寒い日が続きますがDTMerの皆さんいかがお過ごしでしょうか。
うちは制作部屋のエアコンがぶっ壊れましてクソ寒いです。風邪をひいては大好きな音楽制作もままならないですから、とりあえず厚着して頑張ってますよ。
健康には留意しましょうね。長生きしてクソ爺になってもDTMやってやるぜ。
この本読みましたか?長生きしたい人は必読。小難しい話はあまり出てこないので読みやすいです。
堀江さん、予防医療普及協会なんて立ち上げてたんですな。知りませんでした。
さて、前回の記事で、FG-Xでクリアに音圧上げるのはRMS-10dB前後が望ましい、ということがわかりました。
では、-10dBよりも音圧を上げたい場合、他のリミッターを使用する方が良いのでは?ってことで、手持ちのプラグインリミッターの性能比較をやってみようと思います。
この検証は、自身が楽曲作成時に目的に応じて、プラグインを使い分けるためにやっておきたいことでもあります。それから、リミッターを購入する方への参考になれば嬉しいなと。
毎度ですが、詳しい方のツッコミお待ちしております。
RMSレベルの検証
ざっくり書きますと、Sylenth1でサイン波(C3「ド」)を単音で鳴らし、リミッターで音圧を上げていきます。アナライザーで波形を観察し、倍音が発生した時点がそのリミッターの「クリアに音圧を上げられる限界」と仮定します。
それ以上は音質の変化が起こりますので、倍音と相談しながら音圧を上げることになると。
次の7つのプラグインを検証しました。
・WAVES L1
・WAVES L2
・WAVES L3
・WAVES L3-LL
・brainworx bx_limitter
・brainworx bx_xl V2
・BozDigital The Wall
FG-Xは-9.5dBほどで倍音発生となりましたが、どのプラグインが一番音圧上げられるんだろうか?と楽しみでしたが、結果的には予想外なものとなりました。
すべて限界は-3.0dB
これって常識なんでしょうか・・・知らなかったんですが。 他のプラグインもそうなのかな?プラグイン業界には音圧カルテルでもあるんすか?(んなわけないやろ
って言ってたら、kokoさん(@tabunkoko)より教えて頂きました。
ピークが0dbFSのサイン波のRMS値は-3.0dBFSになりますよ(AES-17基準だと0dbFS RMS) 。ってことでリダクションする前は普通のゲイン上げと変わらないと思われ。そう考えるとFG-Xって異端だな〜 https://t.co/VbisgSH0DN
— koko (@tabunkoko) 2017年1月17日
なるほど、勉強になります。感謝!
念の為、この検証はサイン波1音(C3「ド」)での比較です。異なる周波数帯域、音数の多い2mixを入れた場合など、効果はソースによって変わりますので適宜見極めが必要です。
この検証方法ではRMSの限界値が同じだったので、それぞれプラグインの個性が区別できませんでした。
じゃあ、FG-X以外はどれも同じか?というと、もちろんそんなはずはありません。限界を超えたところで倍音が発生し、その味付けには個性があります。
そこで、簡易的ではありますが、別な方法でそれぞれの個性を見ていくことにします。
倍音などの色付けを検証
サイン波1音だと個性が分かりづらいので、Lシリーズの比較時にも用いた方法になります。
Sylenth1のMAIN VOLUMEを最大、MIX Aはデフォルトの5。各プラグインのGAINを6.5入れた状態。RMSは-4.1dB前後となっています。
RMSの数値が極端で、実用的とは言えないかもしれませんが効果をわかりやすくするためですのでご了承ください。 あくまでプラグインのキャラを見ていきます。
入力されるデータによって色付きも変化しますが、おおよそのキャラクターの違いは出てるかと。
bx_Limitterとbx_XL V2の比較
もともとXL V2を所有していて、高音がキツイなーなんて思っていたんですよね。最近、bx_LimitterをデモってみたらXLよりクリアな気がしたので、買ったんですが耳は正しかったかもしれない。
XL V2特有のクセとして、中低域はそれほどでもないのですが、一定の高域周波数帯にレベルが入るとハイの色付けが劇的に変化します。
なので、XL V2を使うときは前段階でハイを抑え目にするとクリアに音圧が上げらる可能性がありますね。
これが「XL V2ってシャカシャカするなー」と誤った評価していた要因かもしれない。これは思わぬ収穫でした。
bx_limitterはクリアですが、音に密度が増して太くなる感じです。
※ご指摘を頂きまして、bx_XL V2はマルチリミッターのため、単純に比較は出来ないとのこと。あくまで参考程度にとどめてください。
L3-LL UltramaximizerとTheWall(Smooth)の比較
The Wallの比較
色付けの方向性は同じようですが、Aggressiveはすんごい味付け濃いですね。アグレッシブだわー。
Smoothで物足りない場合にガツンと効果があるかかり方をしてくれます。
FG-Xも検証
FG-Xも見ていきましょう。
RMS-4.1dB前後ですからFG-Xの推奨(-10dB前後)を軽く超えてます。よって、色付けされまくってます。凄いことになってます。ここまで大きいレベルを入れないにしても、音圧マシマシにしようと思うとそりゃ歪みますわな。これではダメです。
正しくレベルを入れて-10dBで留めた場合
くどいようですが、FG-XはRMS-10dB前後推奨なので、色づけがない高い音圧上げには向いていないってことです。他とは全く特性が違うんですよね。
くれぐれも「FG-X=限界が低い」ではなく、色付けありきのマキシマイザー(リミッター)ってことで。
他のリミッターと比較しても、多機能すぎるので同じものとは考えない方が良いですね。コンプもついてるし。
さいごに
今回は、あくまで倍音付加のみにフォーカスを当てていますが、倍音付加はなくともなんとなく音が濁っていたり、アナライザーでは分からない変化や歪みがある可能性はあるので、最終的に「聴感上どう変化しているのか?」が重要です。
新しいプラグインを手に入れた時は、自身でじっくり検証してみて特性を掴むことが、遠回りの様で近道だと思います。
しかも遠回りの過程で、思いもよらない副産物も手に入ることが多いんだなーと(良いこと言った
あとは勉強して、実戦ですね。
ではでは。