FXpansionと言えばBFD!という方も多いと思いますが、どっこいシンセもめちゃくちゃ良いです。
特徴は次のとおり。
- ハードシンセ並みの質感
- プリセットに使える音が多い
- 80年代・90年代のシンセ好きにオススメ
- 負荷が高い
ハードウェアの質感を持つシンセと言えば、Diversionも候補にあがりますが、Diversionの質感をもう少しアナログに振ったような感じ(わかる人にはわかる
※この記事は2019年12月13日に投稿されたものに加筆修正しました。
FXpansion Cypher2
Cypher2の前身は「DCAM Synth Squad」というシンセサイザーの一部として初代Cypherが収録されていました。
現在「DCAM Synth Squad」はディスコンとなり、Strobe2と今回紹介するCypher2になっています。
3オシレーターでそれぞれにウェーブシェーピングを搭載。オシレーター単体でも自由度の高い音作りが可能。
Strobe2はアナログクラシックに特化したシンセで、Cypher2はもう少し現代的なシンセといったイメージです。
ハードシンセ並みの音質
音質は素晴らしいですね。超低域はそれほど得意としませんが、中域以上の鳴りがとても良いです。
密度、抜けの良さ、艶、全てが高品位かつ上品過ぎない感じ。デジタル過ぎずアナログ過ぎない絶妙な質感なのも特徴。
特にオーバーサンプリング8倍時は、全ての音色が瑞々しさに溢れており鳴らしているだけで心地よいんですよね。
後述しますが、負荷さえ緩和できればハードウェアと勝負できるクオリティだと感じました。
優秀なプリセット
とにかくプリセットが優秀。1,300種類用意されています。
どのように優秀かというと、使いやすい音色が多いのです。特に、シンセリード、ベース、ブラス、パッドは使える音色ばかり。
Roland JVシリーズなどのPCMハードシンセを使ってきた世代であればドストライクな音色ば多いですね。
懐古という事ではなく、一般的に使いやすい音色が多いということなので、サウンドデザイナーが一般的な感覚の持ち主だったのかなと。
負荷について
負荷は高めです。やはり品質の良いシンセは負荷が高いですね。
立ち上げた状態で既にこのくらい。
4音鳴らすとこれくらいになります。
オーバーサンプリング8倍で、4音鳴らすとこれくらい。
エフェクトも負荷が高い要因のひとつだったので、OFFだと多少緩和されます。
普段はデフォルト(オーバーサンプリング2倍)で十分だと思うので、書き出す時に8倍を使用するなどの工夫が必要ですね。
計測環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- Audio I/O・・・RME UCX
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
インターフェイスが使いづらい
決して使いやすいとは言えないですね。一つ一つはシンプルで、慣れればそれほどではないとは思いますが、最初はとっつきづらいと思います。
定番の手法ですが、まずは1,300種類あるプリセットから気に入った音色を加工していくのが良いかと。
もう一度書いておきますが、リード、ベース、ブラス、パッド、この辺を補強したいという方には向いているシンセです。
MPE対応
MIDI Polyphonic Expression(MPE)にも対応しているため、ROLIコントローラーが使用可能です。専用音色が500種類用意されています。
通常のMIDIコントローラーでは成し得ない、クリエイティブで多彩な表現が可能となります。従来のシンセの域を超えてますね。
ちなみにROLIを持っていなくても、5Dに切り替えることで、プリセットブラウザの下段部分の鍵盤色が黒に代わり、マウスなどで簡易ROLIコントローラーを味わえます。
さいごに
またひとつお気に入りのシンセが増えました。しかもかなり上位に食い込んだぞw
FXpansionはBFDだけでなく、シンセにも注目ですね。
ではでは。