成長オタクは必読の書。
本書の冒頭にウメハラさんも書かれているのですが、プロゲーマーの本とはいえあまりマニアックな話にならないように気を配ってあり、ゲーマー以外にも楽しめる内容に仕上がっています。
ウメハラさんが等身大で、飾らず、人生哲学を描かれていて、とても読みやすくわかりやすいんですよ。
もちろんゲームの世界を基盤に書かれているのですが「成長」ということについて様々な観点から実体験に基づく深い考察をされているので、成功哲学書といえるレベル。
ウメハラファンも、そうでない方も、プロゲーマーって何?って方にも是非読んで欲しい。
「強いはずだ」って改めて感じる本です。
※この記事は2016年5月6日に投稿されたものに、加筆修正を加えたものです。
【1日ひとつだけ、強くなる。】梅原大吾著
成長しなければいけない義務があるわけではない
成長しなければならない義務があるわけではない。けれど、自分の成長を日々実感していられれば、楽しいことは間違いない。 そして、成長して力を付けていれば、窮地に立たされることも少なくなるはずだ。逆にいうと、成長していないと窮地に陥りやすい時代になっていると感じている。
誰から強制されるわけでもないのに、なんで成長する必要があるの?って考える人もいるかもしれません。でも、何ごとも成長していく方が楽しいよね?って話。
趣味も仕事も、昨日より今日、今日より明日というふうに成長が感じられればマンネリ化することもありません。
人から言われてやるのではなく、自分が成長したいと思えることが大事。
変化のスピードが速い現代社会では、成長していかなければいつの間にか負け組になってしまいます。
インターネットがもたらしたグローバル化については、本書の中でも格闘ゲームの技術発展の観点から梅原さんも言及されています。
そういう現状も少しばかり考えてつつも、義務感を感じずに成長を楽しめるようになれるといいですよね。
「疲れても頑張れるのが強者」は間違い
プロになって、ゲームに専念できる環境になった。そして「プロなんだから、めちゃくちゃやらなきゃダメだろう」と、1日16時間くらい格闘ゲームの練習をするようになった。 これだけ練習をすれば知識は増えるし、技術もある程度向上する。しかし、それ以上に健康面の支障が深刻になっていった。顔は吹き出物だらけで、体調はいつもさえない。
若い頃は「疲れたなんて思うのは悪だ」「疲れていても、そこで頑張れるのが強者だ」そんなふうに思っていたような部分があった。これは、とんでもない間違い。人間は、疲れる。その当たり前の事実を、本当には分かっていなかった。
疲れたときの頑張りが、苦労の割に役に立たないことは知っておいてほしい。疲れているときはきちんと休んで、体調を整えること。真剣に取り組むのであれば、正しく休むことも取り組みの大切な要素になる。長く安定して続けられるやり方なくして、継続的な成長はないのだから。
疲れたら休みましょう。ってか正しく休むことは成長に重要な要素です。
でも、若いうちはいける(気がする)んですよね。
ウメハラさんも30代になってそう感じてきたんだと思いますが、年々無理はきかなくなるし、無理してやることは非効率だってことを身体が勝手に教えてくれます。
休むということを意識して取り入れることは、遠回りなようで近道だったりします。
思いついただけでは足りない
思いついた、だけでは足りない。そうしたら、それを試してみる。駄目なら、また別のやり方を考えて試す。 すべての選択肢をやり尽くす覚悟さえあるのなら、そうそう伸び悩むことはないと思う。うまく行かなかったやり方とは違うことを試すわけだから、いずれいい答え、いいやり方が見つかる可能性が高い。
これは才能の問題ではない。ただ根気よく、次、次と新しいことを試すチャレンジ精神、諦めない気持ちがあれば、いずれ何かに突き当たる。
根気はあるけれどあまりうまくいかないという人は、同じことを繰り返していないかどうか、振り返ってみるといい。新しいことを試しているつもりになっているだけかもしれない。それで、同じ失敗を繰り返している可能性がある。
僕に特別な何かがあるとしたら、飽きずにいろいろと考えて試し、それを面白がれることかもしれない。
ダメでもあきらめず、とことんやりぬく。突き抜ける。
でもこれって、好きなことしかムリですよね。嫌いなことは続かないので。
「やりたくないことをやらない」のではなく、「好きなことくらいは突き抜けるくらいとことんやろうよ」ってことですよね。刺さる…。
さいごに
ウメハラさんの頭の中がわかる本ですね。
対戦格闘ゲームのプロってことで、格闘家さながらの心理や精神状態や人間考察も非常に読ませます。なぜウメハラさんがクールなのかもわかる。
どの世界でも成功している人は、共通している部分が多々あります。やることは何でも良いので、とにかく突き抜けることが重要なんですよね。
梅原さんの場合はそれが「ゲーム」だったということです。どんな仕事、趣味であっても突き抜けた人は同じことを言いますね。
誰の目にも見えるような大きな成果というのは、小さな成果の積み重ねの先にあるものだ。
小さくて良い、1日ひとつ確実に変わること。
何でも良い、突き抜けよう!
ではでは。
おまけ
知らない人のために貼っておきますが、ウメハラさんと言えば「背水の逆転劇」2:35あたり。
ご本人はそれほど凄いと思っていないみたい…。