ソフトシンセの音はどうしてもデジタル臭い、冷たい、細い、芯がない、埋もれる・・・orz
思ってる方、たくさんいる・・・でしょ?
そんな悩みを解消するプラグインをお探しの方にオススメしたいのが、Vertigo VSM-3です。
※この記事は2016年2月13日に公開されたものに、加筆修正を加えたものです。
Vertigo VSM-3
ハードウェアのVertigo VSM-2をbrainworxがソフトウェア化したのがVSM-3。
デジタルで冷たい音を、倍音を付加することにより豊かな温かみと艶のあるアナログなサウンドに昇華させてくれるハーモニックジェネレーターです。
音を太くしたい!抜けを良くしたい!って時にとりあえず使ってみて欲しいそんなプラグイン。
トラックでは幅広い音作り、バス・マスターではうっすら使用してアナログ質感の付加、といった具合です。
強めに使うとディストーション系のサウンドも作れますが、質の高いサチュレーターとして質感を加える(変える)使い方をする方が向いてます。
2次倍音、3次倍音をコントロール、比率も調整可能で、周波数帯別にフィルターをかけたり、M/Sモードでの倍音付加も可能。
付加倍音が何とも上品でデジタル臭くなく、質の高さを感じます。
VERTIGO VSM-2
実機です。カッコエエ・・・これ見ながらご飯食えそう。
見た目が最高過ぎw実機は100万超え。
VSM-2ハードウェアのインサート・セクションは“ THDミキサー”と“モニタリング ”という2台の新しいモジュールに置き換えられました。この点がプラグインエミュレーションをVSM-3と呼ぶことに決めた理由です。
デモ
シンセにもベースにも、とにかく使えるVSM-3ですが、ドラムに挿すのがお気に入りです。
エフェクトなし
2nd Harmonic ON
低音を強化し太さが出るように調整すると腰が据わるサウンドに。効果がわかりやすいように強めにかけてます。
2nd Harmonic & 3rd Harmonic ON
更に3次倍音を付加して抜けを良くしてみました。空気感が出てますね。
2ndと3rdを組み合わせることで、存在感のあるめちゃ良い感じになります。
アナライザーで視覚的に検証
VoxengoのSpan Plusを使って視覚的にも検証してみました。
VSM-3は2次倍音、3次倍音それぞれに付加する周波数帯域を、6段階で切り替えることができます。
- Low
- Mid
- HiMid
- Hi
- Full
- Track
Sylenth1のサイン波に、Drive、Level最大でかけてます。基の音は100HzのG(ソ)です。
色が変わっている波が基の波形。6段階のそれぞれの倍音の出かたを見てください。
2rd Harmonic 検証
2rd Harmonic Low
2rd Hrmonic Mid
2rd Hrmonic HiMid
2rd Hrmonic High
若干出力が減ってます。
発音したすぐは300~1200Hzあたりにアタック音が少々付加されていますが、減衰してこのような状態になります。Highの効果については後述します。
2rd Hrmonic Full
2rd Hrmonic Track
Highの効果が確認できなかったので鋸波で検証
2rd Hrmonic high (saw)
サイン波では効果がわからなかったので、鋸波にかけてみました。
400Hz~上と、8000Hz以上がグッと出てますね。
3rd Harmonic 検証
3rd Harmonic Low
3rd Harmonic Mid
3rd Harmonic Himid
3rd Harmonic High (saw)
サイン波の時と同じく変化がわかりづらかったので、鋸波にかけてます。2ndとのちがいは、100~600Hzにフィルターがかかって、カットされるため抜けの良さが変わってきますね。
3rd Harmonic Full
3rd Harmonic Track
以上のように、それぞれの倍音キャラクターを音色によって調整して付加します。その都度2次・3次倍音を組み合わせて、フィルターをかけることも可能。
追い込んで加工していくことで、同じ素材でも、音作りの幅がグンと広がることは間違いありません。
直感的に使えて、本格的に追い込むことも可能
大まかな操作を覚えれば、2次倍音で厚み・太さ・温かさ、3次倍音で空気感・抜けの良さという簡単な使い方でも音色をブラッシュアップできます。
マニアックにこだわって詰めていけば、いろんな角度から倍音を追い込めるので、完全に音色を生まれ変わらせることも可能。
トラックにも使えますが、バスやマスターでも活躍します。きめ細やかな調整ができるので、隠し味的な使い方も良いでしょう。
CPU負荷
負荷は気にならないレベルです。
Windows 64bit(Core i7 3.2G)、メモリ32GB環境での計測。
さいごに
デジタル臭さを消すことができて、かなり詰めた音作りができるし、コントロールがしやすいのも良いです。
かけ過ぎるとさすがに不快なバリバリ系になってしまいますが、多少大胆な使い方しても、音がしっかり変化して、腰のあるサウンドに昇華する部分が特徴。
個人的には黄色い見た目が大好きです。
ではでは。