ゼータ2と読むってのだけでも覚えて帰ってくださいね。
初代「Z3TA+」がリリースされてからもう15年くらい経過している歴史の古いシンセです。
古参のDTMerは知っている方も多いと思いますが、今となってはフリーウェアになったDAW「Sonar」(現:BandLab)にバンドルされていたソフトでした。
数年前までWindows専用だったこともあって、Macユーザーの方は使う機会が無かったかもしれません。
名前からして少々とっつきにくい部分もありますが、出音はクセがなく素直で非常に良いです。
※この記事は、2016年10月21日に投稿されたものに加筆修正したものです。
Z3TA+2
6OSCにウェーブシェーピング搭載
Z3TA+2は6オシレーター仕様なので、それだけでも多彩な音作りが可能ですが、真骨頂は代名詞とも言えるウェーブシェーピングです。
最近のシンセでは珍しくない機能ですが、当時はこれだけでも十分特徴となる機能でした。
16種類の加工方法があり、それぞれを組み合わせられるのでほぼ無限に近い種類の波形を生成できます。
余談ですが、個人的にウェーブシェーピングと言えばKorg 01/W。
PCM波形をシェーピングできるという当時としては斬新な発想でしたが、ノイジーになることが多く音作りの幅は狭いものの、PCMだけでは得られない音作りが可能でした。
多彩なモジュレーションマトリクス
フィルター2機、エンベロープジェネレーター6機、LFO6機をモジュレーションマトリクスで制御します。
ウェーブシェーピングによる自由な波形加工と、その他の機能をモジュレーションマトリクスでまとめあげるのがZ3TA+2の音作りの骨子。
それらを複雑に絡ませることによって、動き・表情のある音色作成が可能なんですよね。
シンセに慣れていないと少々難しく感じるかもですが、操作が割とシンプルなのである程度組み方さえ分かれば、直感操作で面白い音が出せるでしょう。
シンプルで効きが良いエフェクター
エフェクターの効きも良く、質も良い。
オシレーター1機、エンベロープ、フィルターで作った音を、エフェクターで仕上げるだけでもそれなりに良い音が作れます。
5種類のディストーションがやけにシンセに馴染むため、歪んだリードサウンドや、音を立たせたい時にうっすらかけたりするとバツグンの威力を発揮。
視認性の良いGUI
パッと見た感じにとっつきにくそうな感じも受けますが、使ってみると全然そんなことはありません。
シンセエディットのページとエフェクターページの2つに分けられており、機能別に仕切られているので、なんとなく触っていれば使い方は自然と覚えていけるはずです。
プリセットでイメージに近い音色を選んで、各セクションがどういった設定になっているのか眺めていると、音作りの基本が見えてくるのかなと。
音について
クリアで高音質、全体的に明るめで、シンセリードやアルペジオなどウワモノにオススメ。
程よくデジタルな音なので気持ち良い音です。
重厚な音というよりは、Sylenth1より少し太く、MASSIVEより細いといった感じ。
古いシンセということもあって少々音が古いと感じる部分もありますが、このころのソフトシンセならではの扱いやすい音です。ここは好みが別れるかもしれません。
クリアなSuperSaw的な音も得意ですが、特に矩形波がすごくキレイで◎。
耳コピしたものを参考に。AメロのシンセリードでZ3TA+2を使用してます。
負荷について
負荷は軽い方だとは思いますが、CPU負荷はMASSIVEよりも少し高いです。
4音鳴らすとこれくらいです。
オーバーサンプリングが細かく設定可能で、最大の2.0だとこれくらい。
音質は落ちますが、0.5だとこれくらいです。
立ち上げる時のスピードなど体感的にはMASSIVEよりも早いです。動作も安定してます。
さいごに
最新のシンセの音とは言えませんが、硬すぎず柔らかすぎない程よい質感が好きです。
マニアックな音作りもできますが、GUIがわかりやすいので使いやすい。そんなにシンセに詳しくない人にも扱えると思います。
プリセットもたくさんありますので、最初は目的の音に近いものを選んで、エディットして使ったり、どのような設定になっているかを研究すると覚えていけるのかなと。
Sylenth1やMASSIVEにピンと来ないって人は一度デモってみては?好みが合えば気に入る可能性も。
ではでは。