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開放型ヘッドホン聞いたことない?人生損してるかも!
ドイツのオーディオブランドである、ULTRASONEの新しいヘッドホン「Signature FUSION Open Back」のレビューです。今回も株式会社アユート様からご依頼頂きました。
各方面で非常に評価の高いULTRASONEのヘッドホンですが、この度待望の開放型がラインナップ。
僕自身、日常的にULTRASONE製品を愛用していて、そろそろ新しい開放型ヘッドホンが欲しいと思っていたところだったので、個人的にタイミングの良いレビューとなりました。
ULTRASONEのヘッドホンは、過去に「Signature MASTER MkII」と「Signature PURE」をレビューさせていただいております。


そして手元に「Signature MASTER(初代)」と「Signature PURE」があるので比較も行いました。
それでは、是非最後まで読んでみてください。
提供:株式会社アユート
Signature FUSION Open Back(アユート公式ダイレクトショップ)
Signature FUSION Open Back(Amazon)
Signature FUSION Open Back

Signature FUSION Open Backは、密閉型Signature FUSIONに開放型(オープン型)のチューンを施した製品です。
スローガンは「Experience sound in a new dimension」(新しい次元のサウンドを体験)であり、最新テクノロジーを駆使してトランジェントに優れた正確な再生と音楽的HiFiサウンドを融合させた、プロフェッショナル向けの開放型モニターヘッドホンとなっています。
冒頭で書いた過去にレビューした2機種はいずれも密閉型(クローズ型)だったので、ULTRASONEの開放型はどんなサウンドなのかワクワクが止まりません!
それでは早速開封していきます。

外箱はPUREと同じく無骨な雰囲気です。だがそれがいい!!

他のシリーズ同様、キャリングケースもしっかりしてて良いですね。

Signatureのプレートが輝いています。

「MASTER MkII」と「PURE」はユニットの形状が楕円形でしたがFUSIONは真円です。

画像は光の当たり具合でグレーっぽく見えますが、実物はブラック。
FUSION Open Backでは、ケーブル接続するヘッドホン側コネクターが2.5mmバヨネットロック式から3.5mmスクリューロック式に変更されています。
バヨネットロック式でも簡単に抜けてしまうことはないと思いますが、より一層強固になりました。

ケーブルは着脱式となっており、3種類が付属。一般的な2種類のピン(6.3mm、3.5mm)に加えて「4.4mmバランスプラグ」が使用できます。
前回MASTER MkⅡをレビューした際もそうでしたが、筆者は4.4mm対応の機材を所持していないので、購入検討します…w
音質評価
サウンドについて評価していきます。筆者はこれまでに、制作用途としては10台ほど数千円〜十万円台まで様々な価格帯の製品を使用してきました。
各項目、★5つで満点とします。☆は0.5点です。
※6.3mm標準プラグ3mストレートケーブル接続時
- 高域音質・・・・★★★☆
- 中域音質・・・・★★★★
- 低域音質・・・・★★★★
- 解像度・・・・・★★★★
- 音場の広さ・・・★★★★★
- 音の艶・・・★★★★
- モニター・・・★★★★★
- リスニング・・・★★★☆
- 本体の高級感・・★★★★
※あくまで筆者の手持ちのヘッドフォンと、今まで使用した製品との相対的評価です。今後使用していく過程で変化する可能性はありますので参考程度にとどめてください。
開放型ならではの音場の広さ、音抜けの良さは抜群です。そうそう、これこれ!開放型はっこうでなくっちゃ!
サウンドの1つ1つがしっかり分離して聴き取れるので、非常にモニターしやすいです。
分離感の気持ち良さがありつつも、聴く楽しさも存分に満たしてくれるキャラクターで、極端にモニターライクというわけでもありません。
音の輪郭、定位、リバーブやディレイなど、密閉型では見えなかった部分までかなり見やすいので、ミックスが捗りそう。ってか、見え過ぎていつまでも細かい部分を調整してしまう沼にハマりそう…w
リスニングにおいては、見通しの良さから聴き慣れた楽曲でも「こんな音入ってたんだ!」という気づきをもたらしてくれそうです。
例えばEDMやアニソンなどの、様々な音を詰め込んだ情報量が多い楽曲に関しても、分離する心地よさで慣らし切るポテンシャルを持っているので、分析好きにも非常にオススメ。

ただ、制作においては、分離が良過ぎて細部まで聞こえ過ぎてしまうため、一般的なリスナー環境を想定するには密閉型ヘッドホンやスピーカーなど他のデバイスとの組み合わせで確認した方が良い結果になりやすそうです。
開放型のヘッドホンの特性として、空間が広く抜けが良い反面、密閉型と比較した際に中域や低域が薄く感じて思わず音量を上げたくなることがありますが、FUSION Open Backにおいては、そういったことはほぼ感じませんでした。
周波数特性的にもバランスが良くフラット。高域が刺さることもなく、低域が出過ぎてることもなく、絶妙な塩梅。
長時間使用しても聴き疲れしづらそうです。
開放型にしてはスリットが少なめなので、構造的にはセミオープンに近いのかなという印象を持ちました。上記のようなサウンドキャラクターの特徴、バランスの良さを考慮してもそんな気がします。
それから、付け加えておきたいのが付け心地の良さ。イヤーパッドがふわふわで、長時間使用する際に嬉しいですね。とにかく装着していて楽です。
特に制作などでの長時間使用においては、着け疲れしないのも重要なポイントなので、このアドバンテージは大きいのでは。
S-Logicテクノロジー

Signature FUSION Open Backには、ヘッドフォンでもスピーカーで聴いているような自然な音の響きと定位感を実現する”S-Logic”テクノロジーが使用されています。これは、ULTRASONEの特許技術であり、脳の疲労を軽減してくれる効果も期待できるとのこと。
ヘッドホン全般に言えることですが、耳とサウンドドライバーの距離が著しく近いという状況は自然界では有り得ないので、不自然な音を補正しようと脳が消耗してしまい、耳の感度が低下するんですよね。
“S-Logic”テクノロジーにより、人間本来が感じる音を受け取れるため、自然かつ聴き疲れしないサウンドが実現します。
Signature PUREとの比較

エントリーモデルのPUREとの比較は、開放型と密閉型の違いはあるものの、ヘッドホンのグレードが2段階くらい違う印象を持ちました。もちろんFUSION Open Backの方が上質です。
PUREの得意分野である低域についてはタイプが異なる鳴りで甲乙つけ難い部分もありますが、音の粒立ち、艶などはFUSION Open Backが圧倒してる感ありますね。
装着した瞬間のフィッティングは、圧倒的にFUSION Open Backに高級感を感じることができました。比較表でも確認できますが、イヤーパッドは同じ「スエード」なのに、FUSION Open Backの方が柔らかくて気持ち良い。
FUSION Open Backを装着した後にPUREを試すと、少々硬く感じるレベル。PUREを初めて装着した時は「ふかふか」と感じたのに…!かなりのソフト感です。
このあたりは、密閉型と開放型の違いによる設計差も関係しているのかなと。
Signature MASTERとの比較

個人的に王者ポジションのSignature MASTERとも比較してみました。
予想通り、艶、高域の輝き、鳴り、まとまり、迫力、空間再現能力はMASTERに軍配です。
しかし、モニターのしやすさにおいてはFUSION Open Backの方が良いのかなと感じました。
ヘッドホンの質というよりも開放型の特徴でもあるとは思いますが、音の分離感、一つ一つの楽器の鳴り、配置などはFUSION Open Backの方が確認しやすいですね。
なので、贅沢ではありますが、ミックス時はFUSION Open Backできめ細かなサウンドコントロールを行なって、仕上げはMASTERで行うのが良いのかもしれません。
さいごに
きめ細かいミックスを構築するための楽曲制作にも、音楽ソースに詰め込まれている情報を楽しみたいリスニングにも、非常にクオリティの高い開放型ヘッドホンとしてオススメできます。
音質的にはMASTERの方が優れている部分もありますが、あくまで比較した場合での感想なので、FUSION Open Back自体のサウンドクオリティは非常に高いです。
もしかして、Signature MASTERの開放型登場の世界線ある…??
ではでは。
Signature FUSION Open Back(アユート公式ダイレクトショップ)
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