正統進化。
2019年にリリースされた新しいプラグインですが、ユーザーの意見を多く取り入れてユーザーの意見をしっかり取り入れた上で、初代の不満な部分を払拭するパワーアップを遂げました。
Signum Audioはスコットランドのエディンバラを拠点とするオーディオソフトウェア開発会社で、最新の技術を改良し、信じられないほどユーザーフレンドリーなソリューションと優れた音質を提供する最先端のオーディオツールを制作しています。
※この記事は2020年7月21日に投稿されたものに、加筆修正しました。
BUTE Limiter 2
バージョン2になり、アルゴリズムが更に改良され、極端な設定でより優れたパフォーマンスを発揮できるようになっています。
最も大きな変更点としては、操作性の向上。
Pre GainやThreshold、Releaseなどのパラメーターが中央下部に独立してグラフィカルに表示され、操作性・視認性共に向上しました。
操作性において、バージョン1で不満に思っていた方も多いと思うのでこれは嬉しいですね。
さらにオートモード付きのPost Gain(リミッターされたあとの音量調整)も搭載されたのでより使いやすくなっています。
高度なアダプティブオートリリース機能
オーディオ入力を分析し、リリース時間を動的に適応させることで最適なリリースが計算されます。
オートリリース自体は珍しい機能ではありませんが、BUTE Limiter 2はあらゆる素材を極めて自然に処理してくれるところがポイント。
低域のレスポンスも改善されているのとのことで、よりスムーズで透明感のあるリミッティングを実現します。
なお、リリースカーブはバージョン1と同様に5種類から選択可能です。
- Linear
- Natural
- Transparent
- Smooth
- Pumping
個人的には、Naturalが気に入っています。
音について
それほど大きくは変化していないのかなと感じますが、より自然に、透明になったように感じました。
上記のアダプティブオートリリースや、アルゴリズムの改善が効いているのかもしれません。
バージョン1のレビュー時にも書いたとおり、ダイナミクスのある素材(ピアノや打楽器)の処理において、ピークを止めつつ色は付けたくない場合に手が伸びるプラグインですね。
ガッツリ潰すというよりも、ピークが飛び出ないように使うのが効果高いように感じます。
CPU負荷
CPU負荷は軽いです。
計測環境は以下のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 11
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
- ビット解像度・・・24bit
- オーディオインターフェイス:RME FireFace UCX
さいごに
変化が少ないリミッターをお探しの方は是非お試しを。
マスター段はもちろん、負荷が軽いので、飛び出る可能性があるトラックに保険としても使えます。
軽くシンプルで、視認性に優れているため、音声メディア製作者などにもオススメできますね。
ではでは。