ってなわけで、懐かし音源シリーズ書いていきます。KORG 01/W
です。
01/Wとは
01R/Wは1991年に発売。同年に発売された01/Wの音源モジュール版です。M1の後継機種、KORGのフラッグシップシンセサイザーとして誕生しました。価格は200,000円。
読み方は「ゼロワンダブリュー」らしく、「 / スラッシュ」は発音しないらしい。ずっと発音しとったわい・・・。略称は「ゼロワン」。
奇抜なネーミングですが、当初は「M10」として発売予定だったものが、逆さまに読まれてしまい01/Wになったとか、普通過ぎるから変えろと社長から言われたとか、諸説ありますが何がホントなのかわかりませんw
音源方式はAIスクエアシンセシスという形式のPCM音源で、ROM容量は6MB。(ちなみにRoland JV-880は8MB)7,000ノートを記録出来るシーケンサー内臓です。
多くの著名人がこぞって愛用
プロにもファンが多く、中には長期に渡って愛用されている方も。YMOをはじめ、小室哲哉さんや原由子さん、さらには敬愛する米光亮さんもゲーム音楽アレンジで多用されていましたね。他にも書ききれませんが、とにかく大ヒットしたシンセです。
この頃のKORGは良く言えば音が太く、中域低域に存在感がある音でした。悪く言うと、抜けが悪く、暗い音。Rolandの華やかな明るい音とは方向性が違っていて、当時も人によって好みが別れてました。
阿保剛さんは現在も愛用されていらっしゃるようです。サイトでは01/Wで作られた曲も聴けます。
VAL-SOUND
教授もたいそう気に入ったようで、1993年に再結成してリリースしたテクノドンで多用されています。もうほんと01の音ばっかり。プリセットもまんま使われててニヤっとしてしまうw
そのアルバムをひっさげての東京ドームライブでは教授のメインキーボードに採用されてます。DX7に比べてシンプルなのが気に入っていたようです。細野さんはJupiter-8弾いてますな。豪華!
90年代のゲーム音楽アレンジ等でもとにかくよく聴くことができます。
仕様
S4KさんのDEMOです。演奏力ハンパないっす。
ウェーブシェーピングで幅広い音作り
01/Wの最大の特徴はなんといってもウェーブシェーピングです。AM変調によってPCM波形を変化させます。PCM波形を専用のウェーブテーブルで加工することで、波形を変化させて倍音を作り出します。
波形は60種類あり、テーブルから選択します。
K_Take所長さんいわく、
簡単に言うとアレです。ニンジンを星型の形にするときに使う「型」がウェーブシェイピングテーブル。入力波形がニンジンです!(笑)アルミで出来た型をニンジンに押し付けると切れて星型になる。そんなことを音に当てはめるのがウェーブシェイピングです。チョット拡大した入力波形にウェーブシェイピングテーブル押し付けるとそんな形ですよね!・・・強引??
言い得て妙wわかりやすい表現ですよね。
変化量と、エンベロープ(時間的変化)も調整できますので、PCM音源ながら幅広い音作りができます。FM音源までとはいいませんが、変態的な音も出せます。
昨今のソフトシンセのように、視覚的に波形の形は見れないので、耳を頼りに音作りしていきます。掛け過ぎたり、元から複雑な波形の音に掛けるとノイズみたいな音になることが多いです。
ウェーブシェーピングのソフトシンセのはしりといえばZ3ta+2ですね。結構好きで使ってます。リードとかシーケンスフレーズに良いですね。抜けが良くて明るい音なので、重宝します。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
さすがにアコースティック系の音に関してはリアルとは言えませんが、シンセサウンドは全然使えますね。
改めてそのサウンドを聴いてみると、デジタル全盛の現在にこそ良さがわかる気がします。こういう粗い質感、温かみこそ、ソフトシンセで表現しづらい音です。プラグインで汚してもこうはならないんですよね。
多感な時期に刷り込まれたこともあって、個人的にはずっと好きな音です。
ではでは。
01/Wについておまけ
米光さんと言えば01ってくらいめっちゃ多用されてるCD。
元コナミのメタルユーキさんも愛用されていた。悪魔城ドラキュラXの「血の涙」でも、イントロの動物の声っぽいのはモロ。ってかこの音はYMOも使ってるし、ほんとに流行ったw
レイフォースのMD版「レイヤーセクション」のアレンジでもかなり使われてます。