音楽ガジェット界のスイスアーミーナイフ。
OP-1で有名なスウェーデンのシンセサイザーメーカー、Teenage EngineeringのOP-Zをご紹介します。
こんな小さなボディによくぞここまで詰め込んでくれた!と言いたくなるレベルの、脱帽モノマシン。
1つの記事で完結できるほどのマシンではないのですが、今回は「DTMで使用する場合どれほどに活躍するか」という観点で見ていきましょう。
Teenage Engineering OP–Z
OP-1の約半分ほどのサイズで、サウンドのみならずビジュアルもコントロールすることができる唯一無二のシンセサイザーOP-Z。
照明や舞台装置における世界基準のコントロールプロトコル『DMX』を操作、写真データをシーケンスできる「フォトマティック」やCG をコントロールする「ユニティ3D」を搭載しているのですが、それだけではありません。
シンセサイザー、リズムマシン、サンプラー、MIDIコントローラーとしての機能がかなり充実しつつ、OP-1同様に楽しく直感的に音楽ライフを豊かにしてくれるデバイスなのです。
液晶画面が搭載されていないことに不安を覚える方もいるかもですが、ご安心ください。視認性が良く直感操作をより快適にしてくれるアプリが用意されています。
本体だけでも多くの操作が可能ですが、あまりに多機能なのでより柔軟にこなすためにはアプリ必須。
iOS/Mac OSのみアプリに加え、Android(早期アクセス版)が用意されている状況です。それぞれのインターフェイスに大きな違いはありません。
ちなみに左下にはOP-Z本体のバッテリー残量が表示されます。
音源/エフェクター部
12種類のシンセシス・サウンド・エンジンを搭載。
- bow(string synthesis)
- cluster(clustered oscillators)
- digital(digital raw engine)
- electric(complex and transforming)
- saw(filterd waves)
- shade(smooth piano)
- sample(psm sample player)
- uranus(clean bass)
- volt(multi oscillator electric synthesis)
- analog(saw,sub,noise with filter envelope)
- organ(8 different fm organ algorithms)
- ep synth(8 different fm piano algorithms)
後述しますが、シンセグループ(ベース、リード、アルペジエーター、コード)では、シンセエンジンを切り替えて多様な音作りが可能です。
また、エフェクトは6種類用意されています。
- crush(クラッシャー)
- delay(デジタルディレイ)
- dist(オーバードライブディストーション)
- rymd(デジタルリバーブ)
- reverb(リバーブ)
- chorus-80(オールドスクールコーラス)
さらに多くのシンセエンジン、エフェクトが継続して提供される予定で、OP-Zアプリのコンフィギュレーターから入手できるようになります。
既に盛り沢山なのですが、今後、拡張していく機能からも目が離せません。
収録音色
ドラムグループ(キック、スネア、ハイハット、サンプル)は、それぞれ24種類が収録されています。スネアは、808風のスネアやクラップなど、サンプルにはヒット音色や掛け声といった感じ。
シンセグループ(ベース、リード、アルペジエーター、コード)は、音階がついているので普通のシンセ音色として使用することが可能です。
必要なものは揃っているので、内蔵音色を組み合わせるだけでもアイデア次第で曲が完成するのは嬉しいところ。
サンプラー機能
サンプラーとしての機能も搭載されています。
内蔵マイクや、USB経由で8つのトラックにサンプリングすることが可能。
トラムトラックとシンセトラックで、サンプリングのされ方が異なるので、ソースによって使い分けしましょう。
- ドラムトラック 24種類またはスライスしたサウンドを割当
- シンセトラック 音階付きで割当
サンプリングしたソースは、開始部分と終了部分の編集、ピッチの変更などアプリから行えます。
DAWと連携させて使用してみる
ドラムマシンとしても、シーケンサー/MIDIコントローラーとしてもバッチリ活躍してくれます。
まずはドラムマシンとしての使用ですが、PCとの接続はoplabを搭載して、MIDIで接続を行います。
アプリはiOSのものを使用します。アプリをダウンロードして、ケーブルで接続するとすぐに認識してくれました。
※DAWはWindowsマシンですが、iOS、Androidなどのアプリがあれば問題ナシ。
MIDIチャンネルを切り替えると音色が切り替わります。
- MIDI 1Ch キック
- MIDI 2Ch スネア
- MIDI 3Ch ハイハット
- MIDI 4Ch サンプル
- MIDI 5Ch ベース
- MIDI 6Ch リード
- MIDI 7Ch アルペジエーター
- MIDI 8Ch コード
各チャンネルの音色はこのようになっているので、MIDIチャンネルを切り替えるだけで、MIDI鍵盤からも各トラックの24音色を鳴らすことができます。
内蔵スピーカーから聴こえるサウンドとは比較にならない、ソリッドで立体感のあるサウンドなので、ソフトウェアシンセサイザーとは一味違いますね。
シンセサイザー/ドラムマシンとして音色の追加、サンプラーとして外部の音を取り込みなどの機能をフル活用すると、DAWでの音楽制作の幅が飛躍的に高まるのではないかと感じます。
MIDIコントローラー/シーケンサー
MIDI OUTに接続すればMIDIコントローラー/シーケンサーとしても利用可能です。
24の鍵盤としても使用できるし、OP-Zでシーケンスを作りこんでDAWに流し込めます。
ソフトウェアシンセサイザーはもちろん、ハードウェアシンセサイザーを鳴らすこともできますよね。
瀬戸さんの動画
ベータ版の紹介動画ですが、OP-Zの昨日が網羅的に紹介されており非常に分かりやすいです。
瀬戸さんはOP-1も愛用されていますよね。
さいごに
見た目以上に多彩な機能に溢れており、非常にコストパフォーマンスに優れた製品です。
直感的な操作性で、堅牢な作りなので、所有欲が満たされると共に、使い込むにも頼れる相棒となるでしょう。
ではでは。
teenage engineering OP-Z