元祖無色透明。
Wavesのコンプレッサープラグインの中で、Renaissance Compressor(以下ルネコン)と人気を二分するであろうロングセラーコンプレッサー「C1 Compressor」。
ルネコンはほんのり味付けがあるのに対して、C1は味付けのないデジタルコンプです。
C1 Compressor
何かの実機をモデルとしたものではなく、Wavesオリジナルの機能的なデジタルコンプレッサーです。
アタックタイムが最速0.01msecに設定できるため、立ち上がりの早い素材でもしっかりブッ潰してくれる部分が大きな特徴。
アナログ的な味付けは一切なく、音を彫刻することだけに専念できるプラグイン。
かなり詳細な設定・コントロールが可能で、視認性にも優れているため、リリースされてかなりの時間が経過していますが、ある意味完成したプラグインといえます。
今でも使い続けている方は非常に多いのではないかと。
4種類のプラグインがバンドル
C1はコンプレッサーのイメージが強いですが、合計4種類のプラグインばバンドルされており、かなり幅広い音作りが可能です。
- C1 Compressor コンプレッサー・エキスパンダー
- C1 Compressor-Gate コンプレッサー・エキスパンダー・ゲート・サイドチェイン
- C1 Compressor-SideChain コンプレッサー・エキスパンダー・サイドチェイン
- C1 Gate ゲート
サイドチェインフィルターは、周波数帯を選択してコンプレッション可能なので、高域のアタックだけコンプするなど、痒いところに手が届くサウンドメイキングが可能です。
C1 Compressor-Gateが全ての機能を搭載したものですが、必要な機能に応じてそれぞれを使い分けることでCPU負荷の節約にも繋がるんですよね。
C今回はコンプレッサーに焦点を当てていくことにします。
細かい調整が可能で少しわかりづらい
パラメーターが数値で設定できるので、エンジニアさんや拘りのある方は非常に信頼のおけるプラグインではないかと思います。
しかしそうでない方には少々難しく感じるかもしれません。
アナログコンプをエミュレートしたもの等は、とりあえずスレッショルドを下げれば効果が分かるものが多いですが、C1は仕組みが分かっていないとどう変化するのかが直感では理解しづらいんですよね。
C1 Compressorには5種類のプリセットが用意されているので、まずは[Classic compressor]を選択し、[Threshold]を調整するところから始めると良いかと思います。
さらにRefarenceモードで[Peak Refarence]を選択すると、圧縮してレベルが下がった分ゲインを持ち上げてくれるため、より直感的にコントロール可能。
音について
コンプレッサーによる色付けは心地よいものですが、不要な場合もありますよね。
冒頭にも書いた通り、非常にクリアで色付けがないコンプレッサーなので、ソリッドでクリアなトラックなどにはうってつけ。
個人的主観もありますが、モダンなジャンルではトラックに使いたいコンプレッサーの筆頭格ではないかと、令和になった今でも思います。
CPU負荷
CPU負荷は非常に軽いです。環境を選ばずに使用出来るでしょう。
計測環境は次のとおり。
- OS・・・Windows10 64bit
- CPU ・・・Intel Corei7 3.2G
- メモリ・・・32GB
- DAW・・・Cubase10.5
- Audio I/O・・・Solid State Logic SSL 2
- バッファーサイズ・・・512samples
さいごに
味付けをしたくないけどコンプレッション効果が欲しい場合や、ゲート、エキスパンダーも必要十分に機能する万能プラグインです。
しっかり役割を果たす職人のような存在。
個人的には味付けしたくないコンプとしてシンプルな使用をすることが多いですが、パラメーターも数値入力可能で、細かく追い込むことが可能なので、ある意味玄人向けとも言えるのではないでしょうか。
使う方によって実力が引き出されるプラグインなのではと改めて感じます。
あまり細かい部分に拘らないのであればルネコンの方が使いやすいかもしれません。
ではでは。
WAVES C1 CompressorWAVES Gold