音源

これが本家のFM音源!Steinberg FM Labレビュー

スポンサーリンク
   

※本サイトでは、アフィリエイト広告を利用、またはプロモーション記事が含まれている場合があります。

本家のFM音源。ありがとう。痺れるほどに魅力的でした…。

1980年代、世界中の音楽シーンを席巻したFM音源。

その象徴的なサウンドは、シティポップからゲーム音楽、ダンスミュージックに至るまで幅広く使われ、今もなお音楽シーンで存在感を放っています。

煌びやかなエレピ、透明感のあるベル、ゴリッとしたベース、どのサウンドも一度は耳にしたことがあるはず。

そんな唯一無二のサウンド「FM音源」の魅力を受け継ぎ、現代に蘇らせ、さらに進化させたのが今回紹介するSteinberg FM Lab。

単なる懐古ではなく、「あのサウンド」を現代的な制作環境に組み込めるのはもちろん、新しい表現の可能性を広げてくれる存在です。

FM Lab

これまでSteinbergの各種音源単体は、Steinberg公式サイトのみ購入可能でしたが、このたび国内販売店にて単品購入可能となりました。

ちなみに、FM Lab以外にも下記の製品が単品購入できるようになっています。

  • Backbone
  • Retrologue 2
  • Padshop 2
  • The Grand 3
  • Tales
  • Iconica Sketch
  • Iconica Ensembles
  • Iconica Sections & Players
  • Iconica Opus
  • FM Lab
  • Electric Bass
  • Amped Elektra
  • Verve
  • Etude

これにより、欲しいものだけを選ぶことがグッと身近になりましたね。

また、FM LabはHALionエンジンで動作するため、HALion 7もしくは、HALion Sonic 7(無料)が必要です。

そもそもFMとは?

YAMAHA DX7の実機。中古で手に入れたモノですが、今でも元気です。

ここでシンセサイザーマニア以外を置いてきぼりにしないために、FM音源のサウンドについて少し説明させてください。

FM音源は、1980年代に大ヒットしたシンセサイザーYAMAHA DX7が搭載していた音源方式で、当時の様々な楽曲に使用され、一気に有名になりました。

アナログシンセが得意とする「太く温かい音」に対して、FM音源は「鋭く硬質で、金属的なサウンド」を作るのが得意です。

例えば、ポップスやシティポップで聴くことができるエレクトリックピアノ(DXエレピ)や、80年代のバラードなどでよく使用されたベル、ダンスミュージックなどで多用されるエッジの効いたベース音など、誰しも一度は耳にしたことがあるサウンド。

80~90年代のゲーム音楽でも使用されていた(ゲーム基盤にFM音源が搭載されていた)ので古参のゲーム音楽ファンには説明不要かもですね。

FMならではのサウンド。今の時代どうなの?

使用音源は公開されていないが、中田ヤスタカ氏の楽曲でもFM音源と予想されるゴリっとした質感のベースサウンドなどが聴ける。

FM音源と聞くとレトロサウンドに限定されるのでは?と、感じる方もいるかもしれませんが、全くそんなことはありません。

近年、80年代〜90年代サウンドのリバイバルが世界的に加速しており、シティポップや80sシンセポップが再評価され、煌びやかなエレピやベル、ゴリッとしたベースを現代のトラックメイカーが、レトロサウンドを最新プロダクションに組み込む流れがあります。

また、ダブステップで使用されるような変化の激しいサウンドや、アタックが早い尖ったサウンドもFM音源の真骨頂。

そういった特徴から、現代の音楽制作ではむしろ新しい、無限の可能性を押し広げる強力な武器として活用できるのです。

また、FM Lab単体で完結する高品位なFMシンセであると同時に、HALionのサンプラー機能や他のシンセサイザーエンジン(ウェーブテーブル、グラニュラー、アナログモデリングなど)を持っていれば、自由にレイヤーできるようになるのが非常に強い。

FM音源にしか出来ない表現を、他のサウンドとレイヤーさせることで唯一無二の、まだこの世界に存在しないサウンドを生成することだってできるというわけです。

本家ならではのレトロから最新のサウンドまでをカバー

というわけで、FM音源と一口に言っても、評価ポイントは様々で重要視する部分が異なると思います。

  • DX7などハードウェアの再現度
  • レトロリバイバルに活用
  • 新しいサウンドを模索できるかというFM音源方式自体
  • 音作りのしやすさ

ざっくりこのような感じではないでしょうか。

では、FM Labの立ち位置がどうかというと、DX7実機さながらのハードウェアライクな品質はもちろん、FM音源の持っている可能性で現代の音楽シーンを開拓する可能性を秘めた究極のFM音源、ではないかと。

お世辞抜きで、全方位的に高水準で非常に満足度の高い仕上がりです。この完成度はやはり本家のFM音源なのだなぁと思います。

機能概要

FM Labを立ち上げると、まずはこの画面が立ち上がります。

600種類以上用意されているプリセットを起点に、FM OSC、PITCH、FILTER、AMP、EFFECTの各パラメーターツマミを動かして音の調整を行うところから始めると良いでしょう。

プリセットには、DX7やTX81Zのファクトリープリセットを思わせる音色をはじめとする、80年代に有名曲で使用されたような音色から、FM音源らしさを活かしたモダンなサウンドまで幅広く収録されています。

FM OSC、PITCH、FILTER、AMPなどの緑色のボタンをクリックすると、すべてのパラメーターが表示され、より詳細をコントロールできます。

OSCのページの中から選択可能なプリセットは、フィルターやエフェクトなどを使用しない純粋なFM音源オシレーターのみで作られた音色です。

 

2オぺレーターや4オペレーターで作られた音色も多数あり、80年代のレトロな雰囲気が欲しい方には、まさに欲しかった音色が揃っています。

YAMAHAのFM音源の歴史を網羅

FM Labは過去のYAMAHAのFM音源の歴史を網羅しているので、FM音源系のサウンドであれば再現できないものはない、と言って良いでしょう。

搭載波形 計29種類

  • サイン波
  • FMX 6種類
  • TX81Z 7種類
  • SY99 9種類
  • ノイズ
  • 三角波
  • ノコギリ波
  • 丸みのあるノコギリ波
  • 矩形波
  • 丸みのある矩形波

搭載アルゴリズム 計128種類

  • 4オペレータ TX81Zのアルゴリズム 8種類
  • 6オペレータ DX7のアルゴリズム 32種類
  • 8オペレータ FM-X(MONTAGE)のアルゴリズム 88種類

オシレータ特性 3種

  • HALion:オシレータは連続値で動作し、最高の精度をエミュレート
  • FM-X:YAMAHA Montageの特性をエミュレート
  • DX7:YAMAHA DX7シンセサイザーの特性をエミュレート

以前、HALion 7レビューで搭載されているFM音源の基本部分について書いているので合わせて読んでみてください。

YAMAHA共同開発のFM音源搭載!Steinberg HALion 7レビューSponsored By YAMAHA MUSIC JAPAN 本家のFM音源、ついに搭載。 Steinbergより、様々なジャンル...

独自アルゴリズムを作成し無限の音作り

128種類のアルゴリズムだけでも十分ですが、自身で自由に既存のアルゴリズムを編集したり、1から作成することも可能です。

また、ユーザープリセットとして保存することもできるため、資産として他のプロジェクトでも使用することができるのは嬉しいところ。

慣れは必要ですが、視認性は良いので少しずつ触りつつ、FM音源の音作りにハマってみて欲しいです。

金属的な質感や、想像不可能な音の変化は唯一無二の個性であり、他のシンセサイザーでは得られません。

SysEX(システムエクスクルーシブ)音色データも読み込める

それでもFM音源の音作りは敷居が高いと感じる方は、SysEXを読み込んで使用することが可能です。

各所で有志の方々がネットで無償配布していますから、音作りの構造など勉強になることも多いので、大いに活用しましょう。

さいごに

というわけで、本家が満を持してリリースした「ソフトウェアFM音源の決定版」です。

弱点らしい弱点が見当たらない大本命。

現在セール中につき、かなりお得に導入することが可能です。

是非チェックしてみてください。

FM Labの詳細はこちら(Steinberg公式サイト)

FM Labの詳細はこちら(Rock oN)

FM Labの詳細はこちら(サウンドハウス)