民生用機器という部分がキモ。
Audio Thingのテープエミュレーター、REELSをレビューします。
ハイエンドなオープンリールをエミュレートしたプラグインは数多くありますが、思ったより温かみが出ないし、強くかけすぎると歪んで使い物にならない…そんな経験ありませんか。
もっとテープらしい歪みを!そんな方にREELSはピッタリ合うかもしれません。
Audio Thing REELS
プロスタジオで使用されるオープンリールではなく、民生用テープレコーダーを忠実に再現したテープマシンエミュレーターです。
アナログテープの質感、テープノイズ、ワウ/フラッター、テープエコー、テープスタート/ストップなど、テープエミュレーターに求める機能は一通り揃っています。
3種類の個性ある、1/4幅テープを搭載しており、選択できるのも良いです。
- JP・・・中古テープを使用しているものの、全体的に周波数特性が良いもの
- IT・・・新古テープだが、周波数特性が限定されているもの
- FR・・・過剰に使用され、保存状態が悪く、周波数特性が非常に悪いもの
テープノイズにエンベロープスイッチが搭載されており、オンにすると入力ソースに合わせてノイズが減衰、テープスタート/ストップはスピード調整が可能など、痒い所に手が届く装備が満載。
GUIはAudio Thingらしく、とっつきやすいです。使い勝手は直感的でマニュアルは不要なくらい簡単。
音について
柔らかさと温かみがある心地よいサウンドで、ピッチの揺れやエコーもバッチリハマる感じありますね。
民生用のテープをエミュレートしているだけあって、とても良い塩梅のローファイです。
業務用のクリアなものよりも、テープの音をイメージしやすい馴染みある質感ではないでしょうか。
わかりやすくクリエイティブな音作りに向いていると言えるため、僅かにテープの質感が欲しいという場合には業務用のオープンリールをエミュレートしたものを使用した方が良いでしょう。
Lo-Fi Hiphopや、チップチューン、SynthWaveなど80年代な雰囲気が欲しい場合に重宝しそうです。
CPU負荷
負荷はほとんど気にならないレベルで軽いです。
計測環境は次のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
他のテープエミュ試してみたけど、思ったよりクリアで物足りない…という人はREELSがハマるかもしれません。
質感はもちろん、必要な機能が揃っているので実用的で使いやすいのも特徴。
手軽にローファイサウンドが欲しい方は試してみてください。
安価なのも嬉しい。
ではでは。