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制作用のイヤホンをお探しのDTMer各位。
株式会社アユート様からのご依頼で、QDCとFitEar カスタムイヤーモニター2大ブランドのコラボモデルイヤホン「SUPERIOR EX」のレビューをさせて頂きます。
今回はアユート様より比較用にSUPERIORも合わせてご提供頂き、聴き比べをしてみましたので、そちらも合わせて読んで頂けるとよりSUPERIOR EXの魅力が伝わるかと思います。
提供:株式会社アユート
SUPERIOR EX
SUPERIOR EXとは、QDCとFitEarが手を組んだコラボモデルで、同社の人気製品である「SUPERIOR」をベースに、上位バージョンではなくコンセプトの異なる”エクストラバージョン”としての位置付けです。
QDCは中国プロフェッショナル・オーディオ市場において、ステージモニター用カスタムイヤーモニターとしては70%を超えるシェアを誇るブランドであり、FitEarは、プロミュージシャン向けにカスタムIEMの製造販売を行う日本企業。
つまり、カスタムイヤーモニターの2大ブランドがタッグを組んだ肝入りの逸品というわけです。
製品コンセプトは、次のとおり。
本来音楽が持つダイナミクスの再現に注力し、そのコンセプトに合わせてチューニングとトータルバランスを追求しました。本体のアルミ筐体化とオリジナルの銀メッキOFCケーブルの採用によって、トランジェントの良さはそのまま、より深いサブベース再生と音のディテール強化を実現しています。EXECUTIVE、EXTRA、EXPERIENCEの3つの意味を込めたEXは、ユーザーの音楽体験を更にグレードアップします。
音質評価
サウンドについて評価していきます。筆者はこれまでに、制作用途としては十数台ほど数千円〜十万円台まで様々な価格帯の製品を使用してきました。
各項目、★5つで満点とします。
- 高域音質・・・・★★★
- 中域音質・・・・★★★★★
- 低域音質・・・・★★★★
- 解像度・・・・・★★★★
- 音場の広さ・・・★★★
- 音の艶・・・★★★
- モニター・・・★★★★★
- リスニング・・・★★★
- 本体の高級感・・★★★★
※あくまで筆者の手持ちのヘッドホン・イヤホンと、今まで使用した製品との相対的評価です。今後使用していく過程で変化する可能性はありますので参考程度にとどめてください。
数日間にわたって、お気に入りの楽曲を再生したり、音楽制作でも使用してみました。
SUPERIOR EXでは、ある程度音圧を上げて再生することでダイナミクスを表現する設計になっているため、音量を上げた際に3KHz〜7KHzあたりの聴覚上音が大きく聴こえる(要はうるさく聴こえやすい)周波数帯を抑制してあります。
このため使いはじめは、少々音が小さく聴こえたり、マイルドで優しい感じを受けましたがボリュームを上げて使用したところ、バッチリ良い感じで鳴ってくれました。
とはいえ、再生機器によってはボリュームが足りないというレベルではなく、気持ち小さいかな?という感じなので、使用する環境は気にする必要はないと思います。
ヘッドホンアンプにはRupert Neve DesignsのRNHPを使用。
「ダイナミクスを表現」という謳い文句に違わず、小さい音は小さく、大きい音は大きく表現してくれるので、ソースがとても立体的に感じられます。スネアやキックが特に顕著ですね。
どうしても音が混み合いがちな中域のバランスがとても良く、音量を上げてもモニターしやすいのがとても良いです。耳コピの採譜にも重宝しそうだなと感じました。
高域はシルキーで、耳に痛くないです。低域は、量感がしっかりわかるものの、ブーミーさはなく程良い。
粒立ちも非常に繊細かつ滑らかなので、シンセの細かな音作りを追い込んだりする際も重宝しそう。波形のカタチが楽に見えるのは嬉しい。
SUPERIOR EXは、アルミ筐体を採用したことにより、共振を抑制し、細かなサウンドディテールの強化と共に程よい低音域の余韻を出すことに成功しているとのこと。
リバーブのキレ際もしっかり聴き取れるので、ミックスやマスタリングなどでも使えるのではないでしょうか。
予備のイヤーピースも3つのサイズが付属しており、ダブルフランジタイプも用意。非常に頼もしい。
収納・携帯用にも便利なケースも嬉しい。
総じて「モニター的なイヤホン」だなと個人的には感じました。
派手な再生をしてくれるイヤホンは他にたくさんあるけど、SUPERIOR EXのようなイヤホンはあまりないのかなと。
SUPERIORとの比較
SUPERIORとの比較です。
気になる音の違いですが、結論まったく違います。
どちらにもそれぞれの良さがあるのですが、ざっくり言うと、SUPERIOR EXは少々マイルドで聴き疲れしづらいキャラクターで制作向き、SUPERIORは何を再生しても気持ちよく元気な良い音で鳴らしてくれるリスニング向き、といった感じ。
数日間にわたって、聴き比べを続けて「価格は倍ほど違うがEXは上位モデルという位置づけではない」というのがよくわかりました。
SUPERIOR EXは、ダイナミックレンジと深いサブベース再生を体感できるケーブルが選択。
そもそものコンセプトが異なる
外箱の裏側にも記載があるように、周波数特性も違いますね。以下はアユート様のwebサイトよりお借りしました。
SUPERIOR EX
SUPERIOR
SUPERIORの方が、聴感上気持ち良い部分をEQで突いたような感じのセッティングになっているのがわかりますね。
SUPERIORは程良いボリュームで使用するにはとても良いのですが、SUPERIOR EXと同じように上げると全体的に持ち上がってしまって良い結果にはなりませんでした。
これは別にどちらが良い悪いということではなく、使い方が異なるということなので、用途に応じて適した使い方をすることで、それぞれの良い部分が引き出せるのかなと。
SUPERIORは「気持ち良く鳴らす」という観点での楽曲再生は素晴らしいのですが、個々のトラックを作り込む際も、艶のある良い音で鳴るのでテンションが上がるんです。
ただ、どんなソースも気持ち良く鳴るので、SUPERIORだけ使用してミックス・マスタリングするのは慣れが必要かもしれませんね。
それにしても、SUPERIORのコストパフォーマンスはかなりエグいと思います。
贅沢な使い方ですが個人的には、作・編曲やリスニングにはSUPERIORを使用して、ミックス・マスタリングその他チェックにはSUPERIOR EXが使えると最高なのかな!?と感じました。
さいごに
イヤホンも上を見れば果てしなく高額な世界です。しかし、今回レビューさせて頂いたSUPERIORシリーズは、手が届く価格なのも魅力のひとつ。
それでいてクオリティは「これで十分」というよりは「これを使いたい」と思わせてくれる実力があります。
ダイナミクスの再現に焦点を当て、ボリュームを上げることで楽曲本来の迫力を引き出すSUPERIORは、音楽制作に新たなアプローチをもたらしてくれるアイテムだと感じました。
モバイル環境の方はもちろん、制作のお供に導入されることをオススメします。
ではでは。