「初心者でも本格的なシンセの音作りが可能」
という謳い文句のシンセサイザーTHINGSをレビューします。
謳い文句が本当にそうなのかも含めて検証してみました。
THINGS
加算、減算、FMに基づいて構築されたシンセサイザー。サンプルではありません。
7基のコンポーネントで構成されており、それぞれを重ねて音を作っていきます。
- CRYSTAL
- RUBBER BAND
- HORROR
- AIR STREAM
- CLOUDS
- ARCADE
- ALIEN TALK
CRYSTALはアタック成分が強め、CLOUDSはパッドっぽいサウンドというように、それぞれのキャラクターが役割を持っているため、基本的には足したり引いたりして音を作ります。
初心者をターゲットにしているためか、ポップなGUIに、操作できるパラメーターは必要最低限。
一般的なシンセには必ず搭載されているであろう、エンベロープジェネレーターなどはありません。
プリセットもそれほど多くなく、音の重なりやフィルターの調整による音の変化を楽しみつつエディットできる設計となっています。
本当に初心者も本格的な音作りができるのか?
この動画は映画ジョーカーの映像に合わせて、DAWソフトREAPERとTHINGSのみを使用して作られたトラックです。
公式サイトよりREAPER用プロジェクトファイルがダウンロード可能なので、REAPERユーザーは試してみては。
で、肝心の「初心者でも本格的な音作りができる」かどうかですが、一通り触った感じ「初心者でも”ある程度”それっぽいサウンドが作れるシンセ」ではないかと。
音色数が限定されていることと、機能も必要最低限なので、シンセに慣れている方はすぐに不自由さを感じてしまうかもしれません。
ただ、音自体は悪くなく、有機的で存在感がある質感なので、あえて制限のある環境で発揮されるクリエイティブな発見は期待できそう。
CPU負荷
コンポーネント1基で4音鳴らすとこれ↑くらい。
7基のコンポーネント全てをONにして、4音鳴らすとこれ↑くらいです。全てをONにすることはあまりないかもですが、参考まで。
計測環境は以下のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 11
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
- ビット解像度・・・24bit
- オーディオインターフェイス:RME FireFace UCX
さいごに
汎用性は高くありませんが、音が良くシンプルな分楽しめます。
サウンドにピンと来た方やシンセを全く触ったことない方、苦手意識がある方にオススメ。
ではでは。