DS Audioの「Thorn」についてレビューします。
シンセサイザーは数あれど、質感、粒立ち、個性の部分では最高のシンセサイザーのひとつはないかと個人的には考えるくらいには好き。
シンセはハードウェアでないと納得できない、という人にもオススメしたい。
ってなわけで、どうしても良い音してるということを伝えたいので書いていきます。
※この記事は2018年8月6日に投稿されたものに、加筆修正したものです。
DS Audio Thorn
Thornは、3オシレーター構造のスペクトル合成シンセサイザーです。
アナログモデルのフィルター16種類、エフェクター9種類、自由度の高いエンベロープやLFOも搭載。
FM、RM、ハードシンクなども搭載しており、簡単にエッジの効いた金属系の音が出せます。
アルペジエーター関係は、グリッチシーケンサーを搭載。
ギンギンのクールなグリッチサウンドは得意とするところで、Thornと言えば!という感じ。
音について
デモを聴いてもらえればわかるのですが、とにかく音が良く、現代的でソリッドな質感で、品があります。
粒立ちが良く、音が立体的で尖っているのですが、毛先が球的な感じで耳に痛くないんですよね。
そのキャラクターのせいか、ノイジーなサウンドすら美しく、心地よい。
どの帯域を鳴らしてもバランス良く、ダイナミクスを感じさせつつ、しっかり鳴らし切る音圧感があるのも大きなポイント。
低域の質感を損なわず、高域も痩せることなく、そして刺さらない音で聴かせる存在感が本当にすごい。
質感はソリッドですが、デジデジもしていないという。
高品質なシンセ、特にウェーブテーブルなどは”ヒンヤリ”する音質になるものもあります。
https://synthsonic.net/archives/%e3%81%b2%e3%82%93%e3%82%84%e3%82%8a%e5%86%b7%e3%81%9f%e3%81%84%e3%82%bd%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%89%e3%81%aa%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%82%bb3%e9%81%b8.html
OmnisphereやSerumが良い例ですが、Thornは品質を保ちつつもヒンヤリせず、かといってReproやThe Legendの様に濃厚なアナログでもないんです。
Diversionもそうですが、DS Audioのシンセはハードシンセの様な質感を出すのが上手いですね。
音作りはかなり柔軟で直感的
操作はシンプルかつ簡単に、高度な音作りが出来るというのがThornのコンセプト。
あまり考えずに触っていても、ある程度それらしい音、Thornらしい音になってくれます。
アナログフィルターはキレッキレで滑らかです。
ハードシンクの質感も素晴らしく、音痩せせずノイジーにならず、絶妙な質感。
面白いのがグリッチシーケンサーで。音を鳴らしながらフィルターやビットクラッシャーなどを調整していくと、ゴキゲンなサウンドが生成されます(氏家さん風)。
CPU負荷
負荷は高めです。
音色によってもバラつきありますが、10%~35%ほどなので、非力な環境だと少々きついかもしれません。
計測環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Studio One 3
- Audio I/O・・・Solid State Logic SSL 2
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
ハードウェアのような質感でしっかり個性もあります。
優等生な音も出せるし、Thornにしか出せない音もあるのでは。
万能なシンセとは言いませんが、個人的に現状最高のシンセのひとつ。
価格もそれほど高くないのが良いですね。
Diversionもそうですが、唯一弱点があるとしたら負荷が高いという部分くらいではないでしょうか。
ではでは。
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