マスタリングEQの大定番、bx_digital V3のレビューです。
チートと言えるほど便利な「マスタリングが楽しくなるEQ」で、機能は豊富ですが直感操作ができるため、ある程度使い方をマスターすれば、短時間で良い結果を導けるEQではないかなと。
手早くいい感じになってくれるのでとても気に入ってます。
※この記事は2017年5月30日に投稿されたものに、加筆修正したものです。
Brainworx bx_digital V3
主にマスタリング/ミックスバス段で使用する多機能EQです。
EQ以外にもマスタリングをブラッシュアップする非常に便利な機能が満載。(後述します)
そしてこの精悍なルックス。
GUIの良し悪しで使うプラグインを決めがちなミーハーなぼくですが、その中でもピカイチですね。
ツマミの数は多いものの直感的で使いやすいため、EQの知識がある方は一回使えば覚えてしまえるほど。
同社のアナログEQをモデリングしたプラグイン版で、bx_digitalはV3ってことで第3世代です。機能を追加・改良しながら進化しています。
実機はこちら。
マスタリング用に加えて、モノ仕様のトラック版もついてきます。お得感ありますね。
直感的なイコライジングができる
bx_digital V3の真骨頂は、なんといっても「短時間で適切な処理を行える」ことに尽きると思います。
バンド周波数ツマミを動かすと自動的にゲインが持ち上がり、ピークを探すピーキング設定になってくれますので(ボタンを離すと戻る)、ツマミをドラッグして動かすだけで削るべき部分を見つけてカットする工程を非常に効率よく行えます。
M/SモードでのEQする際、ツマミを操作している間は「M(Mid)のみ」もしくは「S(Side)のみ」しか音が鳴らないソロ仕様(ON/OFF可能)なので、あとは聴覚を頼りにイコライジングに集中できるという、なんともクリエイティビティな機能であります。
新しめのEQに搭載されがちのアナライザーは非搭載ですが、それを差っ引いても気にならないほどの操作感、性能です。
自然な音質
不自然な感じになりにくく、大胆にカットしても極端に痩せたりしません。
ブーストにおいて、有機的な響きが欲しい場合は、他のマスタリングクラスEQを使った方が良いかもしれませんが、クリアに持ち上げたい場合は活躍しそうです。
実践的機能が豊富
先述したとおり、EQ機能以外にも実用的で、かゆいところに手が届く機能が搭載されています。
Stereo Width
左右の広がりを増します。やり過ぎない限りは違和感なく良い感じにステレオ感が出ます。
Mono Maker
指定した周波数帯以下をモノラルにします。Stereo Wideと併用して、低域だけは広げないという設定がカンタンにできます。ボワボワ防止。
Dynamic EQ
指定した周波数帯に、設定以上のレベルが入った際にダイナミクスを減衰、または増幅させる。
他にもツマミひとつでEQカーブを生み出してくれるBass ShiftやPresence Shiftなどが搭載されています。
本当に多機能で、どれもが実戦向きで便利です。
適当にミックスしてマスターである程度カタチにしてくれる時短プラグイン。
負荷も非常に軽く環境を選ばず活躍してくれるでしょう。
さいごに
第3世代まで進化しているだけあって、音質、機能、使いやすさが洗練されています。
マスタリングEQをお探しの方、一度試されてはどうでしょうか。
ではでは。
Brainworx bx_digital V3の詳細はこちら