中国のデベロッパー2nd Sense Audioのシンセ、Wiggleをレビューします。
GUIの印象から「難しそう」「キワモノ」と思っていませんか?…はい、予想通り完全にシンセマニア向けプラグインでございました。
なかなか骨太な音で音作りも深く、面白い機能を搭載しているので、普通のシンセでは物足りない豪気な方向けかも。
※この記事は2019年11月19日に投稿されたものに、加筆修正したものです。
Wiggle
4つのオペレーター(オシレーターではない)で構成されており、それぞれのオペレーターで独立したウェーブテーブル波形を動的なシェーピングを使用し、音作りを行うシンセ。
動的なシェーピングにより、どうしてもデジタル臭くなりがちなウェーブテーブルシンセに有機的な質感を付加するというのが大きな特徴です。
アナログシンセのゆらぎのように、同じノートを連続して弾いても音が変わります。
FM MATRIXで変態的音作り可能
オペレーター単機でも動きのある凝った音作りは可能ですが、極めつけは中央に配置されているFM MATRIX。
アルゴリズムがどう繋がっているとかが分からないので、直感的に触っていくしかないのかなと。
慣れもあるとは思いますが、偶発的に音を作り出す楽しさはあるかもしれません。
音について
音質は、全体的に密度が高く存在感があります。
どちらかというとアナログ寄りの温かみを感じる質感で、上にも書いた通りシェーピングがキモでしょうね。
モダンな音ではないが、ゴリゴリしたワブルベースなどには良さそう。
プリセットブラウザは矢印キーでポンポン切り替わっていく仕様で、シンプル簡単使いやすいです。
バージョンアップごとにどの音色が追加されたのか一目瞭然なのも◎。これは他のシンセにも取り入れて欲しい機能です。
サンプリング機能
これがめちゃくちゃ面白いんですけど、プラグイン上で録音したものをDAWにドラッグ&ドロップで貼り付けられます。
DAWだけではなく、デスクトップにもWAVファイルとして貼り付けられるんですよね。
普通はインポートですけど、エクスポートできるってのは逆の発想で素晴らしいw
Quarityも3種類(NORMAL×1、GOOD×2、HIGH×4)から選択可能。
CPU負荷について
音色にもよりますが、負荷は重い部類です。
音色によっては、鳴らした時の方が負荷が減るという謎の状態になるのもありました。
鳴らす前
鳴らした後
計測環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- Audio I/O・・・Solid State Logic SSL 2
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
よくできたシンセですがマニア向けです。
音自体は悪くないので、シンセ初心者の方はプリセット目当てなら良いと思いますが、つかいこなすまでには修練を要するので注意が必要。
自分の発想ではなく、直感的に偶発的パルプンテな音作りがしたい方向け。
腕に自信のある方どうぞw
ではでは。