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VA-3にしかないサウンドがある。
ヴァーチャルアナログシンセサイザーは星の数ほどあれど、唯一無二と言える個性的な質感と、汎用性を持ち合わせているシンセサイザーは意外と少ないもの。
しっかりとスタンダードなのに、他とはひと味違う、そんなシンセサイザーが、Ultra Analog VA-3です。
Ultra Analog VA-3
Ultra Analog VA-3は、初代の登場から15年以上経過している歴史あるシンセで、現在は3代目となります。
実在のシンセサイザーリスペクトしつつも、何かのモデルを再現・エミュレートしたわけではなく、あくまでオリジナルのモデル。
今となっては流行を追った派手なシンセとは少々違うスタンスで、ベーシック路線の”いぶし銀”的なキャラクターの地位を築いていますね。
基本に忠実ながら確実に進化し、トレンドに流されず着実に「楽器としてのシンセサイザー」を磨き上げている老舗ブランド…そんなイメージなのかなと。
音について
質感は、ソリッドなのに滑らかさがある、キレイで瑞々しいサウンド。
キレイで瑞々しいとなると、シンセにウルサイ人は「細くて存在感ないのでは？」と感じるかもですが、全くそんなことはありません。
「デジタルで表現したアナログシンセ」とでも言うべきか、アタックがハッキリしているのに、デジデジしていないという、こういったキャラクターは他にありそうで無いんですよね。
クリアなのにキラキラし過ぎているわけでもないので、ヴィンテージアナログシンセと、デジタルシンセの中間に位置するとも言えるかもしれません。
抜けが良いため、リードやベースなど、存在感をしっかり出したいトラックに使用したくなります。
オシレーターの波形が上品かつ芯があり、フィルターやエンベロープなどの挙動が非常に滑らかであることが大きな要素だと感じました。モチッとしたベース音色なんかも得意。
この滑らかな質感はサンプリングではまず出ないですね。
アナログシンセの音色は好きなんだけど、ヴィンテージっぽさが他の音色に合わないんだよなぁ…というピンポイントな悩みにバシッとハマるのかなと思わせてくれます。
音色によっては、中域が少々薄く感じるものもあるのですが、中域が太い他のシンセとレイヤーさせてあげるとかなり最高だと個人的には思ってるので、是非試してみて欲しいですね。
音作りについて
基本的には2オシレーターのシンプルな構成であり、波形は「Sine」「Saw」「Square」「Noise」の4種類のみ。ほぼ直感的な操作が可能です。
それほど複雑な音作りができるわけではないのですが、素性で勝負なVA-3はそれこそが逆に強みだと思うので、これはこれで良いのではないかと。
とはいえ、オシレーターそれぞれに強力なサブオシレーターが搭載されており、ユニゾンも×4まで使用可能なので、1オシレーターのみでも図太いベース/リードは難なく作成可能なのは非常に頼もしいです。
波形自体が瑞々しく淀みがないため、重ねてもわざとらしさを感じないんですよね。
更に、もう1基レイヤーすることもできるため、2台の2VCO（実質4VCO）での音作りもテンポよく行うことができます。基本的なシンセサイザー音色に困ることは無いでしょう。
また、プリセットが多数収録されているので、まずは十分に用意された音色を堪能しつつ、VA-3の音作りの可能性を知ることも音作りに慣れる近道です。
別売りのサウンドパックも19種類（2023年2月現在）用意されているので、手早くインスピレーションを得る選択肢もあるのは嬉しいところ。
これは、どのシンセでも言えることですが、真骨頂はユーザー自身での音作りから生み出されるサウンドなので、それにしっかりと応えられるシンセであることは間違いないです。
CPU負荷
4音同時に鳴らして概ねこれくらいです。負荷はほぼ気になりませんでした。
計測環境は以下のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 12
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
※CPU負荷は、音色や設定によって変化するため、あくまで参考程度にとどめてください。
さいごに
音色的にも機能的にも使いやすいスタンダードなシンセなので、初めてのシンセとしてもオススメできます。
たくさんシンセは持ってる！という人でもカブらない質感だと思うので、新鮮さを感じることができるかと。
上にも書きましたが、他のシンセとのレイヤーもお試しを。
ではでは。
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