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「耳コピ」を極めれば「作曲」も自由自在になるのではないか

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耳コピを笑うものは耳コピに泣く。

「プロが教えるアニソンの作り方」を読んだので感想を書きたいと思います。

結論からいうとめちゃめちゃ為になったし面白かったです。オススメ。

作詞や劇伴などのお話もあるのですが、今回は作曲や編曲について語られた部分を主にご紹介。

※この記事は2016年4月17日に投稿されたものを加筆修正したものです。

プロが教えるアニソンの作り方

アニメソング・劇伴の製作者さんのインタビュー本です。プロデューサー、作編曲家、作詞家、音響監督と様々なポジションの方々がインタビュー形式で語る濃密な内容となってます。

ノウハウについても語られているんですが、詳細な内容ではなく、全体を俯瞰して普遍の真理のような経験談、考え方など。人によって気づくポイントというか、得られるものが違ってくるのではないかなとも思いました。

良い意味でざっくりしたヒントが多数散りばめられており、プロの視点、ノウハウを垣間見ることができます。

「劇伴をやりたければ音大に行ったほうが良い」といったような現実的な視点でも書かれていたりして、独学でやっている人も考えさせられる内容となっています。

ちなみに巻末でインタビューに応えている佐藤純之介氏(@junnoske_suite)は世界屈指のシンセマニアです。

メロディを重視している

 

ルーツはビーイング

ランティスの副社長 伊藤善之氏は、ニューウェーブやテクノの人だったらしいんですが、プロ作家時代にビーイング系アーティストの曲を聴きまくっていたそうです。

ランティスという会社を作ったときに、やるべきことはそこだなと思いました。メロディがすごくいいんですよ。もともと僕はメロディをそれほど重視してはいなくて、サウンドの人だったんですね。メロディなんてどうでもいいと思っていた(笑)。でも、誰でも覚えられるメロディを持つビーイングの音楽は素敵だなと思って、なぜあれほどクオリティの高いポップな音楽を量産できるのかを知りたかったんです。それでビーイングの音楽をたくさん聴きました。
 

ぼくもビーイング系大好きです。当時の織田哲郎氏は完全に神がかってましたね。

Aメロで良い曲かどうかわかる

ランティスのチーフプロデューサー 斎藤滋氏の伊藤氏からシゴかれた話が印象的です。でも、今はそれがわかるとのこと。

サビも大事ですが、良い曲ってAメロまで聴いたくらいで、大体“いける”とわかることが多いので、Aメロもやっぱり大事なんでしょうね。面白いもので何百曲、何千曲と聴いて、音楽を聴く作業に慣れてくると大体Aメロの時点でわかります。

伊藤に教わっていたころの話ですが、“デモができたので聴いてください”と曲を流すと、Aメロの前半くらいで、“これはダメ、これはイイ”って選ぶんです。僕は“全部聴いてくださいよ”って言うんですけど、“大体わかるからいいんだよ”って。それでも“最後まで聴いてください”って頼んで聴いてもらうと、“やっぱりダメだったじゃないか。わかるからいいんだよ”と言われました。
 

確かに、良い曲っていうか、自分が良いと感じる曲は、最初から引き込まれてることが多いですよね。最後まで聴かないとわかんないってことはほとんどない。

ゲーム音楽とアニメの劇伴の違い

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以前、ゲーム・ミュージックとアニメの劇伴の最大の違いは何かな?と考えたことがあるのですが、当時のゲームはセリフがなかったので、メロディがガンガン主張してるんですよね。ドラクエのI〜IVあたりとか、ファイナルファンタジー初期の音楽はものすごくメロディが立っているんです。だから、ゲーム・ミュージックって口ずさめるものが多いんですよね。

でも、それをそのままアニメに当てはめると、メロディがうるさすぎてダメなんですよ。ゲーム・ミュージックとしては大正解なんですけど。有名な映画でテーマ曲は知っていても、それぞれのシーンで印象的な音楽を口ずさむのって難しいですよね。背景音楽としてフワーっとしているものが多いので。

それは悪いことではないんですけど、もうちょっと面白くしたいなと僕は思っていて、作曲家の方にも“メロディを主張させるように頑張ろう”とお願いしています。

もちろん、セリフとぶつかりまくってもよくないんですけど、“聴いた人が後で口ずさめるくらいには旋律を入れましょう”ということはよく言っています。

ちょっとでも主張してやれ!っていう気概が伝わってきます。音楽は脇役じゃない。

作曲はコピーも重要

dtm_musician

シンセ神、純之介教授のお言葉です。「作曲ってどうやって勉強したら良いのか?」という究極に素朴で、究極に聞きたい質問に答えてます。

どうなんでしょうね……僕も作曲をしていて、過去には劇伴を作っていた時代もあったのですが、何かを習った経験というのはないんです。ですから、独学でも勉強すれば作れるようにはなると思います。そして勉強すると同時に、“こういう音楽を作りたい”というイメージを強く持ってもらうとすごくいいのではないでしょうか。

例えば、“あの作品のあのBGMみたいなかっこいい曲を作りたい”とイメージしたら、その曲をまずは耳コピして鍵盤で弾いてみて、“あの和音はこうなっていたのか”と理解したり、“ここは自分だったら手癖でこうやっちゃうかも”と自分の傾向を確認したりして、コピーから習作を作ってみるといいかもしれません。

佐藤純之介氏が独学だっとは驚きです。独学諸氏はある意味、勇気を貰えますね。才能はもちろん、相当努力されたのでしょう。

コピーはめちゃくちゃ大事です。今、20代から30代くらいで活躍している優秀なアレンジャーの方の大半はカラオケの仕事を経験されているんですよ。カラオケの仕事で耳コピをしまくって、耳のセンスや練度を上げて、それを自分の作品のクオリティアップに生かしているんです。だから、すごくリアルな打ち込みができたり、ミックスの細かいところまで完ぺきにできたりするんですよね。

こういう経験は歌ものや劇伴問わず作曲に有効だと思います。耳コピもある程度やっていくとプロフェッショナルな領域に達するので、そこまでいったら作曲も自由自在にできるようになるんじゃないでしょうか。

耳コピしかできない・・・そんな考えは粗大ごみに出してしまいましょう。

「まねぶ(学ぶ)」「模倣は想像の母」、あとはピカソの名言「凡人は模倣し、天才は盗む」ですね。

さいごに

制作するときの考え方や心構え、判断基準、ノウハウ的な部分もあってとても勉強になります。

また、随所で使用機材についての言及も見られて「こんなプラグイン使ってるんだ!」という発見も。

プロになるには?という視点でも書かれているので、今から音楽の世界を目指す方には非常に有用ではないかと。

アニソンだけではなく「音楽のプロの現場がどういったものなのか知りたい」方にオススメできる本です。

ではでは。

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