独特のリバーブ感や、テープの温かみ、アナログレコードのプチプチしたノイズなど、いかにもなレトロサウンドの質感が欲しい時ってありますよね?
60~90年代までの考え得るレトロサウンドの質感を、瞬時に実現してくれるプラグインが今回紹介するFINISHERシリーズの最新作「RETRO」です。
レトロな質感を忠実に表現するには、ヴィンテージ系のシンセサイザーやエフェクターをただ使えばよいというものではなく、時代のトレンドを抑えた音作りがキモ。
今回のFINISHERシリーズも他のものと同様、シンプル簡単に結果を出してくれるプラグインに仕上がっています。
FINISHER RETRO
レトロサウンドを素早く忠実に再現するため、UJAMの精鋭サウンドデザイナーたちが当時の機材やサウンドを徹底研究し、カスタムデザインしたプラグイン。
レトロサウンドを構築する場合、ヴィンテージ系の機材やプラグインを使用して、音作りを追い込んでいく必要がありますが、RETROには「こういったサウンドが欲しいんでしょ?」という感じのプリセットが多数収録されているため、複雑なエフェクトチェーンを組むことなく、それっぽい雰囲気に仕上がります。
基本的にはプリセットを選択して[Finisher]を調整すれば、ほとんどの場合好みのものが見つかるのでは。
トラックでのガッツリした音作りはもちろん、バス/マスターで薄めに使用するのも大変良いです。
あとは[Finisher]ノブをオートメーションでコントロールしたりするのも、かなりそれっぽい演出が手軽に組めます。
4つの年代から選択可能なブラウザ
1960年、1970年、1980年、1990年といった4つの年代から合計50種類のモードを選択可能です。確かにそれっぽい質感なので思わずニヤニヤしてしまうw
モードとは別にプリセットは100種類用意されています。
あとはモードごとに割り当てられたパラメーターノブを良い塩梅に調整するのみです。
一から音作りをする以外は認めん!というプリセット嫌いな人もこの快適さ、サウンドの良さは体験してみることをオススメします。
また、どのような音の構造になっているのか研究になる側面もあるのかなと。
音・効果について
ピッチのヨレた感じや、レコードで鳴らしたようなサウンドはお手の物で、マスターに立ち上げるだけでそれっぽくなります。
レトロサウンド色が強い本機ですが、レトロに限らない音作りにも活躍してくれるのではないかなとも感じました。
例えば、煌びやか過ぎるシンセの高域を柔らかくしつつ、中低域にふくよかさを出す、などです。
全体的に単純に古臭い音というわけではなく「現代のレトロ」サウンドに昇華する感じなので、あまりレトロを意識せずに、モダンでありつつ温かみを出すエフェクターとしても優秀なのではないでしょうか。
CPU負荷
負荷はそれほど高くはないですが、激軽というわけでもない感じ。
設定によって多少バラつきはあるものの概ねこれくらい。
計測環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- Audio I/O・・・Solid State Logic SSL 2
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
面倒な設定をせずにレトロな質感を手に入れたい!という方はかなり重宝するのではないかと。
他のFINISHERシリーズ同様、手早く目的のサウンドにたどり着けるため、時短につながることと、初心者にもやさしい極めてシンプルな操作性でありつつサウンドは本格はというのが推しポイントですね。
UJAMの思想「制作を前に進める」ことはRETROでもしっかり受け継がれています。
ではでは。