Roland SH-101のエミュ/サンプルは各方面からリリースされていますが、その中でもこのLuSH-101は筆頭格の質感です。
SH-101をエミュレーションしただけにとどまらず、SuperSawなども搭載し、マルチに使用できるスタンダードなシンセとして昇華したプラグインであり、ある意味実機以上。
リリースされてから時間が経っていますが、今でも十分に、今だからこそしっかり使えるシンセだと思います。
※この記事は2017年3月17日に投稿されたものに、加筆修正したものです。
D16 LuSH-101
SH-101の実機は、1983年に発売された、Rolandのアナログモノシンセ。1983年といえば、YAMAHAからDX7が発売された時代です。
非常にシンプルな作り(VCO→VCF→VCA→LFO→ENVがそれぞれ1系統ずつしかない)で、シンセサイザーの教材にもなっていました。今で言うシンプル版GAIAみたいな位置づけですかね。
音は、Rolandらしい明るく抜けの良い元気な感じで、モノということもありリードやベースなどによく使われたイメージがあります。
Vintage Blue Roland SH-101 Analog Synthesizer with Mod Grip SN B320763 https://t.co/aM4N04b4W2 pic.twitter.com/M8mKEcOMwg
— matrixsynth (@matrixsynth) 2017年3月5日
乾電池駆動が可能で、ショルダータイプにもなるのでライブでも活躍。カラバリはグレー、ブルー、レッドの3種類。
プロ仕様ではなく、どちらかというとエントリーユーザー向け、シンセの裾野を広げる戦略機種だったのかなと。
実機を元に大幅にパワーアップ
LuSH-101は実機よりもかなり多機能にパワーアップしています。
同時発音数が多かったり、エフェクターが搭載されているのは他の実機エミュにもよくあるパターンですが、実機にはなかったSuperSaw波形や、ハイパス・バンドパスフィルターを搭載しています。
SuperSawを使用してJP-8000のような音作りもできちゃうので、別物といってもいいくらいにパワーアップしてますね(はい、そこのシンセマニア、邪道とか言わない
ざっくりとしたイメージは「SH-101の音を再現しつつ、めちゃくちゃ多機能にしちゃいました」的シンセ。
パワーアップはしているものの、決してSH-101の色を失うことなく正当進化しているところに好感が持てます。
使いやすいRolandの音
音の傾向は粒立ちよく上品。
プリセットは1,600以上あり、モダンなEDM系ではなく、ビンテージアナログシンセ系のスタンダードで使いやすい音色が多い印象です。
フィルターの挙動などもSH-101の特徴が再現されており、波形をレイヤーさせた時のにじみ方がデジタル臭くないのが良いですね。
アナログ臭い、というよりも、ハードっぽい音だなと。
適度な太さとハイファイさを併せ持った音質が楽曲と混ざりやすく使いやすいのです。
本家と比較してどうなの?
SH-101のエミュはフリーでもたくさんあるのですが、本家Rolandからもプラグイン化されてます。
SH-101を忠実に再現しており、完成度はピカイチです。アナログ臭さもあってソレっぽい。さすがは本家。
LuSH-101とはキャラが異なりますね。LuSH-101の方が好きという人もいるほどで、それぞれ良さがあります。
CPU負荷
負荷は高めです。
Follow Himというプリセットを4音弾くとこんな感じ。音色にもよりますが、メーターの半分以上になるプリセットもあってちょっとビビります。
負荷がかかり過ぎている場合は、音数を減らしたり、エフェクトを切ったりすると良いでしょう。
最近のPC性能の飛躍により普通に使えるようになってますが、環境によってはヤバげ。
Windows 64bit(Core i7 3.2G)、メモリ32GB環境での計測。
慣れるまでは使いづらいかも
見た目はキレイなグラフィックでカッコ良いのですが、直感的とは言えないかもしれません。パッと頭に入ってこないんですよね。
慣れが解決するとは思いますが、とっつきにくさはあると思います。
GUIについては紆余曲折あったようで、最初は本家に似すぎてて変更した経過もあったみたい。
結果的に今のGUI好きですけどね。
Sine Waveに乗せてって:D16 Group、久しぶりの新作ソフトシンセサイザー
さいごに
SH-101の忠実なエミュレーションというよりは、幅広くスタンダードに使えるRolandの雰囲気を持ったヴァーチャルアナログシンセです。
クセがないので扱いやすく、プリセットも使えそうなものが多いので、即戦力として仲間に加えてはいかがでしょうか。
ではでは。