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ヘッドホンの名匠が開拓する新境地。
今回ご紹介するのは、Grell Audioの開放型ヘッドホン「OAE2」です。
Grell Audioとは、オーディオファンやDTMerなら一度は耳にしたことがあるであろうヘッドホンの金字塔、Sennheiser「HD 600」「HD 650」、そしてハイエンドモデルの「HD 800」を手掛けた伝説のチーフエンジニア、Axel Grell(アクセル・グレル)氏が設立したブランドです。
本機の最大の特徴は、DSPなどのデジタル処理に一切頼らず、トランスデューサー(ドライバー)の物理的な配置によって、まるで正面のスピーカーから聴いているかのような音場を作り出す独自技術の「FSFM(フロントサイド・サウンドフィールド・モジュレーション)」。
オーディオ史に名を残す名匠が、長年培った技術を詰め込んだ最新開放型ヘッドホンOAE2。
その音場表現や音質、装着感から制作用途での実用性まで、検証・レビューしていきます。
提供:株式会社アユート
Grell Audio OAE2とは
OAE2は「レコーディングスタジオに身を置いているかのようなリスニング体験」をテーマに設計された、FSFMテクノロジー搭載のヘッドホンです。
一般的なヘッドホンのように、耳の真横でダイレクトに鳴る音ではなく、スタジオのモニタースピーカーで聴いているような音が自然に耳へ届くような、開放的で立体的な音響空間を物理アプローチによって再現。
長年プレミアムヘッドホン市場を牽引してきたAxel Grell氏の集大成として、リスナーの没入感はもちろん、プロフェッショナルのシビアなモニター環境にも耐えうる製品です。
Axel Grellについて
Grell Audio(グレル・オーディオ)は、業界有数の独ヘッドホンメーカーにおけるチーフエンジニアとして業界のベンチマークともなる数々の革新的なヘッドホンを開発し続けてきたAxel Grell氏が、2023年にドイツで設立した自身のオーディオブランドです。
Axelの設計哲学である「可能な限り自然で正確なサウンドの実現」を体現するべく、徹底的なテストと改良を重ねることを信条とし、リスニング体験を損なう歪みや色付けを排除することに注力しています。Axelが独自に開発した「フロントサイド・サウンドフィールド・モジュレーション(FSFM)」を搭載し、革新的な音響コンセプトと卓越した製造品質を備えたGrellヘッドホンは、その音質、耐久性、そして快適さで、オーディオ愛好家やプロフェッショナルの双方から支持されています。
Axel Grell氏は、Sennheiserのプレミアムヘッドホンシリーズである「HD 600」「HD 650」「HD 800」といった、業界を代表するヘッドホンとして君臨する製品を開発するチームの中心人物だったことで知られています。
その後、企業向けのヘッドホン開発企業の立ち上げを経て、2023年に自身のブランドGrell Audioの設立に至りました。
FSFM(フロントサイド・サウンドフィールド・モジュレーション・テクノロジー)とは?
FSFMは、Axel Grell氏が独自に開発したテクノロジーで、中音域および高音域の微細なニュアンスが、自然かつ詳細な明瞭さで聴き取れるようになるとのこと。
一般的なヘッドホンは、トランスデューサー(ドライバーユニット)が真横にあり、耳のすぐ横から音が届きますよね。
一方で、FSFMのコンセプトは、イヤーカップの斜め前にトランスデューサーを配置することで、まるでスピーカーを正面から聴いているかのような音波の届き方を実現しています。
DSPなどのデジタル処理に頼らず、耳の構造から考えた物理的な構造でこれを実現している技術力は、長年サウンドデザインの経験を培ってきたAxel Grell氏ならでは。
機能や特徴
それでは開封していきます。
箱のデザインはスッキリしていながらも存在感あります。
軽量ですが、ヘッドホンの型に合わせたホールド感の高い専用ケースです。
ごめん、ニッコリ笑っているように見えます…w
ケーブルは、ケブラー補強入りの約1.8m銀メッキOFC銅4芯で、プラグは3.5mmと4.4mmの2種類が付属しています。
ケーブルは、左右どちらでも接続可能で、別売りにはなりますが、両側接続のケーブルも使用可能。※後日発売予定とのこと
ハウジング部分は、ドイツ製精密ステンレスメッシュ製で非常にスタイリッシュで高級感が漂います。
デザイン性だけでなく、メッシュは音響インピーダンスを正確に定義し、低音と高音の優れたバランスを提供しているとのこと。
シンプルながらもスタイリッシュなデザインが好印象。
わりと個性的ですが、丸くて可愛いらしさも感じますね。
重量は378gと軽い部類ではありませんが、フィット感が良いためか特に気になりませんでした。
斜め前にトランスデューサーがもっこりしているのが見えます。
また、デザイン性重視なのか一目でLRが分からないヘッドホンが多い昨今ですが、OAE2はLとRが一目瞭然なのは素晴らしい。装着すれば見えない部分に表記してあるのも良いですね。
右側には「OAE2」、左側には「grell」の文字が入った丸型のプレートを装着。
Grell AudioOAE2の音質は?
サウンドについて評価していきます。筆者はこれまでに、制作用途としては10数台ほど数千円〜十万円台まで様々な価格帯の製品を使用してきました。
各項目、★5つで満点とします。☆は0.5点です。
※OAE2ケーブル(3.5mm)接続時
- 高域音質・・・・★★★★☆
- 中域音質・・・・★★★★★
- 低域音質・・・・★★★★
- 解像度・・・・・★★★★
- 音場の広さ・・・★★★★★
- 音の艶・・・★★★★☆
- モニター・・・★★★★☆
- リスニング・・・★★★★☆
- 本体の高級感・・★★★★☆
※あくまで筆者の手持ちのヘッドフォンと、今まで使用した製品との相対的評価です。今後使用していく過程で変化する可能性はありますので参考程度にとどめてください。
肝心のサウンドですが、持っているヘッドホンと聴き比べしつつ検証しました。
低域
開放型はどうしても低域が物足りない機種が多いので気になっていましたが、しっかり出てます。
さすがに密閉型の迫力には及ばないものの、スッキリしつつも確かな低域を捉えることができました。
中域
とても見渡しが良く、楽器一つ一つの表情がクッキリ見えます。
音数が多いソースも、難なく鳴らし分けてくれるので分析リスニングにはピッタリ。
周波数特性で言えば、中域の素晴らしさがOAE2の最も好きな部分ですね。
悪いことではないのですが、少し見え過ぎる感はあるので、ミックスは慣れが必要かもしれません。
高域
高域も上品で良いです。
ほどほどに艶があり、ナチュラルで伸び良く気持ち良い。
刺さる感じも少ないので、長時間使用での聴き疲れもあまりないですね。
FSFM、その他特徴
OAE2最大の特徴であるFSFM、斜め前にトランデューサーが搭載されているおかげで、良い意味でヘッドホンで聴いている感が少ないです。
特に音が中央/左右に広がっているようなソースでは、それが顕著でした。
めちゃくちゃ前から聴こえる!という感じではないのですが、OAE2と他のヘッドホンを聴き比べると、しっかり違いを感じることができます。
開放型の特徴である音場の広さとの相乗効果により、とても聴き心地の良い空間が浮かび上がり、ボーカルやそれぞれの楽器が立体的に描かれるサウンドは、味わったことのない新たな体験でした。
ミックスにおいての、横方向/前後の音配置の調整もやりやすいと思います。
あとは、開放型ということもあるかとは思いますが、インピーダンス38Ωにしては、少し鳴らすパワーが必要なのかなと感じました。
装着感
ぼくは頭が大きめなので、最大にしてもヘッドバンドの当たりが少しキツかった。頭のサイズが大きい人は気をつけた方が良いかもしれません。
長時間付けていると頭頂部の圧迫が少々気になりましたが、小顔の人は関係ないかも…w
欲を言えば、もう少しスライダーの調整幅があれば嬉しかったなぁと。
とはいえ、頭頂部に接触するヘッドバンドは弾力強めではあるものの、ベロア素材でフィット感は良いです。
なお、イヤーパッドもベロアですが、こちらはフワフワ系でとても気持ちがいい。
即圧感は少々強めですが、柔らかベロアのおかげか気にはなりませんでした。
総合的には短時間ではそこまで気にならないが、長時間使用は少々疲れが出るかも、といった感じです。
さいごに
OAE2は、こんな人に特にオススメです。
- 頭内定位が苦手で、スピーカーのような自然な音場で聴きたい
- 音数の多い楽曲のミックス、中域をクッキリと確認・分析したい
- リスニングの没入感と、ミックスの正確なモニター環境を一台で両立させたい
- HD 600/650/800などの名機が好きで、Axel Grell氏のファン
個人的には開放型ヘッドホンが好きなので、OAE2のコンセプトであるスピーカーライクなナチュラルな鳴りがとても気に入りました。
Grell Audioの今後の展開にも注目です。
ではでは。
