聴かなきゃよかった・・・
A7Xに引き続き、ADAM AUDIOさん(@ADAM_SonicAgcy)よりS2Vをお借りしたのでレビューします。
はじめに書いておきますが、今まで聴いてきたモニタースピーカーとは一線を画すレベル。
知らない方が良かったのではないか、と思う感動がありました。
ADAMのフラッグシップは伊達じゃなかった!
ADAM Audio S2V
S2VはADAM AudioのフラッグシップであるSシリーズに属しています。
Sシリーズは2017年にリニューアルされたばかりです。最新の技術で磨き上げられた、現代音楽のあらゆるニーズに応えるハイエンド・モニタースピーカーという位置付け。
S2Vは、Sシリーズの中で最も小さいモデルですが、350WのD級アンプがウーファーを、100WのAB級アンプがS-ARTツイーターを駆動し、そして最大SPLはペアで120dBにも及ぶ非常にパワフルなニアフィールドモニターです。
音について
聴き慣れた音源を聴いて感動するってことがあるんだなと。
今まで使ったモニタースピーカーの中では最も感動が強く、とにかく良い音です。
スピード感があり、低域から高域まで同じタイミングで耳に届く、体に響く、音の塊が迫ってくるイメージ。
高域の抜けが素晴らしく良いのにも関わらず、耳に刺さらない心地よさがあります。金管楽器やライドシンバルなどの金物系は輝きすら感じるほど。
定位や奥行き、各楽器の細かな表現、音楽的な艶、立体感など、情報量がハンパないです。
今まで以上に、楽曲制作者の意図を汲み取る事ができます。手持ちの音源(CDなど)を全て聴き返したくなりましたw
ローもえげつないくらい出るので、今まで感じたことがない低域を鳴らす楽曲もあったりして、現代の音楽制作で重要視されている超低域もS2Vであれば見えます。
フラットに鳴っており、定位や奥行きの表現も素晴らしいです。音場も広い。迫力があって聴いてて心地よいんですよね。
モニター向けとリスニング向けは別次元になりがちですが、S2Vは超絶高い次元で達成してます。高級モニタースピーカーとはこういうことか、と納得。
DSP
背面にツマミがついており、プリセットの切り替えを行うことが可能です。
- PURE
- UNR
- USERプリセット×2
「Pure」はきわめて精確なADAM Audioの工場出荷時設定の応答特性です。「UNR」[Uniform Natural Response™] と称する2つ目のプリセットは、ADAM Audio独自
の設計による、ダイナミックで自然なサウンドを提供する応答曲線です。
PUREは自然な感じですが、UNRは少々派手になり迫力が出る。
また、UCB接続で専用ソフトを使用すると、PCから操作を行うこともできます。
入力切替、ボリューム、ディレイ(発音タイミング)、プリセットの切り替えに加えて、ロー/ハイシェルフEQ含む8機のイコライザーを搭載。
環境に応じてかなり細かく追い込むことが可能です。
高級感
全体的に高級感があります。
背面はメタルの質感でめちゃくちゃイイ感じ。
ボディもずっしり重いし、写真で見るより実物の方がゴツくてカッコイイです。重要ですよね。
S2VとFOCAL SHAPE 65の比較
配線がカオスw
DMSD(インシュレーター)の影響がるので、入れ替えつつ聴き比べ。様々なジャンルの曲、ソフト音源を比較してみました。
価格帯というか、ランクが違うので比較するのが難しいレベルですね。キャラは違うものの、S2Vの存在感が圧倒しています。
A7Xとの比較で、高域成分が苦手な方はShapeという選択肢もあると思いましたが、S2Vはその部分を克服しているのでこれといった弱点が見当たりません。
どうしてもShapeが劣勢に感じてしまいますが、高級機と比較することで改めて良い部分も見えてきます。中域の音数が多い所を上手く整理して鳴らすのが本当に上手いなと。
音の切れ際もしっかり聴こえるんですよね。この部分はShapeの方なのかな、と思うほどです。キャラかなとも思いますが、聴いてて心地よいです。
聴き比べしてて思ったんだけど、Shapeの音の切際がよく聴こえるのって3000〜4000Hzあたりが他と比べて持ち上がってるせいなのかなと感じた。やっぱ蒲鉾的な音な気がする。性能と言うよりスピーカーの性質なのかな。※あくまで個人の感想です。
— ゆにばす(シンセサイザー/ゲーム音楽) (@universe_ex) January 10, 2020
他のFocal製品、ハイエンド機の音を聴いたわけではないので何とも言えませんが、メーカーに同じような特性がある、キャラクターがあると仮定した場合、Focalは中域が豊かなアコースティック系に向いており、ADAMはEDMやロックなど低域と高域を重視する音楽に向いている傾向があるのかなと感じました。
さいごに
デモ機を試す時は欲しくなるのを覚悟しましょう。それくらいの衝撃です。
低域がここまでしっかり見えるのは大きなアドバンテージ。低域を上手にコントロールすることで楽曲クオリティは飛躍的にアップするので、投資の意味でもS2Vは価格に見合う性能。
ただ、とてつもないパワーなのでインシュレーターはもちろん、キャリブレーションをしっかりやることが重要ですね。
とにかく、理屈抜きに素晴らしい。
現在のところ、ゆにばすの人生史上最高に良い音のスピーカーです。