さて、前回の続きです。成長の3段階理論について考察します。
「勝つのが嬉しい」「上手くなるのが嬉しい」「褒められるのが嬉しい」は微妙に違う。非常に多くの人が「褒められるのが嬉しい」んじゃなかろうか。もしくは「凡人は」と言い換えてもいいけれど。なぜなら凡人は、そんなに簡単に上手くもなれないし、ましてや勝てたりはしないから。
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) 2015, 6月 11
クリエイターの成長には法則があって、3つの段階を経て成長していくという内容で、音楽制作をして、動画サイトや音楽SNS等に投稿している人にも当てはまるんじゃないか?と感じたので、私の経験を基に考察してみたいと思います。今回は「勝つのが嬉しい」について。
前回記事:【DTM考察】褒められるのが嬉しいから音楽がうまくなる
第2段階:勝つのが嬉しい
褒められることによって「成長」が芽吹くと、次は競争することが楽しくなります。
勝つことが楽しいのはもちろん、負けることも、ときには楽しくなります。競争に参加することによって世界は開け、自分の可能性に対して、新たな光をあてることができるようになります。
褒められるようになったら次は勝ちたくなるもの。他者との比較です。コメントつくだけでは満足できなくなり、数字が気になりだします。自信がついて周りが見えるようになってくると欲が出るんです。人間は欲深いですのぉ(俺www
「俺より強い奴に会いに行く」というリュウ、又は「オメェ強ぇなぁ、オラわくわくしてきたぞ」という孫悟空の境地。
音楽は好みもあるし流行もありますから、上手い人が確実に勝つとは限りませんので、単純に比較は難しいですが、ジャンル別(ゲーム音楽やアニメ音楽、ボカロP等)で分けて、自分(作品)がどのあたりのポジションに居るのかはわかります。
企画や仕掛けも実力のうちですから、ここでは結果数字が大きい方が「勝ち」の目安となります。
単純に数で勝負ですから、再生数・コメント数・マイリストの数で他の投稿者よりも数が多いと勝ちです。例えば、耳コピ作品であれば同じ曲の作品の中で一番再生されたりとか。もちろんコメント内容は良いコメントがつくことが条件です。荒れまくってても嬉しくないですよね。
ニコニコ動画では作品を投稿することを続けて、結果的にお気に入りに登録の数が人気の証ですよね。
ライバルを見つけ全力で勝つ
当たり前ですが、投稿している人全てに勝つのは無理です。例えばヒャダインさんに勝つとか無理でしょう?なので、頑張れば勝てそうな人を自分で見つけて、倒す為に修行するんです。
この人の曲、すごいな。と思ったら、そいつはお前にとって雲の上の存在だ。
私と同じぐらいだ。と思ったらそいつのが少し上だ。
完全に下だと思ったら何故下だと思ったか考えろ。
悲観的になるな、謙虚にいけ。
— 作曲について語るマモルさん (@eminem_san) 2015, 7月 20
自分と同じくらいの実力の人を見つけて、その人に勝てるように努力すると良いと思います。
勝ちたいという想いで勝手に努力するようになるもんですw
自分よりはるかにレベルの高い人たちと自分を比べると、挫折感を味わうと共にモチベーションも下がってしまうかもしれません。逆に自分より劣っている人たちと自分を比べて優越感に浸るのも時には良いでしょうが、いつもこれでは一向に成長しません。自分を奮い立たせ成長していくためには、自分と同じ程度か、少し上のレベルの相手と自分を比べるのが効果的です。
しかし、同じくらい、もしくは少し上のレベルの人に勝つには、「全力を尽くさないと勝てない」と思います。仮にあっさり勝った場合はライバル選定が甘いということでしょう。間違っても雲の上の人に最初から勝負を挑まないことwヘコむだけです。
かくいう私も、心の中で「勝手に」ライバルと思っている方が何人かいます。恥ずかしいのと、失礼に当たるので心にしまっておきますがwってか、人に言う必要もないのかなって思います。勝手に心の中でヨッシャとかクソーとか思っておけば良いのかなと。
ただ、今のところ一向に勝てる様子も無いのでまだまだ勉強が必要だと感じています。
さいごに
勝負を楽しむことが一番ですよね。勝った負けたという結果は大したことではありません。要は自分が成長出来るか否か、プロセスが大事です。プロセスも結果も楽しまなければ、ツライだけになりますから。
ライバルと戦う上で、そのカテゴリの中のどのあたりで勝負しているのかも意識すると良いでしょう。ランキング上位で世間の注目を集めつつのハイレベル勝負なのか、ニッチなカテゴリでの勝負なのか。再生数の規模が違ってきます。
何故再生されたのか?分析も必要です。偶然なのか、実力なのか。運も実力のうちですから、結果数字が大きければ勝ちとなりますが、それだけでは測れない部分もあります。矛盾しているようですが、「試合に勝って勝負に負けた」という内容ではダメです。
「運」や少なからず「人気(権威)」も関わってくるので、冷静に分析が必要でしょう。ってか「権威」ある人には関係のない話かもしれませんが・・・。勘違いして方向を間違うと正しい成長は望めない気がします。手応えのあるバッティングの後に何も考えず強振してしまうスラッガーではダメです。
「作品のクオリティは低くても運良く再生されることがある」と思うんですけど、「クオリティが高く運悪く再生されない」ことはほとんどありません。ほとんどの場合才能は勝手に発見され、評価されます。冷静に、客観的に分析しましょう。
ライバルが堕ちても自分は上がらない
余談ですが、タイガーウッズが対戦相手のパットを「入れ!」と願うのは有名な話です。常に最高の自分をイメージしているウッズは自分のライバルは決めて当たり前という究極思考常態にあります。ですので、ライバルの投稿作品には「伸びろ!」と願うのが成功哲学なのかもしれません。そんな人なかなかいないと思うけどw
まぁ、ウッズ程達観するのは難しいですが、間違っても「伸びるな!」「変なコメントついて荒れろ!」なんて考えないようにしましょう。相手が堕ちても自分が上がることはありません。精神衛生上も良くない。そんな暇あったら努力しましょう。
次回は最終章、第3段階についてです。
ではでは。