アメリカのデベロッパー「Goodhertz」をご紹介します。
見た目はモダンですが、とてもアナログ感、温かみがあるプラグインです。
「わしゃビンテージっぽいGUIしか使わんのだ!」なんて言って見た目だけ判断すると損するかもしれませんよ。
※この記事は2017年8月25日に投稿されたものに、加筆修正をしたものです。
Goodhertzとは
Goodhertz社とは?
2014年に設立されたアメリカのカリフォルニアのオーディオソフトウェア開発社です。 “Simple Interfaces&Good Audio”をモットーにプロデューサー/エンジニア/ミュージシャン皆に愛されることができるプラグインを製作しています。 既存のハードウェアの良さを意識しつつ、あえてシンプルに使い勝手を優先したプラグインデザインが特徴です。
出典:beatcloud
とてもモダンで可愛らしいGUIについては、あえてハードウェアを模したものにはせず、シンプルポップにしているとのこと。
音の方向性は、60〜70年代を彷彿させるサウンドで、温かみがあって柔らかいサウンドです。
クリアなモダンとは対極ですが、ファンク、AOR好きならハマる音ではないかと。
操作性はわかりやすく、直感操作できるのが非常にグッド。
エフェクターをよく知らない人にもすぐに使えるようになるんじゃないか、と思えるほどシンプルです。
特徴
Goodhertzのプラグインの特徴をとりあえずまとめてみます。
- 各パラメーターが数値表記されていて、見やすく、理解しやすい
- 波形表示があるので、パラメーターがどういう働きをしているのかわかる
- 最大値にしても破綻しない音作りに留めてあるので思い切って使える
- 挙動が非常になめらか
- CPU負荷は普通(一度にたくさん立ち上げると不安定になる)
- 直感的に使える。ほぼマニュアル不要
- 簡単に温かみあるサウンドが実現できる
ビンテージサウンドは好きだけど、ハードウェアチックなGUIが好き!という方は、ポップな見た目に馴染めないと感じるかもしれませんが、触ってみるとシンプルで視認性が良いく音も気持ちが良いので、使ってみたら印象変わった、という人いそう(僕がそうでした)。
エフェクターの数値は、知識がないとなかなか働きが理解できなかったりしますが、例えば0~100%などの誰にでもわかりやすい数値が使われていたりするのが好印象。
見た目のシンプルポップさと、出音のアナログ感のギャップがすごくて、余計にアナログ感を感じてしまうのかもしれません。
Wow Control
テープエミュの「Wow Control」。様々な効果を表現できる面白いエフェクトです。
色付け目的で、ANALOGの[Color]と[Saturate]を上げると、心地よい倍音が加わって、ほどよく重心が下がり、音に厚みが出ます。
こういうサウンドが好き!と思えた方はGoodhertzおすすめできます。
このDean Dawnが収録されたアルバムThe Beautiful Gameのほとんどの曲で「Wow Control」が使われているとのこと。
Vulf Compressor
このコンプが業界のサウンドメイキングの流れを変えないのなら、私たちは売ったりお勧めしたりしない、それくらいの信念を持っています。~Vulfpeckリーダー Jack Stratton~
この意気込みが素晴らしいですね。
これくらいの気持ちで作られたコンプなのですよ。でも確かに個性的でいい音がします。ドラムトラックにVulf Compressor→Wow Controlと挿せば、気分はもうVulfpeckです。
Faraday Limiter
現代のピークリミッターは無色透明なものがほとんどで、デジタルリミッターに過度な入力をしてもノイジーに歪んでしまうだけのものありますよね。
そんなつまらないリミッターばっかりだから、超気持ちいい味付けをする個性のあるリミッターを作ってやろうじゃないの!というコンセプトから、アナログ機器のトランス回路をエミュレートしているのとのこと。
スレッショルド(THRESH)を下げていくと、スカッとした抜けの良いサウンドになります。めちゃ気持ちいい。
VIBEの部分、[Color]と[Warm]でスカッとし過ぎたサウンドに温かみを加えることができるわけです。
Faraday Limiterだけでもアナログ音作りはできるのですが、先述のWow Ctrol、Vulf Compressorと組み合わせると、良い感じでサチュが積み重なるのでどんどん気持ちよくなっていきます。
さいごに
万人におすすめなプラグインではないと思いますが、使い方次第では柔らかで温かみのあるアナログ感を加えるプラグインとしても様々なシーンで活躍しそうです。
主に色付けや音作りに注目してきましたが、フィルター系のプラグインも挙動が非常に滑らかで自然です。
こういう音が欲しかった!って方は、Goodhertzでショートカットしましょう。
ではでは。