Kiloheartzのエフェクター、全部使えます。
マルチに使用できる、一線級のモダンなシンセサイザーはどうしても有名なものに人気が集中しがち…。
そしてトップ集団に食い込む実力派のシンセというのもなかなか出てこないのが実情です。
そんなレッドオーシャンのシンセサイザー界に一石を投じた、スウェーデンのデベロッパーKiloheartzの実力派シンセ、Phase Plantのご紹介です。
Kiloheartz Phase Plant
Phase Plantは、モジュラー形式のシンセサイザーで見た目の通り、非常に多機能です。
多機能なシンセサイザーというと難しく感じる方も多いかと思いますが、視認性がとても良く、視覚的にも楽しめるので、難解なシンセ特有の”とっつきにくさ”はありません。
音に合わせてアニメーションしたり、モジュールを追加した際に、そのパラメーターを関連付けるかをナビゲーションしてくれたりと、使いやすいように様々な工夫がされています。
ひとつひとつ確認しつつ、マニュアルと照らし合わせて使っていけば、それほど難易度の高いシンセではありません。
基本1画面に出ている音の情報が全て表示されているため、550種類以上用意されているプリセットを聴きながら確認していけば、それぞれの役割が分かるはず。
4種類の音源方式。モジュールの追加は無限
音源は、4種類のジェネレーターモジュールを使用可能で多彩な音作り。
- アナログオシレーター
- ノイズジェネレーター
- サンプルプレイヤー
- ウェーブテーブルオシレーター
アナログオシレーターは、ノコギリ波、矩形波、三角波、サイン波の4種類。
シンプルですが必要十分です。
サンプルは305種類が用意。オルガンやドラムループなど。
ウェーブテーブルは208種類あり、バリエーションに富んでいます。
さらに、手持ちのサンプルを読み込むことも可能で、高性能なウェーブテーブルエディターにより、読み込んだサンプルをウェーブテーブルに変換し使用することも。
音源モジュールの他にディストーションやフィルターもあり、モジュールは基本的に無限に追加可能となっているため、事実上音作りは無限大。
操作性については、エンベロープジェネレーターや、各種パラメーターともに視覚的に何がどうなっているのか、パッと見で理解しやすくなっているのは親切だなと感じました。
グラフィックをそのままドラッグして調整できるのも分かりやすくて良いです。
Kiloheartzのエフェクト全搭載
Phase Plantには、Kiloheartzのお家芸であるプラグインエフェクトが全て搭載されています。
搭載エフェクトはそれぞれが独立して販売されている有償のものです。
Disperseや、Faruratorなどの人気エフェクトも搭載。
これだけでもPhase Plantがどれだけ強力なシンセサイザーか分かりますよね。
音について
全体的にモダンで、ソリッドとマイルドの中間、バランスのとれた音質。
モダンと言っても、強烈な低域、高域が出るエッジの効いたサウンドというよりは、低域はスッキリ、中域が得意な優等生サウンドなので、汎用性が高い部類に入ります。
とはいえ、足りない部分はエフェクターで何とでもなるポテンシャルはあるのかなと。
CPU負荷
4音弾いて概ねこれくらいですが、負荷の高いものになると1/4ほど使用するものもありました。
計測環境は次のとおり。
- OS ・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・AMD Ryzen 9 3900X [3.8GHz/12Core]
- メモリ・・・64GB [DDR4-3200 16GB×4]
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
インベーダーゲーム付き
右上のインフォメーションボタンの横にあるキャラクターをクリックすると、インベーダーゲームが遊べます。
曲作り、音作りの息抜きにどうぞ。
さいごに
なんといっても魅力はKilohertzのエフェクターがシンセサイザー内部限定とはいえ、全て使えること。
搭載波形のバリエーションも多彩なので、極めつくす甲斐がありますね。
モジュラーシンセサイザーに詳しい人であれば、モジュールを追加していく喜び、パッチングの楽しみも味わえるはずです。
注意なのは、スタンドアロンには対応していないため、使用するにはDAWが必要なところくらいでしょうか。
ではでは。