2017年2月27日、SynthMaster Oneがリリースされました。
SynthMaster2.8の簡易版、音はそのままで弟分的な位置づけなのかなとも思ってましたが、そんな単純なものではなさそうです。
短時間ではありますが、ササっと触った印象では「SynthMaster2.8よりもEDM向け」で音抜けが良いように感じました。
簡単にレビューしたいと思います。
出音が違う
デフォのノコギリ波を鳴らした瞬間に「あ、違う」と感じたのでSpan Plusで比較してみました。
C1(ド)を鳴らした場合
C2(ド)を鳴らした場合
聴感上はSynthMaster Oneの方が「ハイが出て抜けが良い」という印象です。視覚的には60Hz以下と12000Hz以上はSynthMaster2.8の方が出てます。
EDM、キラキラ系の音を作るのにはSynthMaster Oneの方が向いてそうですね。こちらの記事でも書いたようにカキーンと抜ける音はOneの方が向いてそう。
Sylenth1やMassiveなどの対抗馬に成り得る操作性、音の質感だと感じました。
もちろん加工したり、波形を差し替えれば全く同じ音を出すことは可能かもしれません。ただ、デフォの出音、プリセットの質感は全体的に明るくなっているのは間違いないと思います。
操作性が向上しただけではない
SynthMaster Oneの目玉は「SynthMasterの音質を継承しつつ快適な操作性」だと思います。
しかし、波形もそうですが、性能的にも廉価版というわけではなく、SynthMaster2.8とは別物。以前の記事でも触れましたが、OSC1機で16音ユニゾン(2.8は最大8音)できたり、Serumなどと同じようにWAVファイルを元の波形の様に使用できるウェーブテーブル機能も搭載されています。
ウェーブテーブル波形は検索すれば死ぬほど出てきますから、ガンガンに取り込んでパワーアップさせて使うことができるのは嬉しい。
負荷も軽い
で、これも非常に重要ですが、負荷が軽くて安定してます。兄貴分の2.8と比較しても圧倒的です。追い込んで使っていくとそれなりになるのかもしれませんが、普通の使い方ならまず大丈夫です。気軽に、安心して使えるのも嬉しいですね。
非常にコスパ高い
高品質なシンセサイザーでSylenth1などの対抗馬になるということは先述のとおりですが、なんといっても価格が安い。ライバルと比較しても圧倒的です。
このあたりの価格設定はKV331のマーケティングの上手さを感じました。数年前なら1万円以上とれたと思いますが、今はもう市場がレッドオーシャンですからね。
SynthMaster One・・・8,919円($79)
Sylenth1・・・16,596円(€139)
Massive・・・18,800円
Spire・・・21,338円($189)
※為替レートは2017年3月1日現在
SynthMaster2.8ユーザーは$29でクロスグレード可能です。Everythingユーザーは無料。
さいごに
まだまだ使い込んでないので、あっさりした内容で言うのもアレですが、これは買いです。
シンセ初心者にもオススメ。安い、音良し、わかりやすい。3拍子揃ってます。
Sylenth1やMassiveキラーに成り得るポテンシャルを秘めていて、後発の強みで機能・質ともに高次元。
個人的にデザインがJP-8000っぽいなと思ってます。ちなみにスキンは数種類から変更可能。
今ふと思ったんだけどSynthMaster OneのGUIってちょっとだけJP-8000っぽい気がする。色とかツマミとか。少しだけど。 pic.twitter.com/PaglfR7aGq
— ゆにばす(シンセサイザー/ゲーム音楽) (@universe_ex) 2017年2月28日
SynthMaster3.0も楽しみですね。
ではでは。