とにかく音がハイファイ!
Tone2のシンセサイザーは、小室哲哉さんも使用している「Electra 2」が気になっていましたが、どうせ買うなら新しいものをということで、最も後発のシンセである「Icarus」をTone2デビューとしました。
決めてはとにかく明るい出音。Electraと比較してもこちらの方が好みでした。
セールを滅多にやらない、やっても少額なせいかあまり普及していないイメージがありますが、バランスが良く好きなシンセです。
Tone2が気になっている方、ハイファイな音(死語?)をお探しな方、是非ご一読を。
Tone2 Icarus
波形をクロスブレンドする、3Dウェーブテーブルシンセサイザーです。
「3D」とは、各オシレーターごとにモーフィングによる波形のクロスブレンド、HyperSawオシレータによるユニゾンが可能という部分。らしい。
- モーフィング・・・選択したメインの波形とは別の波形を選択し、混ぜ具合を調整できる
- HyperSawオシレータ・・・いかなる波形にも37種類のモードからなるユニゾン効果を与える
更に手書きによる波形の加工も可能。オシレーターの自由度は無限大です。(後述します)
グラフィカルなフィルターや、アルペジエーターの動きも視認性が良く一目瞭然。波形などもアニメーションするのでどういう状況か理解しやすい。
イメージもしやすいのはもちろん、テンション上がりますね。GUI大事。
ハードシンセを彷彿させる明るく空気感がある音
新しいシンセの音。モダンなサウンドです。
粒立ちが良く、クリアで上品。ウォブルベースなどの激しい音も得意としますが、ジェントルな雰囲気を保っており、品があります。無茶はするけど、ハメは外し過ぎない優等生のような感じ()
そのおかげか、楽曲への馴染みが非常に良いですね。再生エンジンが良いのでしょうか。
使える音が多い
ウェーブテーブルシンセなので、ベル系などのキラキラ音色も得意としており、幅広い音作りが可能なため汎用性があります。ってか日本人ウケしそうです。
ハードのマルチ音源(Roland JVシリーズなど)が好きな方はハマるシンセではないでしょうか。ブラス音色なんかはアナログシンセというより、PCMシンセに入っているアナログシンセのブラスの音に近いです。
聴いたことあるぞ!っていう音がモダンな音に昇華しているのが心地良い。ハード音源好きな人はテンション上がるんじゃないかなーと。
同じウェーブテーブル方式のSerumほどEDM色は強くないです。その分、オールジャンルとしても使える良いとこどりな感じです。悪く言えば中途半端とも言えますが、平均点は非常に高いので、ここは強みですね。
エフェクトが優秀
53種類のエフェクトを搭載してます。空間系が特に良いです。ベル系などキレイに響きます。
ちなみに、芦沢さんの新曲「Suki210%」で最も使用されたシンセがIcarusとのことです。カッコイイ!
理解しやすい構造で音作りしやすい
全体的な音作りとしては、ツマミを適当に触っていくだけでも十分な音作りが可能です。効果がすぐわかるのが◎。マニュアルなくてもしばらく触っていれば使えるようになりそう。
めちゃくちゃイジり倒してもノイジーな音になり辛い設計も好感が持てます。この辺りがハメを外し過ぎない優等生。
その気になれば、シンセマニア向けな複雑なモジュレーションを組むこともできるので、クリアな音でガンガンやりたい人の要求にもしっかり応えてくれますよ。
↑の画像は、波形エディットの画面です。マウスで手書きできるんですが、ササっと書けてすぐに反映されるのが簡単ですごくイイです。
ペイントソフトのようにツール(矩形波やノイズっぽいモノもあり)を選択して書けるのも親切。
波形の取り込みも可能
手持ちのWAVもドラッグ&ドロップで取り込み可能。(サイズに制限あり)
取り込んだWAVも数秒で、Icarusの音色として使用可能になります。取り込んだ波形も書き換えられます。自由度高いのに操作はカンタンで直感的なのが良い。
負荷はほどほど。動作は快適
負荷はStudio OneのVSTパフォーマンスメーターで計測。
立ち上げただけで、5%消費します。コードを鳴らすと、軽いもので7~8%、重たいもので20%を超えました。
音色切り替えや、波形編集、WAVの取り込みなど動作はすこぶる早いです。安定感もあるので、それほどビビるほどではないですね。
当方環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
さいごに
Tone2のシンセは他にない独特な味があります。シンセたくさん持っている人でも、ひとつは持っておいてもいいんじゃないかなと。
明るく派手な音が好き、汎用性が高いシンセが欲しい人にオススメです。ウェーブテーブルだけあって、エッジが効いた音も得意とします。マルチに活躍することでしょう。
ただ温かみがある音色とは言えないので、こってりしたアナログシンセが欲しい、って人は他のシンセの方が良いです。
ではでは。