SSLのチャンネルストリップ?もうお腹いっぱい…と、考えるのは早計ですよ!
ついに本家Solid State Logicより、SSLコンソールの代表選手、SSL 4K Gプラグインが待望のリリースです。
個人的にもSSLサウンドが大好きなので、本家がようやく実現してくれたことにまずは感謝。
一通り試してみたところの現在の感想は、もうチャンネルストリップはこれで良いな!と思えました。
今回も、PluginBoutiqueさんからライセンスをご提供頂きましたので、レビューしていきます!
SSL 4K G
この度リリースされたSSL 4K Gは、SSLコンソール最高との呼び声も高い、SSL Gシリーズ(292タイプ:ピンクノブ)に加え、SSL Eシリーズの最終型(242タイプ:ブラックノブ)をコンポーネント(部品)レベルでモデリング。
そして、さらに現代の楽曲にマッチするように、磨きをかけたダイナミクスが得られる設計になっていると。
名前こそ「4K G」となっていますが、実質は「4K E」も使えるため、2通りのサウンドをボタンひとつで切り替えて使い分けることが可能というわけです。
マイクプリアンプ

SSLのチャンネルストリップは数あれど、マイクプリ機能が搭載されたのは本機が初です。
質感がハッキリ言って最高です!もうこれだけのためにSSL 4K G買っちゃって大丈夫です!っていうくらいに良い。
元から太い音や密度のある音にはあまり効果はないかもしれませんが、ITB完結によくみられるデジタルサウンド臭さの解消には、間違いなく心強い味方になると言えます。
高域のか細く薄くなる感じや、中低域の密度感の不足を解消したい方に、一度試してみて欲しいですね。かけ過ぎは禁物ですが、素材に応じて適した量で使用するとサウンドに説得力が出ます。
ゲインは自動的に調整されるので質感だけが変化するのも神!!
EQ、ダイナミクスセクション、サウンドの質感
EQセクションは、全体的にパキッとしていてクリアなサウンドです。強めにかけてもダイナミクスが損なわれず、立体感のあるクリアなサウンド。
いわゆる気持ち良さ、エフェクターのカラーのようなものは少ないです。味付けを行うのではなく、素材そのものの味を活かす感じ。
SSL Eシリーズの最終型(242タイプ:ブラックノブ)とはキャラクターがハッキリ異なっており、こちらの方が味付け的な気持ちよさはあるものの、クリアさは劣る、といった印象。
GとEのキャラを楽曲に応じて使い分けることができるのはお得です。
コンプレッサーセクションGタイプとなっており、キツめにコンプさせても芯がしっかり残って潰れないのが良いですね。
またFASTスイッチをオンにすることで、アタックタイムが高速になるため、ドラムトラックなどの処理に使うと良いでしょう。
あとは、ゲート/エキスパンダーを組み合わせることでダイナミクス処理を行うのは他のチャンネルストリップとも同じですね。
なお、SSL 4K GとBrainworx製4000Gと聴き比べましたが、SSL 4K Gの方がクリアでダイナミクスがあるように感じました。ただ、これは好みの問題もあるので、どちらが良いというわけではないのかなと。
パッと聴いた感じ気持ちよさが得られるのはBrainworxですが、クリアで粒ダチが良いのは本家です。
SSL360°
SSL360°とは、同社のハードウェア製品である「UF8」や「UF1」そして「UC1」と連携して、SSLのスタジオコンソールと同じように先進的なワークフローを提供するシステムです。
今回紹介した「SSL 4K G」はもちろん、同社のプラグインである「4K B」や「Bus Compressor 2」そして「SSL Meter」などが対応。

専用のソフトウェアも用意されており、DAW上で実機さながらのミックス・マスタリングが行えるというわけです。
ハードウェアを導入する余裕がある方は是非。嫌なことがあっても360°あると許せそうwとは言え、ここまでするのはなかなかハードルが高いですが…。
まぁ360°なくともプラグインだけでも十分使えますので、参考まで!
さいごに
個人的なポイントは、デジタル臭さを解消するマイクプリ、現代のサウンドにもマッチするダイナミクスを失わない芯のあるクリアなサウンドを実現するチャンネルストリップです。
EQセクションだけであれば、他社製品と好みで使い分けも良い方法だと思いました。
しかし、マイクプリと組み合わせた際の強さに大いなる可能性を感じたので、本家の凄みをみた気がします。
デジタル臭さを、極めて自然に解消したい方へのひとつの到達点かなと。
ハードル高いですが、360°にも俄然興味が湧いてきたゾ!
ではでは。