今回のネタは、定番のヴィンテージアナログEQをモデリングしたWaves PuigTec EQです。
定番過ぎて懐かしいレベルって方も多いのではないでしょうか。
古いプラグインですが、さすがは定番だけあって独特の「気持ち良い質感」がたまらない。
この品質のEQが$49ってのは、かなりのコスパだと思うわけです。
PuigTec EQとは
PuigTec MEQ-5
2つのプラグインがセットになってます。お得ですね。MEQ-5はミッドレンジに重点をおいた仕様となっていますので、EQP-1Aで足りない部分を補います。
1951年に発売されたPultec EQのモデリングです。数えきれないほどの現場で使用されてきた真空管EQ。ツマミをひねらずとも、通すだけで音が変わります。
独特の質感は「魔法」とも呼ばれており、思わず挿しまくりたくなる気持ち良さ。実機は現在も販売中で、それぞれ300,000~400,000円くらいする高級機となっております。
実機はこれです。
実機にはメーターがないんですね。実にシンプルなデザインです。無骨な感じがいかにもって感じ。
Pultec系のEQは、同じ周波数帯(厳密には同じではない)に対して、ブーストとカットを同時に行えるのが特徴です。気持ち良い部分をブーストしつつ、それによって膨らんだ要らない部分だけをカットしてくれる「音楽的」なイコライジングを行えます。
ツマミの数が少なくシンプルな操作で、決して大味ではないベターな結果に辿り着けるインテリジェントな一面もあるのかなと。
ちなみにPultecをモデリングしたプラグインは各社からリリースされており、めっちゃたくさんあります。
他デベロッパーのPultec EQとの比較はマサシさん(@masashi0204)の記事が詳しいです。
yuukiさん(@project0t)も書かれてます。
アナライザーにて検証
Sytrusでサイン波を鳴らして、Puigtecを挿してみました。ツマミはいじらず挿しただけです。
まずはデフォの状態です。
EQP-1A
MEQ-5
音も用意しました。Dry→EQP-1A→MEQ-5の順です。
アナライザーではあまり違いがないですが、聴いた感じは全く違います。断然、EQP-1Aの方が味付けが濃いです。音がハッキリ変わるのが分かります。MEQ-5も変わるのですが、聴感上はそれほどではないです。
細かな倍音と、50Hz以下がこんもりと味付けされてますね。挿しただけでこれだけの変化が現れます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
今のところはドラムに挿して、質感の調整に使用するのがお気に入りです。何と言うか、すぐにそれっぽくなるのが良いです。ツマミが少ない簡単操作なのに、しっかりと思った以上の音になってくれるのがポイントですね。
痒い所に手が届く、外科手術的なEQではありませんが、ブーストは気持ち良く、カットは薄くなりすぎないキャラクターはハマる人が多いのもうなずけます。
ドラムの他にも「何かが足りない」って時にはとりあえずPuigTecを挿してみると良い結果になることもあると思うので、様々な音作りに使えそう。
ではでは。