器をサンプリング。めっちゃリアルなブラス音源です。迫力もすごい。
■Synths
伝説かつ現代的なシンセサイザーを使用した音色。
■Creative
エフェクターやテープマシンなどを使用して制作された音色です。
更に上部にある「one shot」「pad」「tape」の3つカテゴリを切り替えると、音色も変わります。
エンベロープなどをコントロール。グラフィカルなのも良いですね。
ちなみに鍵盤の色が違う部分は、キースイッチではなくAだけが鳴ったり、又はAB両方が鳴ったりします。
各種エフェクター、フィルターの調整を行います。「layer FX」で単一のオシレーターにエフェクト、「global FX」でA/B両方にエフェクターをかけられます。
リズムセクションでは、ステップシーケンサーなど音に動きを付けていきます。
フィルターやカットオフなど、適当に触っても面白い動きがつくので面白いです。アイデア湧きそうw
音色ごとにある程度設定されているので、ONにするだけで使えそうなものもあります。
2つの波形に独立して使用可能なので、複雑なパターンもサクッと作れるのが良い。
これらを組み合わせて、音色や効果を演出します。
高品位な音色群
肝心の音ですが、プリセットのデキがすさまじい。一発鳴らしただけで曲になりそうな音色がワンサカ入ってます。もうとにかく良い音。
ブラスが目立ってますが、ウインド系ももちろん入ってます。でもやっぱりブラスが主役かなと。
オーケストラ音色は艶があってリアルです。わりとドライな音なので、様々なジャンルで使いやすいと思います。
シンセ音色はローが凄い出てます。ハードシンセっぽさがあるw
オーケストラサンプルが中高域の艶を出しつつ、低域・超低域をシンセ音色で迫力を増すという組み合わせが多くみられました。リアル系もシンセ系もお互いが補完しあうような音源。
独特のリアルさ、方向性が良い風に作用して混ざりやすいサンプルに仕上がってます。
音色が完成されているので、少しエディットするだけで曲作りが捗るんですよね。
全体的にエフェクトのノリも良いですし、劇伴やトレイラーはもちろん、EDMでも活躍しそう。
ロードは遅いが、読み込んだ後はサクサク
HDD(7200rpm)に入れてるんですが、ロードに4分半かかりましたwとにかく遅いw
SSDだともう少し早いかもしれませんね。
非圧縮28GB(Kontakt用として圧縮されて14GB)なので仕方ありません。
但し、読み込んでからの音色切り替えはとても速いです。カテゴリ分けも非常にわかりやすい。
さいごに
いかがでしょうか。
音の良い個性的なブラス音源が欲しい!って方におすすめ。気持ち良くてずっと鳴らしたくなるくらい音が良いです。
オーケストラとシンセのハイブリッドに、ステップシーケンサー、アルペジエーターを組み合わせた新しい表現ができるシンセサイザーと言えます。
価格は$199とちょっと高めですが、音作りでどうにかなる音じゃない音が出るので、ハマる人には嬉しい音源だと思います。
ではでは。