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低域の量感は正義、やる気も出る。
今回は、株式会社アユート様からのご依頼で、ドイツのオーディオブランドであるULTRASONEの新しいヘッドホン、Signature PUREのレビューをさせて頂きます。
現代の音楽は低域が重要と言われて久しいですが、Signature PUREはまさに「低域」にフォーカスしたヘッドホン。
リスニング用とても評価の高い本機ですが、制作用途としてDTMの観点からレビューしていきたいと思います。
提供:株式会社アユート
Signature PURE(アユート公式ダイレクトショップ)
Signature PURE
Signature PUREは、ULTRASONEの象徴的モデルである、Signature DJのエッセンスを受け継ぐヘッドホンです。
持ち運びや収納に便利な布製のケースが付属しています。
付属しているピーカーケーブルはカールコード式。但し、カール式になっているのは途中一部だけで、あとはストレートです。着脱式なのでカスタマイズすることもできますね。
音質評価
サウンドについて評価していきます。筆者はこれまでに、制作用途としては10台ほど数千円〜十万円台まで様々な価格帯の製品を使用してきました。
各項目、★5つで満点とします。
- 高域音質・・・・★★★
- 中域音質・・・・★★★★
- 低域音質・・・・★★★★★
- 解像度・・・・・★★★
- 音場の広さ・・・★★★★
- 音の艶・・・★★★
- モニター・・・★★★
- リスニング・・・★★★★
- 本体の高級感・・★★★★
※あくまで筆者の手持ちのヘッドフォンと、今まで使用した製品との相対的評価です。今後使用していく過程で変化する可能性はありますので参考程度にとどめてください。
PUREの第一印象は、重低域にフォーカスを当てている迫力があるサウンド。しっかりローが出ているものの、ブーミー過ぎず、締まり過ぎてるわけでもなく、非常に豊かで気持ち良いのでテンション上がります。
四つ打ちのキックなど、低域の量感を確認しつつ作り込む際にも強い味方になるでしょう。
高域は少々控えめですが、決して足りないというわけではありません。聴きやすく長時間聴いていても疲れないので、キンキンした高域が苦手という方は、むしろ好みかもしれないですね。
仮に高域が出過ぎてしまっていると、上に書いたように強い低域と相まって派手な音、いわゆる”ドンシャリ”になりがちなので、そうはなっていないところにPUREの個性を感じました。
中域に関しては、フラットで少々ドライな印象を受けました。聴きはじめはもっと艶が欲しいと感じましたが、数分後にはかえって主張し過ぎない感じが心地良くなり、これはこれで良いな、と思える質感です。
このような個性はあるものの、DJモデルの血統ということもあり、聴いていてテンションが上がる元気なサウンドです。そして長時間使用しても聴き疲れしづらいのもポイントだと感じました。
S-Logicテクノロジー
Signature PUREには、ヘッドフォンでもスピーカーで聴いているような自然な音の響きと定位感を実現する”S-Logic”テクノロジーが使用されています。これは、ULTRASONEの特許技術であり、脳の疲労を軽減してくれる効果も期待できると。
ヘッドホン全般に言えることですが、耳とサウンドドライバーの距離が著しく近いという状況は自然界では有り得ないので、不自然な音を補正しようと脳が消耗してしまい、耳の感度が低下していってしまう。
“S-Logic”であれば、人間本来が感じる音を受け取れるため、自然かつ聴き疲れしないサウンドが実現するというわけです。
密閉性の高いイヤーパッド
イヤーパッドは側圧は少々強めに感じつつも、スエード調のイヤーパッドが、ふかふかで柔らかく気持ちの良い素材ということもあり、しばらく付けていてもツラさはなかったです。
すっぽりと耳を覆う形状で密閉性が非常に高いため、ノイズアイソレーションに優れているのは◎。装着した瞬間にスッと周囲のノイズが低減します。
密閉型のヘッドホンは多かれ少なかれ同じような感覚はありますが、Signature PUREは耳の周りに空間が生まれるため余計にそう感じるのかもしれません。
かなり分厚く存在感がありますが、それほど重量はないため持ち運びや長時間使用で問題となることはないでしょう。
コンパクトに折りたたむことで、移動時は先に紹介した付属ケースに納めることができます。
長時間使用しない際も、折りたたんで収納することで、デスクの上や棚のスペースを有効活用することができますね。
Signature MASTERとの比較
以前ご提供いただいたULTRASONEのハイエンド機種、Signature MASTERとの比較を行いましたが、そのキャラクターには顕著な違いが感じられました。
- MASTER・・・解像度が高くクリアで、高域の煌びやかさが美しい
- PURE・・・低域が元気で気持ち良く、聴き疲れしづらい特性がある
これらのキャラクターを踏まえて、ざっくり使用場面を考察してみます。
- MASTER・・・マスタリングやミキシングなど細部まで音をチェック・磨き上げ
- PURE・・・トラックを作り込む時や作・編曲時に。制作意欲保持する期待大
全体のバランス確認はMASTERの方がやりやすいと感じましたが、キックやベースなどの特定の領域の量感等調整する際は、PUREの方が向いている可能性があります。
MASTERは高域から低域まですべてがしっかり鳴りつつも、キラキラとした透明感と艶が特徴です。そのクリアさがゆえに、音の輪郭、細部まで聴こえ過ぎて気になる場合は、PUREの方が音作りに集中できると感じるかもしれません。
また、イヤーパッドが分厚いため、装着した際に耳とドライバーユニットに物理的な距離が生まれます。このおかげかMASTERよりも音場が広く感じました。
開放型まではいかないものの、スピーカーで聴いている印象に近いです。これは上で書いた通り、ULTRASONEの特許技術”S-Logic”の影響も大きいでしょう。
数倍の価格差があるので当然ですが、細かい部分の素材などはMASTERの方が高級感ありますが、とはいえPUREも安っぽさはありません。
重量はMASTER(325g)よりわずかに軽い294g。フェイスプレートがブラックなので、本体カラーと統一感があり、シックで良い感じです。
さいごに
超低域を再生するモニタースピーカーやウーファーを所有していたとしても、プロスタジオでもない限り鳴らし切る環境を用意するのは現実的ではありません。
そこを補完するヘッドホンとして、低域にフォーカスしつつもバランスの良いPUREを手元に置いておきたい。
そして、元気な低域をモニターしつつ、トラックメイキングするテンションを上げてくれるので、ノリノリで作業する相棒としても頼もしい存在です。
約3万円で手に入るので、コストパフォーマンスにも優れているのもポイント。
ULTRASONEのサウンドを是非体験してみてください。
ではでは。
Signature PURE(アユート公式ダイレクトショップ)