JUNO-6でもなく、JUNO-60でもなく、JUNO-106が好き…って人多そう!
Rolandの名機、JUNO-106をエミュレートしたDCO-106をレビューします。
スタンダードな出音が魅力な106。本家との比較も交えて書いていくので、気になっている方はチェックを。
DCO-106
JUNO-106を細部に至るまで正確にモデリングしているとのこと。
往年の名機らしく、スタンダードなサウンド、シンプルなインターフェイスはしっかり再現されています。
追加機能として、空間系エフェクター(DERAY、REVERB)が搭載。
JUNO-106に搭載されているパッチを再現したものを含む、330種類のプリセットは即戦力となるでしょう。
音について
手元に実機がないので比較ができないのですが、パッと聴いた感じJUNO-106の雰囲気は出ており、少々軽めのさわやかな質感で楽曲への馴染みが良さげです。
実機に比べて少々低域と高域に差があり、特に低域が控えめな印象を受けました。
ビンテージ機を再現しているということもあり、モデルにした実機の状態がそのような感じだった可能性もあるので、これだけで似てる似ていないの判断は難しいところです。
Roland本家と比較してみたところ、DCOの方がマイルドでした。本家は新しいJUNOをモデリングしたのかな?というような元気さがあります。
フィルターの効きは本家に軍配で圧倒的でした。
DCO-106は、圧倒的なJUNO-106感!というよりも、耳慣れた使いやすいサウンドのシンセサイザーサウンドといった印象。
わざとらしい味付けがないので、自然な鳴り方が特徴なのかなと。実機と比べてみたい…。
シンプルなインターフェイスや、汎用性の高い出音、誰でもすぐに使いこなせるであろう操作性は好感度高いです。
JUNO-106 Chorusの再現度
JUNO-106と言えばコーラスという人もいるのではないでしょうか。
実機と同じようにⅠ・Ⅱスイッチが搭載。加えて、実機にはない[STEREO WIDTH]ツマミが追加されているので、ステレオ幅を調整できるようになっています。
このあたりの改良は現代的で好感が持てますよね。
雰囲気は出ていますが、これまた本家プラグインとは異なる仕上がりで、やはりおとなしい傾向です。
CPU負荷
音色によりかなり差がありますが、平均でこれくらいです。
めちゃくちゃ軽いというわけではないですが、許容範囲でしょう。
CPU消費が多いもので、1/4くらい消費するので非力な環境では注意が必要です。
計測環境は次のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
欲を言えば、もう少し改良すると更に良くなるかな?という印象なので、今後のアップデートに期待します。
ただ、Roland本家プラグインとはキャラが違うので、本家に「しっくりこない」と感じる方にはDCO-106の方がハマる可能性はあるのかなと。
伝統のシンプルなインターフェイスは使いやすく理解しやすいので、音作りにチャレンジしたいという方にはオススメ。
サウンドや操作性がmoogでハマらなかった!という人に使ってみて欲しいですね。
あともう一点、圧倒的安価でJUNO-106のエミュレートをリリースしたことは大いに評価したいと思います。
ではでは。