大注目!!
日本発デベロッパー、VoosteQのコンプレッサープラグイン「Material Comp」をご紹介します。
特徴は次のとおり。
- 6種類のコンプレレッサータイプ
- 6種類のプリアンプサチュレーション
- 8種類のアナログ回路シミュレート
- 4種類のグルー(接着効果)シミュレート
- 視認性の良いGUI
- CPU負荷が低い
とにかく思いつくコンプレッサーのキャラクターは全て表現できるのではないか、と思えるカメレオンコンプです。
デモ音源も用意してあるので、是非聴いてみてください。
それでは詳しく見ていきましょう。
※この記事は2020年3月8日に投稿されたものに、加筆修正しました。
VoosteQ Material Comp
様々なキャラクターをエミュレーションし、ひとつのプラグインにまとめてたものが「Material Comp」です。
コンプレッサーの各セクションのキャラクターを組み合わせることで、唯一無二の個性を作り上げることも可能。
また、複数のプラグインを立ち上げる手間が減り、時短やCPU負荷の軽減につながることも見逃ません。
GUIの視認性はもちろん、作り込まれているカラフルなアイコンが切り替わるのも楽しい。グラフィックも作りこまれてて選ぶ楽しさがあります。
とっつきやすく、分かりやすいので、エフェクターに苦手意識を持っている方にも良いのではないかと。
コンプレッサータイプ
- Modern VoosteQ独自のモダンサウンド。オールマイティなキャラクター
- 60’s FET FETコンプレッサーのモデリング
- Luxe VCA CAコンプレッサーのモデリング。クリアなサウンドが特徴
- Studio Master VoosteQ独自のマスターバス用のサウンド
- OPTO オプティカルコンプレッサーのモデリング。ボーカルやベースやバスに最適
- TUBE 状態の良い真空管コンプレッサーのモデリング
6種類のコンプレッサーが用意されています。
個人的にはLuxe VCAがとても気に入りました。
それぞれのキャラがしっかり分かれていて、使い勝手が良いですね。
スレッショルドやレシオなどの設定はそのままで、タイプを切り替えられるので音作りが捗ります。
プリアンプタイプ
- Harmonic オールマイティに使用可能なアナログサウンド
- Analog わずかに太くなるよう設計されたサチュレーションサウンド
- Smoggy 60年代ビンテージのパーツで組んだオリジナルのプリアンプのサウンド
- Tape テープエミュレーション
- Class A HOT クラスAを使用した暖かいサウンド
- Class A COOL クラスAを使用した暗めのサウンド
Preamp Mixノブで、Preamp Spiceのミックス量を調整可能です。
決して派手な味付けではないですが、それぞれのキャラが付加されます。CLASS Aが特に独特で良い印象を受けました。
アナログフレーバータイプ
- Rich Buffer 高価格バッファーのエミュレート。トランス回路による明瞭さも追加
- N-Type 英国製大型コンソール”N”モデルのエミュレート
- S-Type 英国製大型コンソール”S”モデルのエミュレート
- USA M Console USA製ミキサーのエミュレート
- British Green ”緑のハードウェア”で有名な英国製コンプレッサー
- Cheep Console チープなUSA製ミキサーのエミュレート
- 60’s Surf 60年代ビンテージハードウェアのエミュレート
- Analog+ オーディオケーブルのみを通したアナログの空気感を付加するエミュレート
代表的なNやSなどのサウンドに加えて、ケーブルのみのサウンドまで用意されています。
グルータイプ
- Studio Console 英国製コンソールのマスターバスをモデリング
- Aggressive Pumping ポンピング効果を付加
- Pop Tune リダクション量に応じて明るいサウンドに
- Deep Bass 低音が強調されているサウンドに最適
Glue Mixノブで、Glue Magicのミックス量を調整します。
Sコンソール以外が、ジャンルで表現されているのも良いですね。
Special Section
スペシャルセクションには他のプラグインには見られない特殊処理を行う、3つのコントロール可能なパラメーターを搭載しています。
- Punch 入力信号を検出してより強いアタックを付加
- Groove 入力信号を検出して最適なグルーヴを付加
- Imager 低域に影響を与えず中域以上をステレオに広げる
Punchはアタック部分、Grooveはリリースをコントロールします。トランジェントコントロールのような効果があり、コンプレッションで失われたダイナミクスを精密にコントロールすることが可能。
幅広いコンプレッサーの処理に加えてスペシャルセクションを組み合わせることで、ダイナミクス系の処理はMaterial Compだけで済んでしまうのではないかと。
Imagerは、低域をしっかりセンターに残したまま、中域以上を心地よい音楽的な広がりを持たせてくれます。
音について
ドラムステムにいくつかプリセットを使用してみました。Material Compのキャラクターがよく分かると思います。
こちらが元の素材(Dry)。
Acoustic American Vintage
Master Rock
MixBus British Trash
Drums 1 Kick Modern
全体的に芯をしっかり残したコンプレッションで、とてもクリアなサウンドで現代的。ダイナミクスをしっかり保ったまま、パンチや気持ち良さを付加してくれています。
明るいサウンドで滑らかな質感なので、ジャンルを問わず使用出来るコンプレッサーと言えるのではないでしょうか。
アナログ感が強過ぎると、場合によってはモダンなサウンドとは合わない場合もありますが、Material Compのアナログ感はその部分のマッチングが絶妙と感じました。
アナログフレーバーや、プリアンプエミュもかかり過ぎず、過度にアナログを増してる感がありません。
かと言って、変なデジタル臭さもなく自然な色付けなので、非常に使い勝手が良く、汎用性が高いなと。
その他機能
プリセットは69種類用意されています。
組み合わせが非常に多く懐の深いプラグインなので、まずはプリセットでどういった音作りが可能なのか試してみると全容の把握が早まると思います。
細かい部分では、グラフセクションのカラー調整が出来たりもします。なお、変更したカラーは次にプラグインを立ち上げてもそのままになってるのも良いですね。
左上のロゴをクリックすると、ノブやスライダーの重さの変更も可能。日本製らしく、細かいところまで配慮が行き届いています。
また、最新のアップデートで、メーターグラフスケールの可変(-60dB〜-
マニュアルが分かりやすい
これは国産プラグインの強みなのですが、日本がマニュアルが非常に分かりやすいです。
言語の問題もそうなのですが、マニュアル自体が親切で分かりやすいのも◎。
CPU負荷
CPU負荷は低いです。安定感も素晴らしい。
オーバーサンプリングOFF
オーバーサンプリングON
ほとんど変わりないですね。
オーバーサンプリングを使用すると、粒立ちが良く鳴るのと、歪みが減り滑らかになりつつ、力強さが加わります。
ただ一点、アナログフレーバーだけは多少負荷があります。オーバーサンプリングをONにした状態で比較してみました。
アナログフレーバーOFF時
アナログフレーバーON時
負荷が高いといっても、許容範囲レベル。
計測環境です。
- OS・・・windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Cubase Pro 10.5
- Audio I/O・・・RME UCX
- バッファーサイズ・・・512samples
- サンプリングレート・・・44.1kHz
さいごに
あらゆるコンプレッサータイプやっサチュレーター、グルーまでをもエミュレーションして1つのプラグインにまとめることで、音作りや作業効率に革新をもたらすプラグインです。
コンプレッサーやサチュレーションなど、セクション単体でもプラグイン化できるほど充実している圧倒的コストパフォーマンスの高さ。
14日間フリートライアルがあるので是非試してみてください。
ではでは。